家に着く。
マンションの5階で、ホークスさんは
ドアの前まで連れてきてくれた。
すごい、
ホークスさんが飛べばエレベーターいらずじゃん
『ありがとうございます!』
「いえいえこちらこそ」
『あなたのおかげで…ヴィランからも助かりましたし…
そして私の個人的なものですが抱えていた悩みも…スッキリして…とっても助かりました!!
だからありがとうございます!』
深深と頭を下げお礼を言う。
顔を上げるとホークスさんはニコニコ笑っていて
「俺なんかが助けになってよかったです」
と。
俺、なんか…?
少しニコニコしている中に辛そうな…
ホークスさんはいつもニコニコしているイメージ。
テレビでも、お会いしてからも…。
でも、なんか…
気づけばすごいことを言っていたみたい。
『俺なんか、なんて言わないでください!!』
「へ?」
『あなたは私を助けてくれました!
だから私もあなたを助けます!!
だからいつでも私で良かったら…あなたの力になります』
かと言って出来ることなんかほとんどないですけど…うにゃうにゃ
と付け足す。
自分の言ったことにびっくりだ
だってあの、ヒーローだよ
ヒーローに向かってただの一般市民が「助けます」だなんて何言ってんだ?ってなるよね
…呆れられてしまっただろうか?
と
「ぷッ…あははははは!あははははふへあはは!」
ホークスさんがお腹を抱えて笑う。
『えっえええ〜…?ww』
なんで笑うのーーwwww
予想外の反応に私は何をしたらいいか分からない。
「あひゃひゃははは!お腹痛い痛い!」
そっ…そんなに笑わなくても…ww
笑いが収まると、笑い涙を拭きながら
ホークスさんは
「あ〜久しぶりにちゃんと笑った気がします」
と。
『ほんとですか?よかったです』
私がそう言うと、ホークスさんは優しく笑って
「美姫さんは面白いね
俺も久しぶりに美姫さんのおかげで心から笑えた。
ありがとう」
そう言って私の手を握る。
『いえいえこちらこそです』
そう言って私も笑う。
ビビ…
ムセン「ただいま…○市〇〇町の路上で…ヴィラン出没…近くにいらっしゃるヒーローは…応援を…」
ホークスさんが持ってる無線が鳴る。
「じゃ、俺は行かなきゃ」
そう言って、私の手を離す。
そして、
頭を撫で
「また、ね。美姫さん」
『はい!頑張ってください!』
「(ニコ)」
と5階のドア前の壁から飛び降り…
綺麗に羽を広げ飛んで、行ってしまった。
その後ろ姿を私はずっと見つめていた。
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