テラーノベル
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🍌視点
自分は今とある森の前に居る。
この森は地図にすら載っていない
近くの街からは丘を2つ越えた先にある。
街の人々はその場所を“呪われた森”と呼び
誰一人として近づこうとはしなかった。
「1度入れば2度と戻ってこられない。」
「人を喰う魔物が棲んでいる。」
そんな噂話が囁かれ続けているが
真実を知る者は誰一人居なかった。
なぜならこの呪われた森に入った者は
全員戻ってこなかったからだ。
そんな呪われた森へ足を踏み入れた。
理由は自分でも分からないのだが
気づいたときにはすでにここに居た。
まるで導かれるように
迷うことなく奥へと進んでいく。
地図にもないはずの森の深部で
何かがこちらを見ていたのには
気づかなかった。
?視点
?「また1人迷い込んで来たみたいよ。」
光の届かない木陰の中で
4人の笑い声が響く。
その森はただの森ではない。
この森が呪われた森と呼ばれる本当の理由は
歪んだ“愛”に囚われた者たちの檻だからだ。
?「久しぶりに遊んでもいいよね?」
1人は感情の起伏が激しく
自己破壊的な行動に走る愛情表現をする。
?「今度は大切にするからさ!」
1人は支配することを好む
過剰な束縛や暴力を振るう愛情表現をする。
?「俺も気に入っちゃいました。」
1人はすべてを把握したい
相手の行動を監視する愛情表現をする。
?「久しぶりに楽しめそうだね。」
1人は相手の自由を奪いたい
過剰に守り育てたい愛情表現をする。
🍌視点
すっかり日は沈み辺りは薄暗くなり
冷たい風が頬を撫でる。
この森に足を踏み入れた時から
不気味な雰囲気を感じていた。
だが深部に近づいていくうちに
視線を感じるようになった。
一体どこから何が見ているのだろうか。
正体不明の視線に怖くなり
背筋が凍り体が強張る。
「一体誰が…。」
その言葉は静かな森の中でよく響いた。
息を呑んで周囲を見渡すが
どこからか返事が
返ってくる訳でもなかった。
あてもなく歩き続け疲れを感じ
大きな木の下に腰を落とした。
すると突然周りの木々たちが不自然に揺れ
何かが動く気配を感じた。
急いで立ち上がり木の幹に背中をつけ
自分の身を守ろうとするがすでに遅かった。
?「はじめまして。
こんな夜遅くになにしてるん?」
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コメント
1件
こ、これは素晴らしい作品だ!!しかもわんちゃん1人を4人で取り合う光景が見れる!!??性癖が歪みそうだ…