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「うあー!眠いよぉぉ…」
呪術高専に向かって歩いている虎杖と五条と夏油。
虎杖は夜、“■”の習得訓練に励んでいたため、身体は元気だが寝不足気味だ。
宿儺は今日は出てくる気分ではない、とまだ虎杖の中にとどまっている。
五「いやぁそれにしても、悠仁が高専に来る日がこんなにも早まるとはねぇ。」
夏「本当だよ。まだ中学生だというのに。」
虎杖たちが高専に向かっている理由。
それは虎杖が今日から呪術高専下級1年生として通うことになったからだ。
下級1年生とは、中学生だが高専に通う生徒のこと。
今回の虎杖のような場合の人や家系的に幼い頃から呪術を教わっている人などは下級1年生として高専に通える。
悠仁が高専に通うという結論に至ったのは、ただ単に教育は受けておいたほうがいいだろう、という理由もあるが、1番は仲間を知ることだ。
虎杖は今まで、年上の人としか任務に行ったことがなかった。
特級呪術師というのもあってあまり同年代の呪術師と接触することはなかったということだ。
だから虎杖はああ見えて同い年の友達がいない。
友と共に闘うという素晴らしさを体感せずに大人になるのは勿体ないがすぎる。
ということでこれ以上強くなりすぎて独りにならない今のうちからもう高専に通ってしまおうという五条と夏油の考えだ。
※1話で中学2年生という設定になっていたのですが、中学3年生に変更しました。ごめんなさい。
虎「俺友達できるかなぁ。どんな人がいんの?」
虎杖は不安そうな顔をしながら後ろにいる五条達に尋ねた。
2人は互いの顔を見たあとそうだねぇ、と五条が説明し始めた。
五「あ、悠仁と気が合いそうな同い年がいるよ。」
虎「え、同い年?!まじ?!」
五「まじまじ!静かだけどいい子だよー」
「あとは」
そう言い、次は今の1年生の話をし始めた。
「1年生には呪言師の棘、呪具使いの真希、あとパンダ!」
虎杖はへぇ~!仲良くなれそう!と言ったあと、少し間を開けてえ?!パンダ?!と思わず振り返った。
夏油が苦笑いして言った。
「たしかに最初は疑問に思うだろうね。大丈夫、本当にパンダだから。」
虎「……???」
虎杖は「ぱんだ…ぱんだ、?」と呟きながら、難しそうな顔をして歩いた。
夜蛾「改めてようこそ、東京都立呪術高等専門学校へ」
虎「押忍!おねしゃす!」
正門の前で待っていてくれた夜蛾学長に虎杖は挨拶をして高専内に入った。
夜蛾学長から高専について詳しく教えてもらったあと、今日は先輩達に挨拶をしてこいということで、五条と夏油と共に会いに行くことになった。
五「よし!早速みんなに挨拶に行こう。」
五条はそう言って、グラウンドに行こうと先陣を切った。
グラウンドには何人かの生徒と思われる人達がそれぞれトレーニングをしたり、ランニングをしたりしていた。
背が高く、白髪というのもあって生徒たちは一斉に五条を見た。
五「みんなお疲れ様ー!じゃーん!今日から呪術高専下級1年生として高専に通うことになった虎杖悠仁くんでーす!」
虎杖は一歩前に出て、よろしくおねがいしやす!と大声で挨拶をした。
すると、真希がにかっと笑っていった。
「ああ、虎杖ね。センセーからいっつも話聞いてるよ。うるさいほどに。」
「ゑ…?」
虎杖は予想外の発言に五条を見た。
五条はてへっとウィンクをしていた。
恵「…」
虎「…?」
何か視線を感じた虎杖はそちらに目をやった。
そこには黒髪トゲトゲ頭の虎杖と同じくらいの年齢の男子がいた。
あれが伏黒か…?
見つめ合いに気づいた夏油が優しく虎杖に言った。
夏「あの子が伏黒恵くんだよ。仲良くしてあげてね。」
虎杖はそう聞くと、ぱあっと笑顔になり伏黒のところまでヅカヅカ歩いてきた。
虎「俺虎杖悠仁!よろしくな、伏黒!」
伏「…!!」
伏黒はとても驚いた顔をした。
この時伏黒は確信した。
この人はバケモノだと。
この人はイカれてると。
圧倒的威圧感。
虎杖は伏黒が手を震わせていることに気づかず不思議そうに言った。
虎「伏黒ー?大丈夫ー?」
伏黒は我に返りあ、ああ。と返事をした。
パ「ゆうっじー!!オレパンダ!よろしくなー」
虎「うおわあ?!」
いきなりパンダが虎杖の背中に乗っかった。
虎「ええ!ほんとにパンダじゃん!」
パ「可愛いだろ〜?あ、あとこっちのが狗巻」
パンダは苦しそうにしている虎杖から降りて狗巻を指差した。
棘「しゃけ!!」
虎「あー!呪言師の狗巻先輩っすよね!すげーほんとにおにぎりの具だ!」
真希「最初の方はまだ何言ってっかわかんねぇかもだけど、会話してると次第に分かってくると思うよ。」
いつの間にかパンダの隣に来ていた真希はにかっと笑った。
「じゃっ、これからよろしくな虎杖悠仁!」
「押忍!!」
五条は楽しく会話をする愛しい生徒たちを眺めて呟いた。
「これから楽しみだね。」