『お前が憎い』
注意書きは第一話をご覧下さい。
水ちゃん病み、口悪い
水side
僕には大嫌いな人がいる。
青「〜〜〜〜?」
そう、同じクラスの青くんだ。
頭も良くて、運動もできて、お人好しで、クラスの一軍。
まさに天才とはこの人のことだろう。
みんな彼によって話しかける。みんなが彼を尊敬していて、彼も楽しそうに話す。
憎い。憎くてしょうがない。
水「…」
僕はいわゆる陰キャで、友達なんかいない。学校では誰とも話さない。みんなが彼に話しかけに行くから、話す人がそもそもいない。
そして僕は
ボコッ…バキッ…
水「カハッ…」
モブ「はっ、無様ねぇw」
モブ「今日はここまでにしてあげる。明日もこいよーw」
いじめられている。気に入らないんだって、青くんの事に興味無い僕の事が。そんなの理不尽。
青くんが人気だから僕がいじめられないといけない。
あいつは幸せそうにのうのうと生きてやがって、憎い…なんで僕がこんな嫌な思いをしないといけないの?
水「みんなっ…嫌いだ…ポロポロ」
こんな世界なんて…居るだけで疲れる。
水「…ここから飛び降りたら…居なくなれるかな…?」
神様、もし生まれ変わることが出来るなら幸せになれる人間にさせて下さい。
水 ガシャン
さようなら。
水 タッ
ポスッ
水「…?」
あれ…痛くない……?
水 パチッ
青「あっぶな…大丈夫か?」
水 ギョッ(°д° )
え、青くんに助けられた…?いやそれよりも周りから痛いほど視線を感じるんだけど。
早くこの場から逃げ出したい。
水「大丈夫です。ありがとうございました」タッ
青「あちょっ…!」
水「はぁっ…僕ほんとに明日人生終わるかも…」
彼はほんとに人気者なんだと思った。周りには凄い人数の友達と思われる人がいたし。女子たちはみんな僕のことを冷たい視線で見てきた。
…こりゃ明日女子から殺られるわ。
水「…もっと最悪なんですけど…」
いじめられるのはもう慣れてるからどうってことない。ただあんな大人数で来られたら終わり。
水「…そろそろ帰ったかな」
焦って教室に逃げてしまったが、こんくらい待ったら流石にみんな帰っただろう。
水「そろそろ帰るか…」
ガララッ
青「おっ、きたきた」
水「…は?」
いやなんでいるんだよ。さらに僕が死ぬ可能性が高まるじゃないか。人の気も知らないで。
水「…なんでいるんですか」
青「心配だったから見に来た」
水「別に大丈夫です。お気遣いどうも。それでは」
青「そう逃げんなって」ガシッ
いや力強。
水「なんの用ですか。早く帰りたいんですけど」
青「1回保健室行かね?」
何言ってんだこの人は。行くわけないだろう。
水「行かないです」
青「え〜じゃあ俺ん家来て、手当する」
水「ますます何言ってるかわかんないです。取り敢えず離してください」
青「やだ」
水「💢」
しつこいな。僕がお前のこと嫌いなの伝われよ。
青「さっき落ちてきたのをキャッチした時、大量の痣を見た」
水「っ!」
青「それに屋上から落ちるのだってなにかしらの理由があるはず」
青「きっと辛いことなんやろう。誰にも相談できないんやろう?俺でよけりゃ話して?」
話すわけないだろう。嫌いなヤツに。
そういう所が本当に嫌い。
水「うるっせぇよ!!!!」
青「!?」
水「なんだよ、お前に何がわかるって言うんだよ!!」
水「僕は…お前が嫌いだ」
水「いいよな、みんなから好かれて、天才で人気者」
水「僕がいじめられてるのだってお前のせいだ…!!」
青「え…」
水「僕がお前に興味無いからっていじめられてるんだぞ…?」
水「おかしいと思わない?こんな世の中間違ってる」
水「お前が人気だから僕がいじめられる」
水「もう疲れた。だから死のうと思った」
水「だから飛び降りた」
