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「みんな、転校生を紹介する。」教室がざわつき始める。ある日の火曜日の朝。いつもなら朝の会をしている時間に転校生が来るとの事で朝の会はなかった。
「じゃあ、入ってきてください。」教室のドアがガラガラと開く。中に入ってきたのは大人しそうな男だった。鼻に絆創膏を貼り、無表情で入ってきた。先生が指示する。「挨拶をしてください。」
「○○町高校から引っ越してきました。佐藤 れんです。よろしくお願いします。」礼儀正しい子だとはすぐにわかる。
「席は…空いている席の…。谷川さんの隣だ。」え?俺?「たに…かわ?」「あぁ、すまなかったね。谷川さん、悪いんだけど、手を挙げて教えてあげて欲しい。」俺は言われるがままに右手をあげた。「あ、分かりました」
佐藤くんが隣に座る。喋りかけようと思ったけど話しにくい感じだ。大人しいから余計にだ。雰囲気からしてやぁやぁ話してくる子では無さそう。
それでも俺は勇気を振り絞って喋りかけてみた。最初は挨拶からだろ、と思い…「佐藤…くん、こんにちは」佐藤は俺の方を振り向き、「あぁ、谷川くん、こんにちは」案外喋りやすかった。俺はその日をきっかけにどんどん仲良くなって行った。
学校紹介をしたり自分達の家に行ったりもした。そんなことをしているうちに俺たちは大親友になっていた。LINEも繋げて毎日通話とLINEをした。それが俺たちの中で飽きないのだ。1時間…いや、3時間。ずっと通話した。
そんなある日。「なぁ、佐藤。」「ん?なに」俺は前から気になっていたことを聞いてみた。「お前の鼻につけてる絆創膏ってさぁ、なんか怪我でもしてんの?ずっとしてるけど大丈夫か?」佐藤は少し間を開けて、「ただのかっこつけ」俺はびっくりした。こんな大人しそうなオーラな奴がかっこつけだなんて。
何故かそれ以来LINEしても既読がつかず電話に出てくれず学校も毎日休むようになった。家に電話をかけたらお母さんが出てくれたみたい。お母さんの話によると
ここ最近佐藤が病んでいるらしい。部屋にひきこもって🔪🩸をするようにもなったらしい。佐藤が病むようなこと、俺がしたかな?俺が佐藤を傷つけたのであれば謝りたい。でも心当たりがない。佐藤はそれから不登校になってしまった。LINEのアイコンも真っ黒になっていた。
何日かたって佐藤が学校にきた。手首は傷だらけだった。もちろん自分で傷つけたものだ。「佐藤!お前っ…お前…心配したんだぞ…!LINEの既読はつかないし電話も繋がらないし…!🔪🩸もするとかお前のお母さんに聞いたからな…!」佐藤は傷だらけの腕を長袖で隠して「ごめん」その一言を残すと席について休んでいたぶんの勉強を始めた。
昼休み。俺は課題をしている佐藤の所へ行き話を聞いてみた。「なぁ、佐藤、俺…何でもするから話を聞かせてくれ…!頼む!お前が心配なんだよ…!」佐藤はいいよ、と頷くとこういった。「僕を幸せにしてよ。」突然言われたことに俺はびっくりした。「幸せに…?」「うん。」「どうやって?」佐藤は指を頭に置いて、「なぁに、簡単だよ。君が僕のために死ねばいい話。」俺は頭が真っ白になった。「…は、お前…正気か?俺たち仲良かったじゃないか!なんで急に…!俺何かした?傷つけるようなこと!」佐藤は悲しそうな目をして「沢山したよ。とにかく僕をしあわせにすること、簡単でしょ?やってよ。僕は君がいるだけで頭がガンガンするんだ…!みんなに人気で調子に乗ってるようなお前が…とにかく癪なんだよ。だから消えて?僕のために!」俺はわけが分からなかったけど、俺が消えれば佐藤は幸せになれるんだな、?わかった。
俺は屋上に行った。靴を脱いで、カーディガンを脱いで。これで佐藤が幸せになるんだよね、?
「さぁ、俺。任務の時間だ」俺はそうやって空に向かって叫び、屋上の柵の上に立った。息を吸いながら考えた。”俺は佐藤にとってゴミだったんだなぁ”って。俺は後ろを向き、思いっきり柵をけった。俺はそのまま下に落ちていき、そのまま息を引き取った_ これで佐藤がしあわせになる…
僕は今夢のようだった。大嫌いなウザイ僕のライバル…谷川が自ら息を引き取ってくれたんだから…!これで僕のすきになれる__
谷川を恨み始めたのは僕がある女の子に恋をした頃だった。その女の子の名前は清水 りん。長いサラサラの髪の毛に、くりくりの目。二重でおっとり。スタイルも良くて細くて可愛くて優しくてさぁ。まさに男の理想だった。ある昼休みに清水りんと友達が恋バナしているのをつい聞いてしまったのだ。「なぁ、りん、りんって好きな人いるの?」りんは頬を赤らめながら答えた。「うん…まぁね♡カッコイイんだよ…♡」「え?誰だれだれ!めっちゃ気になる!あたしにも教えてよ!親友でしょっ?」「仕方ないなぁ、ココだけの話しだよぉ?…谷川くん…♡」りんの友達は「やっぱりぃ!りん谷川くん見ながらにやけてたの授業中に見ちゃったんだよね♡」「えぇ!バレてたのー!?」
僕はその時初めて谷川という男を恨んだ。初恋の相手をとられちゃ僕、どうしようもないからとられる前に死んで欲しかったんだ。僕は今自由だ!だから誰にも取られる心配なんかない。だから今日りんに告白するんだ。絶対に成功させてみせるんだから。
放課後_
「なぁに?急に呼び出して」りんは疲れた様子で僕を見つめた。水泳部だから疲れたのだろう。「疲れたのにごめんね。あの…えっと…僕と付き合ってくれませんか!」りんは「やっぱり。」僕はえ?となった。「やっぱり谷川くんをワザと自殺させたのは佐藤くんだったのね?」「…え?なんで?なんで谷川?」「知ってるよ、嘘つかないでね♡友達が昼休みの話聞いたんだってぇ〜それで?私が好きなの?」「…」「だからって親友を殺すなんて〜私、そういう人ムリだから。さぁ♡お待ちかねの警察ね!ふんふふんふーん〜佐藤の逮捕けってーい☆」「待って!警察はやめてくれ!」
_終わった。僕の人生終了だ。靴を脱いでカーディガンを脱いで。屋上の柵を思いっきりけって僕は飛び降りた。飛び降りる先には谷川の血後が残っていた_
_[完]