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ホワイトデーに書き始めたんですけど、途中でほっぽってしまって結局今書き上げちゃった。
⚠︎これはwrwrd様の名前をお借りした二次創作です。ご本人様とは一切関係ございません。
⚠︎BLです。苦手な人はブラウザバック。閲覧は自己責任でお願いします!
新人後輩
…
「〜♪あ、プリンあるやん」
どうもチーノです。今何をしているかって?
ショッピの家に凸ったは良いものの、肝心の本人がいなかったため勝手に乗り込んで冷蔵庫を漁っていた。
端っこの方にちょこんと置いてあるなんだかすこし高そうなプリンを見つけ、すかさず手を伸ばした。
「ショッピってこういうの買うんやな…」
少し意外な一面を感じながら、棚の引き出しに入れてあった鉄製のスプーンを取り出しす。
パカ、と心地いい音を立てながら蓋を取り、スプーンですくってみればふるりとその上でプリンが揺れた。
「む、これは…うまい」
一口食べればもう手は止まらなくて、次々と口に運んでいく。
少しするとカサリと何が当たったような音がして、その何かをすくって手に取る。
それは小さなジップロックだった。中にはギリギリ読めるくらいのサイズの字で「うらみろ」と書かれてある。
「うらみろ?裏…?」
気になってつい容器の裏を覗き込む。
そこにはセロハンテープで質素なデザインの指輪が貼ってあった。銀色が鈍く光っていて、シンプルなデザインがとても好みだ。
「……?何これ」
「見ての通り指輪や」
後ろから聞き馴染みのある声が聞こえて思わず振り返る。
後ろに立っていたのは、怪しく笑みを浮かべているショッピだった。
「あ、ショッピさん、あのー、これはですね」
少し高そうなプリンだっただけあってこっぴどく怒られるのではないかと思い、必死に弁明の言葉を考えていると「プリンはええよ。もともとお前にあげる用だったし」と言われる。
「そっ…かぁ…!良かった〜………ん?てことはこの指輪って」
「チーノのやで」
ふと、少し前にショッピと見たテレビ番組を思い出した。
・
『好きな人にあげるプレゼントって何が1番いいかわからないんですよねえ』
司会が振った話題にゲストの女性たちが口々に答える。
『服とか身につけられるものだと嬉しい人多くないですか?』
『女性って結構貰ったものの意味とか調べちゃうんですよね〜』
『そうそう!例えば指輪とかだと「ずっと一緒にいよう」って意味があったり」
『ちょっと重いけど、好きな人から貰えると本当に嬉しいしね!』
ショッピは心底興味なさそうに「ほーん」と声を漏らす。
「なあチーノ、こう言うのどう思う?」
「ん〜?まあ言葉で言うのが恥ずかしい時に便利なんかなって思ったけど」
俺は使わんかな、と言えば「そー」と何か考え込んだ顔で素っ気ない返事が返された。
・
「………え、あの、これって」
「…恥ずかしいんだけど、言わなあかん?」
そういう事じゃん。
みるみる顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。
「ちょ、ちょっと待って」
「うん」
「え、ショッピって俺のこと好きなん?」
「…うん」
突然明かされる衝撃的な事実に頭がついていかない。
プリンの味なんて思い出せないくらい、甘い。
「えーっと…ちょっと、ほんの5分で良いから、ちょっと待ってて」
そう言い残して急いでショッピの家から飛び出す。
走って1分の距離にあるコンビニへ駆け込み、あるものを買って、また急いでショッピの家へ戻る。
そう言えば今日はホワイトデーだったな。
今買ってきたものをショッピへ投げつける。
「うわ。え、何」
少々困惑した様子で投げつけられたものを見たショッピは一瞬だけ固まり、直後目を見開いてこちらを見た。
「これっ………て………」
「何。俺も恥ずかしくて言いたくないんやけど」
「……っふ、っはは」
「…んふ、あははっ」
二人して真っ赤な顔で恥ずかしがって立ち尽くしているこの状況がなんだかおかしくなってきて、思わず笑い出すショッピにつられて自分も笑ってしまう。
ショッピはこの場の幸せを噛み締めるようにして、渡したチロルチョコを少し握った。
・
『ホワイトデーで渡すお返しとかだと、マカロンとかチョコレートだと嬉しいよね』
『なんでしたっけ、確かマカロンが「あなたは特別な人」で、チョコレートの意味が……』
『「あなたと同じ気持ち」でしたよね』
…
こういうのロマンがあっていいですね。