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56 - ゆり組は永遠に【番外編】

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2025年09月21日

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【幼馴染の恋】

涼太 side


涼太❤️『翔くんいつまで泣いてるの?僕が居るから大丈夫だよ』

翔太💙『嫌な事は忘れる?』

涼太❤️『うん///お手手は?』


〝繋ぐぅ〟小さくて可愛い色白な手を手繰り寄せると押し入れでメソメソ泣いている幼馴染の翔太を抱きしめた。〝俺が敵取ってやるよ!〟同じゆり組のお友達から、俺が折り紙で作ってあげた大切な刀を奪われた翔太は大事だから返せと友達に立ち向かったものの、力に勝る相手に早々に白旗を上げると押し入れに籠った。園の先生でもってしても頑固な翔太は出て来なくて、園庭で遊んでいた事情を知らない俺は最終手段として押入れの前に呼ばれた。


涼太❤️『何で喧嘩なんかしたのさ!放っておけばいいのに』

翔太💙『僕の大事だもん////涼太が作ってくれた!僕の大事!』

涼太❤️『ふふっ何回でも作ってあげるのに』


翔太はいっつも泣いている。色白でお目目キュルキュルでほっぺがぷにぷにの翔太は先生たちの間でもアイドル的な存在で誰からも好かれた。

それに対して面白くない輩もいるわけで…


ゆり組番長

かつや『お前女の子みたいでキモいんだよ』


翔太💙『キモくないもん』


一時期あまりの可愛さに女の子の格好をさせられていた翔太は度々弄られた。親同士仲のいい子たちはそれを知っていて時々弄っては翔子ちゃんなんて言ってお尻を触られたりしていた。


涼太❤️『また泣いてんの?今度は何?』

翔太💙『キモいって…女の子みたいって』


小っさく蹲ってメソメソ泣く翔太は誰が見ても女の子みたいだった。翔太が傷つく言葉など俺は絶対に言わない。


涼太❤️『翔くんはちゃんと男の子だよ大丈夫』

翔太💙『ついてるぞ!僕ちゃんとおちんちん付いてるぞ!今度言ったら僕のおちんちん見せてやる』

腰を手に当てて、今に下半身を露出しそうな幼馴染を宥める。


涼太❤️『やめなさいよ////そんなの誰も見たくないよ』


そんな泣き虫の翔太だが、年に一度勇ましく活躍する日がある。お遊戯会だ。伸びやかな歌声と表現力豊かな演技はママたちを魅了した。

同級生にモテたのは俺の方だった。弱い者いじめを成敗するヒーロー的存在の俺はクラスの女の子からモテたし、運動神経も良かったから男の子からも慕われた。そんな俺に憧れのようなものもあったのかも知れない。翔太はいつも俺の後ろを大人しくちょこちょこ着いて回った。

ある日ゆり組一可愛い愛ちゃんに連れられて園舎の裏に行くと、〝大きくなったら涼太くんと結婚する〟と言って手首を掴んだ愛ちゃんは少しつま先立ちすると柔らかい唇がおでこに当たった。慌てて後ろに退くと、俺を追いかけてきた翔太がびっくりして口をあんぐりと開けている。


翔太💙『…涼ちゃんキスしたの?』


慌てた女の子は恥ずかしそうに走って逃げる途中、翔太とぶつかって弾みで後ろに転んだ翔太は尻餅をついた。ちょうどそこには前日から降り続いた雨で水溜りが出来ており翔太のお尻は泥で塗れグチョグチョになりワンワン泣き出した。


涼太❤️『ありゃ酷いねぇ翔くん大丈夫だよ!着替えれば…』

翔太💙『僕だけまた汚れた///意地悪かつやにまた笑われちゃうよ!』


〝はぁ〜〟仕方ないとばかりに俺も同じ水溜りにお尻ごと座ると〝うっわ冷た〜いこれでお揃いだよ?〟ケラケラと笑った翔太は可愛い。楽しくなって2人で水溜りで遊んでいると園長先生に見つかって2人で怒られた。裸になってシャワーを浴びる。


翔太💙『走ったら乾くよ涼ちゃん』


小さなお尻をフリフリさせながら誰も居ない教室を翔太がぐるぐる走り回る〝涼ちゃんもおいでよ〜〟

バカじゃないの…カーテンの隙間から外を覗くと園庭ではママ達が続々と迎えに来て帰って行く。

誰も見ていないなら…

バカみたいに2人でグルグル教室を追っかけっこした。〝見て髪の毛少し乾いた///〟翔太は息がはぁはぁと上がって頰を赤く染めた。


翔太💙『涼ちゃん髪の毛サラサラだね…ねぇ…愛ちゃんの事好きなの?』

涼太❤️『そんな訳ないでしょ』

翔太💙『でも…キスって好きな人としかしちゃダメなんだよ!ママが言ってた』


あんなのぶつかっただけだよと言うと翔太は顔を伏せた。覗き込んで〝翔くん?〟と言うとポロポロと涙を流した翔太は〝涼ちゃんの一番は僕なのに〟ほっぺをぷくっと膨らませて、俺の手を握るとグイッと自分に引き寄せた翔太はおでこにキスをすると小さな2人の可愛い下半身の前の飾りが重なった。


