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Eliminator~エリミネ-タ-

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Eliminator~エリミネ-タ-

153 - 第153話 最終罪状⑩ 全てに決着を

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2025年06月23日

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――――――――――――――


※最終コード~臨界値400%超

※最終第四マックスオーバー

※モード:インフィニティ



対象level 499.99%



※危険度判定 ∞


――――――――――――――


――――――――――――――


※最終コード~臨界値400%超

※最終第四マックスオーバー

※モード:インフィニティ



対象level 499.99%



※危険度判定 ∞


――――――――――――――





“これ程とは……”



両者全くの互角。そしてそれは、暫く拮抗が続く事を意味する。



霸屡の不安は的中した。最終第四マックスオーバーは、これが臨界点。これ以上の先は無い。



両者が最終臨界点に在る以上、もし決着があるとするなら――



“先に『0.001%』を超えた方”



有り得ないが、それ以外無い。しかしその前に、時空障壁の方が崩壊しそうだった。



――両者の力と技の余波は、宇宙をも超えようとしている。



「どっ、どうなるの!?」



悠莉にも一目瞭然だ。両者の空間では、今まさにとてつもない事が起きようとしている。だがそれは想像したくない。想像出来ようもない。



「宇宙開闢を――超える!」



それは崩壊の間際、全てが無に帰す間際の事。



“level 500.00%”



サーモからけたたましい電子音と共に、表示される液晶画面の数値。



「――なっ!?」



だが、どちらなのかを確認する隙は無かった。何故なら衝突後、時空障壁は崩壊していたのだから。



――終わった。霸屡も、悠莉も顔を背ける。



「…………っ?」



しかしどうした事だろう。時空障壁崩壊と共に拡大する筈の余波を、感じられないのは。



それとも感じる暇も無く、全てが終わってしまったのか。



恐る恐る瞼を開き、確認してみる。



「――幸人お兄ちゃん!?」



「ノクティス様!?」



――居た。両者は全ての力を放った後の、技硬直で止まっていた。



寸前で決着し、どちらかが上回った。結果、時空障壁崩壊だけに留まり、それ以上は拡散しなかったのだ。



勝敗の結果は――



「ぐっ!!」



幸人だった。幸人が先に片膝を着いた。その腹部からは夥しい出血が。



どう見ても致命傷な上、やはりこのレベルでの闘いでは、復元も覚束無い。



「幸人お兄ちゃん!!」



悠莉の悲痛な叫びが木霊する。



敗れたのは幸人である事は、最早疑いようがない。



これからどうなるのだろうか。服従か、はたまた死か。



「フフ……」



ノクティスは片膝着いた幸人に目を向ける。



「見事だったよユキ……いや、幸人。神を超えたその先、確かに垣間見た」



――瞬間、ノクティスの身体に傷痕が刻まれ、同時に薄くぼやけていく。



エンペラーの時と同様、残留思念永久体の最期。



上回られ、敗れたのはノクティスの方だった。



「私はもしかしたら、永遠が終わるこの時をずっと待ち続けたのかもしれない……。受け入れよう、敗北を。そして狂座の歴史に幕を閉じよう」



ノクティスは哀しそうに微笑みながら、全ての終幕を宣言する。



「ありがとう幸人。ユキが託したのも分かる。やはり君には、確かな未来の可能性を感じられた」



「ノクティス……」



「未来は全て君達、人類に託そう。異なっていくだろう運命を、彼と共に向こうで見届けさせて貰うよ」



ノクティスが全てを託し、消えようとする瞬間異変が。



闘いは終わったというのに、突然起きる激しい震動。エルドアーク地下宮殿が崩れようとしているのだ。



「どうやら、これまでのようですね……」



「霸屡!?」



その時、霸屡が二人の下へ歩み寄っていた。そしてノクティスの傍らへ立つ。



「狂座が終わる時、それと同時に全ての痕跡も遺さず終わるよう、設定していたのです。もうじき此処も地下の藻屑に消え、サーモも使用不可となります」



霸屡は全ての痕跡を消す事で、全ての責任を取る事にしていた。



「そんな……」



「俺達も道連れにするつもりか?」



サーモが使えないという事は、此処より脱出も不可能という事。



「いえ、貴方達は逃げてください。エレベーターがあったでしょう? それは崩壊中で使用出来ませんが、その隣に地上への緊急脱出ポッドがあります。急いでください、決して振り返らず……」



だが霸屡は、二人まで道連れにするつもりはなかった。最初から脱出経路まで用意していたのだ。



「分かった……。行くぞ悠莉」



「う、うん」



疑っている暇も、迷っている暇も無い。幸人は出血の激しい腹部を押さえながら、悠莉と共に彼等に背を向ける。



消え逝く二人に同情は無い。最初からそのつもりで此処に来た。



駆け出す間際、幸人は不意に脚を止める。



「霸屡よ……俺はお前達を許せないし、認めない。だが、悠莉を創った事は許せなくとも、悠莉に命を与えた事には……礼を言う」



「幸人お兄ちゃん……」



幸人は振り返らず、悠莉の頭に掌を乗せながら、そう述べた。



感謝とは違う。だが悠莉という一人の命に巡り合った事だけは――。



二人は脱出へ向けて駆け出していた。霸屡は二人の背中を、最敬礼で見送っていた。



「ノクティス様……」



そしてノクティスの傍らに身を寄せる。



「君まで道連れになってしまったね……。済まない」



「いえ、貴方を創ったのは私。なら貴方と共に消えるのが、私の最後の役目です」



「ありがとう……」



そして二人は共に消え、王の間は地下に埋もれていったーー。


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