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1 - 騎士の誓い

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2024年06月03日

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「あなたを守り抜くと、この剣に誓います」

そう言ったのは、いつだったでしょうか。

私は、あなたを守れなかった。

あの時、私が行かなければ、あなたは……


遠い昔にも、あなたに約束しましたよね。

「俺が___を守るよ!」

いつしか、それは約束から義務に変わってしまいましたね。

でも、私の気持ちは変わらなかった。

この命を懸けて、必ず守ると…

………誓ったのに。

あの日から、私の時間は動かない。

あなたから賜った剣は、人を守れるようにと願いを込めた名でしたね。

──シュッツエンゲル──

………もう、その名を私は呼べません。

守れなかった私には、その資格は無い。


ああ、まただ。

あの日の悪夢。

陽動に引っかかり、騙された俺。

急いであなたの元に戻るも、遅かった。

あまりにも鮮やかな赤に染まったあなた。

嘲笑う刺客。

そして──

皆殺しにした、俺。

緑の髪に付いた赤黒い液体。

赤黒い色に染まった俺の手と、剣。

──俺が。

俺が、傍にいれば。

あなたは傷つかなかったかもしれない。

もう一度、あなたの声が聞きたい。

雪のような髪を揺らし、空色の瞳を輝かせるあなたに、会いたい。

鈴のように笑うあなたに、もう一度だけでも──


───目が覚めた。

私は今日も剣を振るう。

復讐のため。

………でも、今日こそは。

「………もう、終わりにしよう」

私は喉に剣を向ける。

刺そうとしたその時。

──駄目だよ、___。戻って来て。

あなたの声が、聞こえた。

………そうか。

あなたが戻って来てと言うのなら、行かなければ。


「………ああ、近衛隊長殿か」

私は、その呼び名を呼ばれる資格は無い。

「今はそう呼ばれる訳にはいきません」

「……そうか」

「殿下のご容態は?」

「まだ、目を覚まさぬ」

そっと、部屋に通される。

寝台で眠るあなた。

「……戻りました、殿下」

そう言うと、私は部屋から出ようとした。

その時。

「…………あ、れ…」

「!?」

「殿下が!殿下が目を覚ましたぞ!」

「………おはよう、みんな。心配かけてすまない」

「「ははっ!」」

「しばらく…近衛隊長と2人にさせて」

「かしこまりました」

俺とあなた、2人だけの空間。

「おはよう、おんりー」

私に微笑みかけるあなた。

「今は、昔みたいに名前で呼んで」

「……おはよう、おらふくん」

俺の目からは、涙が溢れていた。

「泣かないで。僕は生きてるよ」

「ごめん…俺が…俺が行かなければ…」

涙が止まらない。

「俺はっ…誓ったのに…必ず守るって…」

「おんりーは守ってくれたよ」

嘘だ。俺は守れていない。

「僕との約束、覚えてる?昔の約束」

「俺がおらふくんを守るっていう?」

「そうだけど、そうじゃないよ」

どういう事だろう。他にあったか?

「自分を大切にして、って言ったでしょ?」

その瞬間、昔の思い出が頭をよぎった。


俺がおらふくんを守るよ!

ありがとう。でも、おんりーは自分を大切にしてね。

僕にとってはおんりーも大事だから、おんりーに何かあったら悲しいよ。


「あ…」

「さっき夢の中でね、おんりーが自殺しちゃいそうな気がして」

おらふくんは苦笑いをして言う。

「駄目だよ、って言ったんだ」

……分かってたのかな。

「……全部、お見通しなんだね」

俺は少しだけ笑う。

「もうしないよ」

おらふくんは真っ直ぐこっちを見て言う。

「また、僕の傍に居てくれる?」

「……俺なんかで良ければ」

2人で顔を見合わせて、笑った。

今度こそ、この笑顔を守りたい。

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