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co.

ねね、莉犬くん!

ri.

ん?

co.

僕が莉犬くんに、莉犬くんが僕にミサンガをくれた日覚えてる?

ri.

もちろん覚えてるよ!

co.

体育祭の日だったよね

ri.

ころちゃんリレーで不安がってたからお互いお守りのミサンガを作ったよね!

co.

僕がリレーで緊張し過ぎて、莉犬くんが僕にミサンガをくれたよね!僕も莉犬くん自分の競技で緊張してたからミサンガ作ってあげたんだよね!

co.

莉犬くんどうしよ…やっぱり自信ないよ、リレーなんて…

ri.

大丈夫!ころちゃん足速いし、クラスで代表レベルに速いんだよ?

co.

でももし僕がコケて負けたら…

昔から自分に自信がなかった。

ri.

あぁもう!ころちゃんもっと自分に自信持って!はい!お守り!手首出して?

謎に思いながら手首を出す。

co.

え…?あ、ミサンガ…!

ri.

そう!俺からのお守りだよ?だからきっと大丈夫!

二パッと笑顔を見せて笑う君はとっても可愛かった。

co.

ぼ、僕も莉犬くんに作ったの!どう…?

ri.

わぁ!めっちゃオシャレじゃん!付けて付けてぇ!

まるで子供のようにはしゃぐ。

co.

え、今?

ri.

今!俺の競技、ころちゃんのリレーの次だし

co.

そっか!じゃあ手首出して?

ri.

はい!

ワクワクした様子で君は手首を差し出す。

co.

ミサンガってね、切れた時に願い事が叶うんだって!

ri.

そうなんだ!切れて欲しくないけど願い事が叶うんだったら切れて欲しいかもなぁw

co.

あははwあ、僕もうそろそろ出番だ!

モブ

おい、ころん!俺らこっちだよ!w

モブくんに腕を引っ張られて連れて行かれる。

co.

あ、ちょ!引っ張んないでよ!w

ri.

ころちゃん!

名前を呼ばれ、莉犬くんの方を見る。

ミサンガを付けた腕を高く上げ、手をグーにして突き出していた。

僕も返事をするようにミサンガを付けた腕を高く上げた。

アンカーの僕は順番が来るのを待った。

ついに次がアンカー。

4走者目がだんだん近づいてくる。

大丈夫、莉犬くんが作ってくれたお守りが僕に付いてるんだから。

モブ

ころん…!頼んだ…!

パッ

バトンを受け取ると僕は前だけを見て全力で走った。

前には生徒が2人いた。

でも僕なら大丈夫。

莉犬くんが作ってくれたミサンガが手に付いてるんだもん…!

いける…!抜かせる…!

ri.

ころちゃん!いけるよ!!

横からチラッと聞こえた。

その言葉に反応するかのように体は勝手にスピードをあげ、前の生徒を抜かしていく。

いける!!

勝てるっ!!

先生

1組1位通過ゴール!!

co.

ハァハァ…

モブ

やったな!!お前すげぇよ!

モブ

やったね!!

ri.

ころちゃん!かっこよかったよ!!おめでとう!!

co.

これのおかげだよ…!ありがとう!

手をVサインにして突き出す。

莉犬くんも同じようにVサインを作り、僕の顔の前に突き出した。

co.

莉犬くんの作ってくれたお守りで勝てたよ

ri.

いやいやwあれはころちゃんの実力だよ!w

co.

莉犬くんもあの後勝ったもんね!

ri.

無事、コケたりせずに完走出来たからねw

co.

そんであのミサンガも莉犬くんのは数ヶ月後切れたよね

ri.

そうなんよねー…!

co.

莉犬くんのお願い事、本当に叶ったよね…!

ri.

うん!叶ったよ、びっくりした!w

co.

そんでね、僕のミサンガも今日切れたんだよ、ここに来るまでの間に

ri.

本当?長かったね!wころちゃんの願い事も叶うかな?

co.

僕の願い事も叶うといいなぁ

ri.

そうだね!

co.

ってことで莉犬くん

ri.

なに?

co.

そろそろ逝っていい?

ri.

あはは、長い間我慢したもんね…!

ri.

ころちゃん見て見てー!

ある朝、いつも通り学校に登校したら莉犬くんに話しかけられた。

co.

どしたの?

ri.

ころちゃんが作ってくれたミサンガ切れたの!

嬉しそうに切れたミサンガを大事に両手で持って見せてくれる。

co.

マジ?じゃあ願い事叶うんじゃない?

ri.

叶うといいなぁ!

嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる。

co.

どんなお願い事したの?

ri.

えーw

君は切れたミサンガを少し見つめた。

ri.

内緒!w

いたずらっ子のように笑う。

co.

えー!なんでよ!w

ri.

もし叶ったらそのうちわかるから!w

co.

そのうちわかる…?なんだろうw

その時君は一瞬悲しそうな笑顔を浮かべた。

co.

え…?死ん…だ…?

家に警察から電話がかかってきて学校の近くの交差点まで来るよう言われた。

警察

はい、向かってきたトラックに撥ねられて…おそらく事故です。

警察官は莉犬くんが撥ねられたであろう場所を見ながら申し訳なさそうに言う。

いや、違う。

これは事故じゃない。

自殺だ。

莉犬くんは言ってた、

ri.

叶ったらそのうちわかるから!w

あの時悲しそうに笑ったのはそういうことだったんだ。

co.

いや…!そんな訳ない!!

co.

莉犬くんに至って…そんなことする訳ない!!ポロポロ…

co.

今朝まで元気に笑ってたのに…!ポロポロ…なんで…

警察

こちらを手に握っていました

警察官から切れて汚れたミサンガを渡された。

co.

…!僕が作った…ポロポロ…莉犬くん…

co.

うわぁぁぁああああ!!!

ミサンガを強く握りしめた。

co.

莉犬くんに会いたいよ…

ri.

俺も会いたいよ!

co.

もう逝っていいよね

ri.

未練がないんだったらおいで。俺はここで待ってるから

ここにいないはずの君に僕は話しかけた。

声は聞こえないのに本当に君と会話をしている気がした。

co.

っ…!!

かすかに、両手を広げる君が見えた気がして僕は夢中で君の方へ走った。

もう二度と目が覚めないという覚悟を決めて。

この作品はいかがでしたか?

113

コメント

13

ユーザー

このお話定期的に見ているんです…… 毎回目から汗が出てくるんです…… 。 ゚( `>ω< )

ユーザー

あの、妹のやつのお話書いてくれませんか?

ユーザー

う"ッ泣けるぅ‪( ;ᯅ; )‬ フォロー失礼します!

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