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ruruha
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第1話、読み終えました。バー「ビオラ」を舞台にした探偵たちの掛け合いが心地よくて、キャラの個性が一気に伝わってきましたね。特に、アンディとレイドの温度差のある会話と、店主の地味に鋭いツッコミのバランスが絶妙です。そして最後の“子供だけのサーカス団”の記憶…これは絶対に今の失踪事件と繋がる伏線ですよね?古い街の記憶と現在の謎がどう交差するのか、続きが気になります。
カランカランと扉についた小さな鐘が揺れると、中に二人入って来た。
最初に入って来たのは、黒を基調とした服装に、赤いリボンのシルクハットをかぶった暗い茶髪の人物。
もう一人は、反対に白を基調とした服装の明るい茶髪の男。
彼らは、このバー「ビオラ」の常連客であり、僕はここのバーテンダーである。
そして、僕にはもう一つの職がある。それは、彼らと同じ「探偵」だ。
計四人、王族直属の私立探偵である。 本部の事務所以外で早く報告すべき情報は僕が経営するバーのラストコールの一時間前に訪ねてくることがある。ここでは、酔い潰れれば追い出して良いというルールを設けている。そのためか一時間前からは滅多に客が入らなくなる。そして、今がラストコール一時間前。
「店主、こんばんは。蜜月はまだ来ないね。」
彼が探偵事務所「カーディナル」のリーダー、アンディ。いつも黒のスーツにシルクハットをかぶっている。
「エヴァン〜、いつもの〜。」
彼は……あまり良い記憶はないがカーディナルの密偵、レイド。彼は僕のようにもう一つ職がある。ホストだ。しかし彼はいつもそれ以上に関わって…いややめておこう。彼のことは一生理解できない。
「今日は何をしに?まさか無駄話ではないだろうな?」
「久しぶりの依頼だよ!しかもいつもの荷物運びとかの小さい仕事じゃないんだ!なんと西の国の王子から!」
「え!?それ俺聞いてないんだけど!?」
「キミは騒ぎそうだからさ。」
ここは中央に位置する王都で、西の国は隣の国で山も海もないが資源が豊富にあり、洒落た街並みが有名で周りを囲むように村が沢山ある。
「昨日、西の国の王子ギムレット様が慌てた様子で事務所に訪ねて来てね。今、西の国では王が忙しくて全ての村のことを王子に任せているらしいんだ。それで西にあるバレンシアって村で子供が数人いなくなったって、村人から通報を受けたらしいんだけど、”私だけでは手に負えないんだ!どうか状況をレポートにして送ってくれないか?あとは私に任せてくれ!”ってね。」
「騎士団に任せりゃいいだろ。」
僕は話が長くなると思いアンディにアップルティー、レイドにジュースでかなり薄めたリキュールを出した。
「僕らがやらなければならない理由があるんだな?」
「その通り!村人は子供達が騎士を怖がるからと、騎士達が村に入ることを拒んでいてね。」
「……雰囲気だけならエヴァンもなかなか怖いよな…、表情とか甲冑の騎士より怖いだろ。」
「僕の顔がなんだって?」
それは僕の表情が固いからだろう。しかし、普段から子供に怖がられるほどの表情をしているのだろうか。
「表情が固いのは頷けるけど、店主は美しいから逆に騒がれるんじゃないかい?」
「美しい……?」
「顔だけなら女みてぇだけど、ガタイがなぁ。」
「君は文句しか言わないな。」
「良い意味でね!?地雷踏んだか………?」
僕が少し睨むと、彼が慌てて修正した。
「話が逸れてしまったね。とりあえず、明日ボクの事務所に来てくれ。あ!あと、店主!ベルさんには内緒だよ?今回の依頼は少し危険な気がするからね。」
「ああ、約束しよう。」
彼らはありがとう、と言い静かに立ち去った。
ベルはもう一人のバーテンダーであり、彼女は客と話すことで情報を集める、情報調査員。なるべく彼女を危険な依頼には巻き込みたくないと皆思っている。そして、今回のように秘密で依頼を受けることがある。
後片付けをしたのち、僕は奥の階段で二階へ向かい一番奥にある自分の部屋に入る。机から地図を出し、ベッドに腰を掛ける。昔、バレンシアが村ではなく街だった頃あそこには子供しかいないサーカス団があった。小さい頃、夜中にこっそり抜け出し劇を鑑賞しながら絵を描いていたことがある。小さい頃の一つしかない記憶。なぜ今になって……………ああ、 この依頼は都合が良すぎる。
そして、 いつのまにか眠りについていた。