コメント
0件
家に着く。
マンションの5階で、ホークスさんは
ドアの前まで連れてきてくれた。
すごい、
ホークスさんが飛べばエレベーターいらずじゃん
『ありがとうございます!』
「いえいえこちらこそ」
『あなたのおかげで…ヴィランからも助かりましたし…
そして私の個人的なものですが抱えていた悩みも…スッキリして…とっても助かりました!!
だからありがとうございます!』
深深と頭を下げお礼を言う。
顔を上げるとホークスさんはニコニコ笑っていて
「俺なんかが助けになってよかったです」
と。
俺、なんか…?
少しニコニコしている中に辛そうな…
ホークスさんはいつもニコニコしているイメージ。
テレビでも、お会いしてからも…。
でも、なんか…
気づけばすごいことを言っていたみたい。
『俺なんか、なんて言わないでください!!』
「へ?」
『あなたは私を助けてくれました!
だから私もあなたを助けます!!
だからいつでも私で良かったら…あなたの力になります』
かと言って出来ることなんかほとんどないですけど…うにゃうにゃ
と付け足す。
自分の言ったことにびっくりだ
だってあの、ヒーローだよ
ヒーローに向かってただの一般市民が「助けます」だなんて何言ってんだ?ってなるよね
…呆れられてしまっただろうか?
と
「ぷッ…あははははは!あははははふへあはは!」
ホークスさんがお腹を抱えて笑う。
『えっえええ〜…?ww』
なんで笑うのーーwwww
予想外の反応に私は何をしたらいいか分からない。
「あひゃひゃははは!お腹痛い痛い!」
そっ…そんなに笑わなくても…ww
笑いが収まると、笑い涙を拭きながら
ホークスさんは
「あ〜久しぶりにちゃんと笑った気がします」
と。
『ほんとですか?よかったです』
私がそう言うと、ホークスさんは優しく笑って
「美姫さんは面白いね
俺も久しぶりに美姫さんのおかげで心から笑えた。
ありがとう」
そう言って私の手を握る。
『いえいえこちらこそです』
そう言って私も笑う。
ビビ…
ムセン「ただいま…○市〇〇町の路上で…ヴィラン出没…近くにいらっしゃるヒーローは…応援を…」
ホークスさんが持ってる無線が鳴る。
「じゃ、俺は行かなきゃ」
そう言って、私の手を離す。
そして、
頭を撫で
「また、ね。美姫さん」
『はい!頑張ってください!』
「(ニコ)」
と5階のドア前の壁から飛び降り…
綺麗に羽を広げ飛んで、行ってしまった。
その後ろ姿を私はずっと見つめていた。