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番外編34『春画を見つけてしまった話』後編
百合菜SIDE
『何だったんだろう。あの本…。執事の誰かが持ってたってことだよね?じゃあ一体誰が……。』
『主様、独り言か?』
『わ!ば、バスティンか…びっくりした…。』
屋敷を歩いているとバスティンに話しかけられた。
『顔が赤いが、大丈夫か?』
『えっ?』
バスティンは自分のおでこを私に近付ける。
コツン……。
『ひゃ…っ。』
『熱はないが…。体調でも悪いのか?』
『い、いや、大丈夫…。』
『フッ。もっと赤くなったな。もしかして、俺が原因か?』
(おでこつんといいこのセリフといい…さっき見たやつ!)
『な、なんでもないからー!!』
バスティンから逃げ出してキッチンに向かう。
キッチンにて。
『もぐもぐっ。偶然、だよね。』
私は棚にあったクッキーを食べる。
『あ、主様。それは…。』
『え?あ、ごめん、これもしかしてハウレスの?』
『は、はい。』
『ご、ごめん、知らずに私…。』
『謝ることねぇよ、主様。』
『っ!』
ボスキは私を後ろから抱きしめる。
『名前も書いてねぇハウレスが悪ぃからな。』
『お前が黙って食べる方が悪いと思うぞ。まぁ、主様なら構いませんよ。でも…。』
ハウレスは私の顎をクイッとする。
『代わりに俺の欲しい物、くれますか?』
(顎クイ!このセリフも…っ!間違いない、あの本の通りだ!)
『おいおい、俺の主様に何言ってんだよ。
主様は俺のだ。主様も俺のこと好きだろ?』
(バックハグに三角関係…。これもこのセリフもあの本の通りだ…。)
『『主様?』』
『っ、は、離して…っ!』
私は自分の部屋に逃げ込む。
自室
『あ、主様ぁ!すみません、今、お掃除してたんです!見てください!綺麗になりました!』
『ら、ラムリ…ありがとう。』
『どういたしまして!』
ラムリは少しずつ渡しに近付く。
『ら、ラムリ?』
『ご褒美は…主様の…これがいいです。』
ツンツンっと唇を触る。
『なっ!そのセリフ…っ。』
(ラムリは普段こんなこと言わないしやっぱり本で見たのが現実になるんだ!)
『そんなの無理ー!!』
『あ、主様!?』
(ダメだ、どこも安全な場所がない…。)
『おや、主様。どうかされましたか?そんな顔をされて…。』
『あ、ナック…いや、別になんでも…。』
『主様がそんな顔してたら心配にもなりますよ。私に話してみてください。力になります。』
ナックは私を壁に追い詰める。
ドンッ!
『それとも…私には話してくれないですか?私はこんなにも貴方のこと好きなのに…?』
『っー!』
(壁ドン!シチュエーションがそのまんまだ!)
『話せないことだから無理なの!ごめん!』
私はナックから離れる。
エントランス
『あ、主様!ちょうど良かった、街で布を買って来たので今から服を作るんですけど採寸してもいいですか?』
『フルーレが主様にとびっきり可愛いのを作りたいそうです。』
『フルーレ…ラト…うん、わかった。』
私は地下の執事部屋に向かう。
地下執事部屋
フルーレは私の後ろに回り込む。
ラトは私をじっと見つめる。
『ふふっ。いつ見ても美しいですね……。
主様も私だけを見ていてくださいね。』
(これはいつも言うセリフ…。)
『主様、俺だけが貴方の身体のこと全て知ってるんですからね。ほかの執事に…目移りしちゃ、ダメですよ。』
フルーレは耳元で囁く。
(フルーレはいつも通りじゃない!完全に違う!そしてこれもシチュエーションであったし!)
『主様……。』
ラトは私の頬を持ちラトへと視線を向ける。
グイッ。
『主様のことを分かってるのは私だけです。だから、主様も私のこと…理解してくださいね。こんなにも独占欲が強いってこと。』
(ラトもいつもと違うー!!)
そして、前編の最後にもどる。
『百合菜もそんなことが…私はあとハナマルとユーハン、シロが残ってる。』
『私はテディとベレン…。』
『ハナマルとシロは依頼でいないはず…ユーハンは確か…街へ買い物に行ってる。』
『テディもいちごタルトを買いに行った。ベレンは別邸にいたと思う……。』
『やっぱりあの本は何かあるのよ。』
『だよね!このままじゃ心臓が持たない。とにかく今日は別邸のみんなには会わないようにしよう。話しかけられても避けるしかない!』
『頑張りましょう百合菜。』
こうして2人は別邸組を避ける。
だが、夜――。
『すぅ、すぅ……。』
ギシッ。
『主様……。』
『ふふ、可愛い寝顔。』
『ん……、この声…はっ!て、テディ、ベレン!?なんで、ここに…っ。』
『だって、主様が避けるから…。寂しかったんだよ?』
ベレンは私の手を握る。
『寂しくさせた罰として……今日はこのまま寝かせないよ?』
(これもあの本と同じ…っ!)
『主様…。俺も主様のことが欲しい…。
朝までぎゅーしていいですか?』
(テディまで……どうしよう。コンプリートだよ…。お姉ちゃんは大丈夫かな…。)
一方その頃。
『ん、や…っ。ユーハン、やめ……っ。』
ユーハンは自分のベットに私を押し倒し、耳を甘噛みする。
『主様ったら酷いお方です。私のことを避けるなんて……。そんなあるじさまにはお仕置きですよ。』
(ベットに連れ込むのとこのセリフ!あの本と同じだし…。)
『だ、誰か助――。』
『ユーハンだけずりぃな。』
『っ!』
ハナマルが私の事をお姫様抱っこする。
『ちょ、降ろしなさい…っ!』
『ダーメ。俺に捕まったんだから離さねぇよ?』
(ダメだ…もう止まらないよ…春画のオンパレード…。)
『おい。他の男に目移りするなど許さん。』
シロはハナマルから引き剥がし、私の頬にキスを落とす。
チュッ。
『お前は我のものだという印を…全身に刻みつけてやろうか?』
(もう、ダメ……。勘弁して…。)
翌朝――。
『『はっ!』』
私達はベットの上で目を覚ます。
『私の、部屋…だって、昨日私別邸のベットで…。!百合菜、百合菜は無事かしら!』
私は隣の部屋に向かう。
『お姉ちゃん!』
『百合菜!大丈夫だった?』
『うん、私は平気……ではないけどね…結局全員昨日の本の通りだったし。』
『私もよ…一体なんだったのかしら。あ、春画のことみんなに聞いてみましょう。書庫に行くわよ!』
本を探しに書庫へ向かう。
『ない!ここに置いたのに!』
『えっ!?本当だ…。何だったのかしら……。』
執事達に聞いたところ、そんな本は知らないと言われた。そして、昨日あったこともうろ覚えだと言う。
あれは、夢…?それとも――。
ちょっと不思議なお話でした……♡♡
次回
番外編35 『ムーちゃん擬人化』
コメント
2件
最近テストが大体13?ぐらいあって急いでてあまり見れずすいません、でも今見返してとても最高でした、!この後の最後の定期テストとの休憩時間のお供にさせてもらいます、長々とすいませんが自分がコメントしてもらえると嬉しいので、できるだけコメントしたいなと思っております!