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お久しぶりです!!

テストが無事終わりました!!

点数はきっと死んでいることでしょう!!

てことで、また連載していきます!!

楽しみにしていてくれた方、いつもありがとうございます!!

53話目です!

nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作

ご本人様には一切関係ございません!
苦手な方はback推奨!

では!

どうぞ!

第53話『影の境界』

朝。

窓を開けると、涼しい風が頬を撫でた。

空は雲がちだが、ところどころ青がのぞいている。

らんはその光景を眺めながら、昨夜の記憶を反芻していた。

――こさめと笑い合った場面。

――ゲームに勝って得意げな顔。

――一緒に踊った時間。

らん

(……確かにあったんだ)

らん

(あの温かさは、嘘じゃない)

だが同時に、心の奥でずっとひっかかる疑問があった。

らん

……なぁ

振り返ると、そこにはいつものように「もう一人のらん」が立っていた。

穏やかで、どこか達観したような目。

らんはその視線に、迷いを押し殺すように問いをぶつけた。

らん

今までお前が見せてきた……偽物の記憶って、なんだったんだ

沈黙。

重い空気が流れる。

やがてもう一人のらんは、ゆっくりと口を開いた。

もう一人のらん

……あれは、守るための“仮面”だ

もう一人のらん

真実を一気に見せれば、お前は壊れていた

もう一人のらん

だから、歪んだ記憶をかぶせて、隠した

らん

……嘘で、守った……ってことか

もう一人のらん

そうだ

もう一人のらん

薄暗い幻でも、お前が前を向くためには必要だった

らんは拳を握りしめた。

喉の奥が熱い。

あの偽物の記憶に何度も苦しみ、憎み、否定した。

だがそれが「守るための盾」だったと知ると、怒りと悲しみが入り混じる。

らん

……不器用すぎんだろ、お前

思わずこぼした言葉に、もう一人のらんはかすかに笑った。

午前。

リビング。

いるまが新聞をめくりながら、コーヒーをすすっていた。

いるま

顔が重ぇな

いるま

……また、影と話してたろ

らん

……うん

らんは曖昧に頷く。

しばし沈黙が流れる。

その中で、心にふつふつと湧いていた疑問が、言葉となって漏れた。

らん

ねぇ、いつか……あいつを、みんなにも見せられないかな

いるまの手が止まった。

視線が真っ直ぐ、らんに突き刺さる。

いるま

……どういう意味だ

らん

俺とあいつが、同じだって……俺だけじゃなくて、ちゃんとみんなに……

言いかけた瞬間。

もう一人のらん

──それは、駄目だ

振り返ると、もう一人のらんが険しい表情をしていた。

らん

駄目って……なんでっ

らんは思わず声を荒げる。

もう一人のらん

俺は“お前の影”だ

もう一人のらん

他人に認識される存在じゃない

らん

でも……!

もう一人のらん

いるまが特別なのは、あいつが境界に触れているからだ

もう一人のらん

普通の人間に俺を見せれば、崩れる

もう一人のらん

お前も、周りも

はっきりとした拒絶。

らんは言葉を失った。

いるま

……

らん

(……俺と同じなのに)

らん

(なのに、みんなには……)

胸の奥にぽっかり穴が開いたような感覚。

それでも、影のらんの真剣な眼差しに、反論できなかった。

午後。

自室。

らんはベッドに仰向けになり、天井を見つめていた。

らん

(……こさめや、みんなに……あいつを紹介したいって、思ったのに)

らん

(結局、俺の願いは……届かないのか)

まぶたを閉じると、影の声が静かに響いた。

もう一人のらん

『お前は一人じゃない』

もう一人のらん

『俺がここにいる』

もう一人のらん

『それで十分だ』

らん

……でも、俺は……

声が震える。

こさめと過ごした断片的な記憶が、余計に孤独を際立たせていた。

もう一人のらん

『焦るな』

もう一人のらん

『いつか“強い記憶”を取り戻したとき、また違う答えが見える』

その言葉は優しいが、どこか哀しい響きを帯びていた。

夕方。

街は茜色に染まり、人々のざわめきが遠くで響く。

ベランダに出たらんは、空を仰ぎながら呟いた。

らん

……強い記憶……か

その横に、影が寄り添うように立っていた。

姿は同じでも、表情は少し違う。

まるで「兄」のように落ち着いている。

もう一人のらん

お前が選んだとき、俺はそれを渡す

もう一人のらん

……ただし、それは覚悟と引き換えだ

らんは唇を噛む。

自分の願いはまだ届かない。

だが確かに前へと進んでいる実感だけはあった。

夜。

布団に横たわると、今日のやりとりが胸に重く残る。

偽物の記憶の理由。

みんなに見せられない現実。

それでも、隣に立つ影の存在。

らん

……俺は、どうすればいいんだろうな

暗闇に問いかけると、影の声が答える。

もう一人のらん

『迷っていい』

もう一人のらん

『……それが、人間だからな』

その言葉に、胸の奥が少しだけ軽くなる。

目を閉じると、再び断片的な笑顔がよみがえった。

それを抱きしめながら、らんは眠りへと沈んでいった。

第53話・了

おかえりなさい!

次回!

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡540

では!

ばいばい!

桜の記憶は散ってしまう

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