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あ、なんか近いな。

11 - 第11話 あの言葉が、離れへん。

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2025年09月28日

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「あ、なんか近いな。」


第11話:『あの言葉が、離れへん。』


机の上のスタンドライトが、白い光を落としてた。


開いたままのノートの上に、ペンが転がってる。


俺はその光の中で、ただぼんやりと天井を見上げてた。


「……好きって、言葉の手前で。」


光輝の声が、頭の中で何度も繰り返される。


あの夕暮れの校舎裏。


風の音、沈む陽の色、そして──あいつの顔。


笑ってるようで、どこか苦しそうな光輝の横顔が、

目に焼き付いて離れへん。


(あれ、どういう意味なんやろ。)


(……なんで、俺、こんなに考えてんねん。 )

胸の奥が、じんわり熱くなる。

痛いような、あったかいような、

初めての感覚やった。

「好き」って言葉。

簡単に言えるもんちゃう。

でも、あいつがその手前まで来てるって思ったら──

どうしようもなく、心が揺れた。


(もし、俺のこと……”好き”って言おうとしてたら。)


そこまで考えて、慌てて頭を振る。


「……いや、そんなわけないやろ。 」

けど、胸の鼓動は止まらへん。

息をつくたび、光輝の笑顔が浮かぶ。

気づけば、携帯を手に取って、

“光輝”の名前を見つめてた。


(…あいつ、今、何してるんやろ。)


指がメッセージの欄を開いて、止まる。


送る言葉が、見つからへん。


「俺も……」


そこまで呟いて、唇を噛んだ。


その先の言葉が、怖くて言えへん。


スタンドライトの光が、少し揺れた。


俺はベッドに体を倒して、目を閉じる。


「あの言葉が……離れへん。」


胸の奥で、光輝の声が静かに響く。


まぶたの裏で、あの夕暮れが何度も再生された。

あ、なんか近いな。

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