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16歳の現実逃避行

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16歳の現実逃避行

1 - 16歳の現実逃避行

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2024年06月02日

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主人公自×してます。

オーバードーズしてます。

人によってはイラつく表現があるかもしれません。自衛よろしくお願いします


↑これらが大丈夫な方はお先にお進みください。


本編どうぞ










9月1日に自殺を計画した。


夏休みが終わる日。


8月27日の夕方の街を眺める。


この街にいるのももう少ししかないと思うとなんだか変な気分だ。


マリーゴールドが視界にチラついた。


家の2階から見るこの見慣れた風景が懐かしいような気がする。


夏の匂いと秋の匂いを感じる。


立秋が過ぎたと言うのに、まだ夏の匂いがする。


9月1日までが途方もなく長く感じる。


嗚呼、早く友に会いたい。


去年の9月1日、僕の親友が死んだ。


親友って言うか、兄弟みたいだった。


僕と親友は何処か似ていた。


でも、好きな物も、嫌いな物も、顔も、趣味も全く違った。


親友は読書が好きで、僕はゲームが好き。


全く違うけれど、一つ共通点があった。


それは”家庭環境”だった。


僕らは基本放置されて育った。


学校も勝手に行ってこれば?


みたいな感じ。


室内でタバコを吸われるのが嫌だった。


臭いし、受動喫煙なんてもっと嫌だった。



親友の葬式は泣けなかった。


自殺って聞いたときは、ああ、そうだろうな

って思った。


親友はずっと言っていた。


「16歳になったら死にたいなぁ」


と。


ただの冗談だと思った。


ただの願望かと思っていた。


本当に実行するなんて、思ってなくて。


828


夏休みの宿題が終わらない。


終わらす気なんてないが。


どうせ死ぬんだから。


この心のモヤモヤは、何なのだろう。


それは本当はわかっているのかもしれない。



ドラッグストアに行って、風邪薬やら睡眠薬やらを買う。


意識が曖昧な状態で飛び降りる。


このままでいい。きっと大丈夫。


本当は死にたくないなんて、認めたくなかった。



829


だんだんその日が近づいていることを実感する。


もし死ねなかったとき、僕はどうするだろう。


考えたくないのに、頭の中は死でいっぱいだ。


親友に会いたい。ただそれだけ。


モヤモヤが消えない。


ずっと不安が消えなくて苦しい。


今にも死んでしまいたい。


僕の中で親友は、ずっと色褪せなくて。


たった唯一本音を話せる友人だった。


戻ってきて欲しい。この心の叫びを誰かに話したい。


辛い。辛い。


でもまだ、ダメなんだ。


結局僕は、ただのわがままを言いたいだけ。


それだけなんだ。


831


夜空を眺める。


星も月も何も無い。


僕のからっぽな心を表しているようだった。


16歳の親友に、僕は17歳になって逝く。


年上だ。でも僕は年齢がいくつ変わろうと。


きっと敵わないだろう。


明日で僕は居なくなるなんて思うと、何となく心が落ち着く。


早く親友に会いたい



91


この日が来た。やっと来た。


やっと死ねる。


大量の薬を飲んで、窓際で足を外に放り出す。


頭がふわふわする。


落ちたい。早く下に。


早くしないと、心が壊れそうだから。



宙を舞う感覚がした。


怖い。怖い。


僕は馬鹿だ。


地面に打ち付けられる感覚。


痛い。


痛いよ。



「死にたくない…ッ」



泣きながら呂律が回らない口で小さく言う。


僕は親友に会いたかったんじゃない。


親友を理由にして死にたがっていただけなんだ。


今更気づいてもう遅いかもしれない。


心臓が痛い。


体全体痛い。


死にたくない。


逝きたくない。


誰かたすけて、いたいんだ


まだ生きたい


死にたくない


視界にマリーゴールドがチラつく。


死にたくない。死にたくない。


僕がどれだけ無責任だったか。


死にたいと言う言葉がどれだけ無責任か。


生きろという言葉がどれだけ無責任か。


なんで今更知ってしまったのか。


生きたい。


親友とは、まだしばらく会わなくていいから


死にたくない。


「死にたくない………ッ」



大粒の涙が目を覆った。


睡魔が襲って来た。



もうすぐで死ぬのかもしれない。


だって、体が痛くない。


あとは寝るだけで、僕は望んでたことが出来る。


でも、なんでだろう。


とても悔しい。


嗚呼、僕はいつ、見つかるのだろうか。






人の声がする。


焦っているような、急いでいるような


電話の着信音が微かに聞こえる。


女性の声だった。


社会人らしき声だった。


意識が朦朧として余り聞こえない。



そこで僕の意識は途絶えた。








END…??????

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