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番外編34『春画を見つけてしまった話』前編
ある日の昼――。本を読んでいた私と百合菜。
その時、本棚に並べられていない本を見つけてしまう。
『お姉ちゃん。これなんだろう。』
『ん?本棚に並べられてなかったの?』
『うん。なんか本棚の上にあったの。』
『なんでだろ…表紙になにか書いてある?』
『いや?何にも…。中身はなんだろう。』
『気になるわね…。』
『開けてみる?』
『うーん……。』
『気になってきたでしょ、お姉ちゃんも。』
『す、少しだけなら…。』
ペラッ。
そこにはこっちの世界で言う春画が描かれていた。
『『っ……!?』』
(これは、私の世界で言うTL漫画…っ。)
(こっちの世界にもこういうのあるんだ…。)
『ん?この本が書庫にあるってことは…フェネスが…?』
『いや、フェネスがこんないかがわしい本を持つ訳が…。』
『だって隠すように置いてあったんだよ!?執事の誰かに決まってるよ!』
『そうかしら…。』
『お姉ちゃん最後まで読んでみなよ。』
『なっ!わ、私は別にそういうのは…。』
『またまた〜。お姉ちゃんって意外とムッツリなんだから〜。』
『失礼ね!』
ポスッと百合菜の頭を叩く。
『じゃあ私一人で読んじゃおうかな。』
『えっ!?百合菜一人に読ませる訳にはいかないわ。教育上……』
『私お姉ちゃんと同い年なんだけど…。』
数時間後――。
『破廉恥…。なんか変にドキドキしてきた…っ。』
『こ、これは見なかったことにしましょう。百合菜、これは元の場所に隠しておいて!』
『う、うん!』
私と百合菜は書庫を出る。
2人は知らなかった……。この春画通りの事が…この後起きるなんて――。
麻里衣SIDE
『なんであんな本があったのかしら……。』
(執事の誰かのものだとしたら後で問い詰めないといけないわね……。)
『主様?零れてますよ?』
『え?わっ!』
食堂で紅茶を飲んでいたらベリアンに話し掛けられる。
『大丈夫ですか?火傷してませんか?』
ベリアンは冷たいタオルを持ってくる。
そして、スカートをめくり太ももに当てる。
『っ…!』
『全く……。世話のやけるお方ですね。』
(っ!これ、さっき読んだ本のセリフ!)
『あ、ありがとう…っ。』
『主様、紅茶のお供にマドレーヌを焼きましたよ!』
『あ、ありがとうロノ。頂くわ。』
(忘れなきゃ…。)
私は無言でマドレーヌを頬張る。
『ふふっ。主様、口元…ついてますよ。』
ロノは私の頬を舐める。
ペロッ。
『こっちの方が甘そうです……。』
(これもさっきのセリフ…っ!!え?まさかあの本にはなんかしらの魔法でも込められてるの?そうじゃなきゃおかしい!)
私は顔を赤くしてその場から逃げ出す。
庭にて。
『あんなこと普段言わないし…。2人らしくないというか……。』
ガンッ!
『え?』
私はバケツを蹴ってしまう。そして、その前にいるアモンにかかる。
バシャー!
『冷た!』
『あ!ごめんなさい、アモン!』
急いでアモンに駆け寄る。
『大丈夫っすよ。主様は濡れてないっすか?』
『私は平気よ。それより早く着替えないと。』
アモンの燕尾服を脱がす。
脱ぎッ…。
『大胆っすね、主様。俺の裸……そんなに見たかったんすか?』
アモンは髪をかきあげる。
『っ…!言葉といい行動といい…全部同じ…っ!!』
『え?』
バサッ!
タオルをアモンに投げて私は屋敷の中に入る。
『それで拭いてー!』
階段にて。
『こんなに連続して起こるものなの……?怖くなってきた。今は部屋に避難したい…。』
ドンッ!
『え?』
『あ、主様!!』
前を向かず歩いていたら誰かとぶつかる。
ドサドサッ!本が数冊落ちる音と私に覆い被さる音がする。
『いったた……っ。主様…大丈夫ですか?』
『フェ、フェネス…大丈夫よ。ごめんなさいね、前を向かず歩いていて……。はっ。』
(これ、押し倒されてる……床ドン…っ!?)
『フェ、フェネス、早く離れて!』
『俺とくっつくのが嫌なんですか?』
『そ、そんなんじゃ、ないわ……。』
『クスッ。その顔じゃ説得力ないですよ。主様?』
(言動が一致しすぎてるー!!)
私はフェネスを押しのけ逃げる。
『間違いない、あれはなんか術がかけられた本なんだわそうじゃなきゃ、ありえない…っ。人がいないところに逃げよう。』
私はワインセラーへ向かう。
ワインセラーにて
『ここなら誰も……。』
『おやおや、珍しいですね。主様がこんなところに来るなんて。』
『この声は…る、ルカス?どうしてここに?』
『今夜晩酌するワインを物色してました。』
『物色って……また飲みすぎないようにね? 』
『ふふっ。私はお酒に強いですから酔いませんよ。それに……。』
ルカスは私に近付く。
トンッ……。
ワインセラーの壁に押し付けられる。
『私が酔ってるのは……。貴方ですから。』
(壁ドンっ!!これもさっき見たやつだわ。破壊力が強い…っ。)
『は、離れてルカス…っ。』
ガチャッ。
『何してるんだ、ルカス。』
『み、ミヤジ、助け――。』
グイッ。
ミヤジは私を抱き寄せる。
『目移りは頂けないな。主様は……。いけない人だね。』
チュッと私の手にキスを落とす。
(ミヤジまでー!!!しかも三角関係!シチュエーションまで同じ!)
数時間後――。
『残りはハナマルとシロ…幸いあの2人は依頼で居ないから助かったわ…。』
と、その時前から百合菜が走ってくる。
『お姉ちゃん!おかしいことばかり起きるの!さっき見た本と同じことが起きたの!』
『百合菜も!?』
百合菜SIDEは後編でどーぞ!
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