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羽海汐遠
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『凄かったわね! 熱視線のレーザービームよ、熱っいわねーっ!』
『れーざー? ふむ、判らんがまあ、何らかの想いは有る様だな、お互いに』
『ねっ!』
「なるほどねー、緑だったけどなー」
レイブの単刀直入過ぎる感想は、ペトラからの、そんなの関係ないだとか、ギレスラからの、肌や目の色で区別するの良くないだとかの五月蝿い意見を引き出す事となってしまった。
面倒臭そうに、へーとか、ふーんとか、見たままじゃんとか答えている内にグフトマ達がスロープの下に帰って来た為、興味本位に過ぎない人種論争は終止符を打つのであった。
彼等の元に走り依りながらレイブは思った。
――――関係ないってモンスターじゃないかっ! 肌や目の色どころの違いじゃないしっ! 全くぅ…… じゃあお前等、オークとかリザードマンでも良いんだよな? 普通のボアとか竜だったら容赦しないぞ、この野郎っ!
「お疲れ様っす、太師匠!」
ワザとらしい笑顔で近付いたレイブにグフトマは言う。
「おう、ありがとな、廃棄物の片づけがあるからもう少し待っていてくれるか?」
腹の中にある醜い本心を隠す為だろう、レイブの言葉はいつも異常に天真爛漫だ。
「片づけだったらやっておきますよ! いえ、やらせて下さい♪ やりたいですっ!」
「そ、そうか? じゃあ、頼むかな…… お言葉に甘えて俺たちは汗を拭いてから食事の準備をするか? お、廃棄物はあそこの穴に捨てておいてくれれば良いからさ、石は別個にしておいてくれ」
「あいあいさー♪」
「頼むな」
満面の作り笑顔で送られたグフトマとホブゴブリン達は、それでも嬉しそうに男女それぞれの巣穴へと入って行ったのである。
あとには大量の石、無色透明の結晶が入った幾つもの大袋と、ゴブリンの排泄物を回収して来たらしい汚らしい桶が二つ残されている。
周囲にキョロキョロと目をやったレイブは得心のいった声で言う。
「ああ、コレってモンスターの魔石みたいだな、ほら! あっちに赤い魔石が置いてあるだろ? あの辺りに持っていけば良いんじゃないかな? ペトラに積んで運んでおいてくれよギレスラ」
『うむ構わんが、良いのか? 汚物だぞ?』
「楽ショー!」
『そうか』
『じゃあ頑張ってね、ギレスラお兄ちゃん乗せてくれる』
『おう』
「積むのまでは俺も手伝うよ」
大袋の全てを背に乗せたペトラは足元をふらつかせながら魔石置き場に向かってスタートし、ギレスラは寄り添いながら心配そうな視線で見守りつつ介助して行った。
その姿を見送ったレイブは残った二つの汚物入れを抱えて先程確認した雪隠を目指して歩き始めたのだが……
「ちきしょう、臭え…… 何喰ってたらこんな…… おっ!」
ゴブリンの糞の想像を超える悪臭に悪態を吐いていると目の前に盛られた雑草置き場が目に留まった、遥か先にある雪隠よりもずっと近くて楽そうだ。
レイブは小さく呟いた。
「………………ふむ」
コメント
1件
レイブの本心と表向きのギャップが今回も面白かったわ。「関係ないってモンスターじゃないかっ!」って心の中で叫んでるところ、笑っちゃった。ペトラとギレスラのほっこりしたやり取りもいいアクセントになってた。ラストの「ふむ」が何考えてるのか気になる…続き楽しみにしてる📖