1度やると辞められない…

私は小春

親は離婚して、お母さんが一人で私を育てている。だから、お母さんは夜遅くまで仕事で帰ってこない…。

そして、うちは貧乏だから、お小遣いも少ないわけで…

キーンコーンカーンコーン♪

この子は茜。私の唯一の友達！

ひとりぼっちだった時に話しかけてくれた茜とは凄く気があって、私にとって1番の友達…なんだけど──────────

アニメイトにて

お金ないのに…どうしよう…

でも、気づいた時には勝手に口が動いていた

そう、きっと。

たった1人の友達を失いたくなかったから──────────

次の日も、その次の日も。

私は茜と遊ぶたびに財布からお金が消えていった。

そしてついには───────

｢私もうお金無くて！｣

そういうつもりだったのに。

きっと、お金持ちで恵まれている友人の前でお金がないなんて言ったら捨てられるだろう。

そう、心の隅で思ったから…

その一言だけを残し、茜は去っていった。

そう言った時にはもう茜は視界から消えていて…

お母さんは遅くまで居ないため、返事は帰ってこない

静かな部屋に一人。 凄く腹がたってしまって…

今まで思ってたことを全部吐き出し、我慢していた涙もしだいに溢れていった

そう言って空っぽの財布を扉に投げつけた

コンっ…

勢いよく投げたのに、何も入ってない財布は全く音をたてなかった

そう思い、キッチンに向かう途中にとある物が視界に映った

疑問を解決する前私はその500円玉を手に持ったまま空っぽの財布を拾っていた

そう一人で呟き、500円玉を自分の財布に入れた

学校にて

きっともう嫌われてるよね…

私から誘うなんて初めてだな…

盗んだなんて絶対に言っちゃダメだ…！

行きたい…でも、今回の買い物で使っちゃったしもうないよ…

｢お金がなくないから行けない｣その思いが最初に浮かんだ

だけど、なぜか。

｢また盗めばいいよね｣

その思いの方がずっと強かった

茜と毎日遊ぶ日々が、また始まった

それと同時に、私が親のお金を盗む日々も始まった

そう言われた時は1000円札を。

そう言われた時は5000円札を

そう言われた時は…

1万円札を───────

そう、お金を盗むたびにだんだんとエスカレートしてったのだ

嘘でしょ…気づかれてたなんて…

ドクッドクッ…

今にでも聞こえそうなくらい大きな音で心臓が激しく動いている

ついにお母さんにお小遣いが貰える…！

あれ…ついに…？

あの財布には大量の1万円札が…

お母さんの顔を見ると、それは鬼のように怒っている怖い顔

その怖い目の透明な何かがキラっとひかった

その言葉と同時にお母さんの目からその透明な何かが零れた

そして、ドクッドクッ…と鳴っていた心臓は、グサッグサッ…と音を変えた

そっか…お母さんは私のために頑張って働いてくれてたんだ…

私がちゃんと生きていけるように

心からそう思った

はずだったのに

1度やってしまったら辞められない…

これは凄く怖いことです

主人公の小春は、1度辞めると強く決断しましたね

けれど、その強い決心に負けてしまったのです

小春はきっと幾度も幾度もお母さんの財布からお金を盗むことでしょう。それもだんだんとエスカレートして行き───────

1度やってしまったら辞められなくなってしまうことだってあるのです。

だから、ダメだと思ったことは絶対にやらないようにしましょう！