涼太❤️『おちんちん当たってる…////』

翔太💙『嫌だな2番目になっちゃった!』


〝お口はまだだよ?〟上目遣いでいいの?涼ちゃんの一番いいの?二番は嫌と言いながら迷ってるのは何なんだよ。


涼太❤️『翔くんの事大好きだからいいよ////』


ドキドキと胸が高鳴る。俺の手首を掴んだ翔太は踵を持ち上げて顔を少し斜めにすると優しく唇にキスをして、人差し指を俺の唇に当てた。


翔太💙『しーっ秘密だからね翔くんの一番涼ちゃんだって事////』


〝どうして?〟と言った俺に翔太は〝だって涼ちゃん人気者だから独り占めしたら皆んなが可哀想でしょ〟恥ずかしそうにロッカーに駆けていくと、床に座って着替えている。いつだって翔太は誰にでも優しかった。遊びたい遊具も皆んなに譲って結局遊べなくて泣いちゃうんだ。

翔太になら独り占めされたって構わないのに…

隣に座って俺も着替えを済ませる。

〝翔くんパンツ逆だよ〟俺が居ないと何も出来ない翔太は可愛くって仕方が無かった。慌てて脱いだパンツを床に置いて今度はしっかりと指差し確認している。こんな姿が可愛らしい。

〝ふふっ翔くん今度は同じとこから足出してるよ〟翔太は立ち上がろうとしたところをもう一度座り直すと〝あれれ?〟なんて言いながらゆっくりと今度は確実に二本の足をズボンに通した。


涼太❤️『ねぇ翔ちゃんは?俺の事好きって事でいいんだよね?』


キョトンとした顔をした翔太は、俺の腕をバシッと叩くと〝当たり前じゃん!翔くんは涼ちゃんのお嫁さんになるんだから〟そう言ってズボンを持ち上げ立ち上がると、小さな白い手を目の前に差し出した。


翔太💙『大きくなったら迎えに来てよ!涼ちゃん僕のヒーローで王子様でしょ?』



最近子供の頃の夢をよく見る。目を覚ますと決まって涙を流している。あの時一番だった俺は今ではただの幼馴染だ。俺だけが幼き頃の約束に縛られ、言った本人はすっかり忘れてるだなんて・・・

何処にでもある話だろう。

大人になり2人の関係性は明らかに変わった。翔太は俺以外の男を好きになり遠ざかっていく。心で縛れないのならと身体を支配した。残ったのは虚しさだけだ。

涙に暮れる翔太は美しかった。〝やめて〟と言いながら涙を流し腰を振る俺と繋がった。

幼き頃から言い続けた翔太を救ってきたはずの〝魔法の言葉〟は、いつしか己を傷つける言葉となった。


涼太❤️『全部忘れるといいよ翔太…』


嫌な事があるといつも翔太に言い聞かせた。

〝嫌なことは忘れさない〟いつしか自分の行う行為が翔太にとっての〝嫌な事〟になっている。

俺の腕の中で眠る翔太のおでこにキスをした。30年近く前になる翔太とのファーストキスは今では俺だけの大切な思い出だ。薄く開いた唇の隙間に舌を這わして下唇を舐めると微かに動いた。


涼太❤️『大切な人から忘れられる気持ち翔太には分からないだろう』


何度愛を語ろうと、翔太からの偽りの〝愛してる〟が聞けようともこのマンションを出る頃には綺麗さっぱり忘れている。


翔太💙『ンッ…涼ちゃん…』

涼太❤️『起きたの翔くん…迎えに来たよ』

翔太💙『王子様?』


〝覚えてるの翔太?〟初めて翔太にキスをされたあの日のようにドキドキと胸が高鳴る。愛くるしい目で俺を見つめる翔太は、白い腕を伸ばすと〝約束したね?〟そう言って俺の涙を拭うと優しく唇にキスをした。

頭の片隅に僅かに残るゆり組の記憶が、また今日も俺を盲愛もうあいさせる。


翔太💙『涼ちゃん大好き僕の王子様…どうして泣いてるの?』

涼太❤️『お前が忘れちゃうからだよ…』


そうだよ…偽りの愛は簡単に忘れる。

翔太と亮平の愛し合った記憶は絶対に忘れないのだから。分かっているのに止められないのは俺が狂ってるからだろう。

子供の頃翔太を救った魔法の言葉はいつしか俺にとって都合のいい言葉になり、今はその言葉に自らが苦しめられ、翔太は忘れる事で心のバランスを保っている。


幼き日のゆり組の記憶が、翔太を愛していいのだと勘違いさせ今日もまた翔太と繋がった。


〝翔くん大丈夫嫌なことは忘れろ忘れろ〟


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コメント

23

ユーザー

あらためてこの話読むと❤️が可哀想で泣ける。 ユートピアの❤️💚読んで心を取り戻すわ🥺🥺🥺

ユーザー

あ。ラストのセリフ変わってる😳w

ユーザー
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