水「したらお前がキャッチした。なんで?もう少しで死ねるところだったのに。楽になれる所だったのに」
水「しかもお前がキャッチするから周りにいた女子からの冷たい視線」
水「あーあ、明日は大人数でいじめてくるだろうなぁ」
青「っ…」
水「ねぇ、どう責任とってくれるの?」
青「…ごめん」
違う。その言葉が聞きたいんじゃない。
水「謝ったってなにも変わらない。行動で示せよ」
水「じゃ、そういう事だから二度と話しかけてくんなよ」タッ
言ってやった。今まで思ってきたこと全部。ぶつけてやった。
水「…バカなことしたな」
今思った。言ったって何も変わらない。いじめられるのに変わりは無い。言うだけ無駄。
水「…」
少し胸が苦しいような気がした。
次の日
放課後
屋上にて
ガチャッ
モブ「おっ、待ってたよ〜♪w」
モブ「今日は人数多いから覚悟しといてね?」
水「…」
ほら言わんこっちゃない。いつもは5人くらいなのに、今日はクラスの女子全員集まったのか?ってくらいいる。
水「……いいよ。殺す勢いでどうぞ」
モブ「…へぇ、言ったね?」
もうどうでもいいや。このまま殺してくれ。
モブ「私の青くんに近づいた罪は重いからね?」
私のってなんだよ。付き合ってないんだろ?
モブ「勝手に近づきやがって…!!」
あっちから近づいてきたんだよ。僕のせいにするなよ。
ボコッ…バキッ…ボゴッ…
水「ヒュッ…カハッ…」
ボキッ!
水「あ”っ…!?」
いまとんでもない音したぞ。もしや骨折った…?
モブ「やばっやりすぎちゃったかもーw」
モブ「これ以上は先生に見つかるとまずいから終わりましょ」
モブ「そうね__」
?「ちょっと待てよ」
モブ達「!?」
水「?」
誰か来た…?
青「そんな事してただで帰れると思うなよ」
モブ「青くん…!?」
モブ「やっ、これは…その…!」
青くん…?なんで来たんだよ…。
青「ちなみに証拠は撮ってあるから言い訳したって無駄やで」
青「わかったらとっとと失せろ」ギロッ
モブ達「ひっ…ごめんなさ〜い!!」ダッ
青「はぁ…大丈夫か?」
水「…」コクッ
助けられた…?いやいやなんで助けたんだよ。僕昨日散々悪口言ったんだぞ?嫌いにならないのか?
青「聞いといてあれやけど、大丈夫じゃないやろ」
青「足、折れてるやろ?だから歩けないんやろ??」
水「…」
全てお見通しなのが腹立つ。
青「保健室はそこまで見てくれへんし…このまま病院行くか」
水「…は?サボるってこと?」
青「そうやで?先生だって理解してくれるやろ。俺お気に入りにされてるし」
なんだよ。ただの自慢かよ。
青「てことで行くで〜」ヒョイッ
水「はっ!?下ろせよッ!!」
水「証拠撮ったんだろ!?僕がなんでいじめられたかわかってんだろ!?」
青「大丈夫。もういじめられへんから」
どこから出てくるんだよその自信。信用ならねぇ。
病院にて
医者「全治2ヶ月です」
医者「安静に過ごして下さいね」
水「…はい」
案の定折ってました。これから2ヶ月松葉杖生活。最悪だ。
水「っ…」プルプルッ…
青「……やっぱ車椅子にする?」
水「…いや…大丈夫…」
松葉杖を使うのがこんなに下手くそだと思わなかった。安定しない。今すぐにでも転びそう。
青「そんなんじゃ一生動けへんで〜」
水「うるさい」
青「かわいい見た目して中身怖いよなホンマ」
水「……は?」
青「え?」
かわいいって言った??僕が?目が腐ってんのかコイツは。
水「何言ってんだか……あっ…!」ガタッ
よそ見してバランスを崩してしまった。
青 ポスッ
青「松葉杖は諦めろ。危なすぎる」
青「車椅子貸してもらえないか聞いてくるから座っとけ」
水「…」ポスッ(座る)
悔しい。
青「はい、これに乗れ」
水「……」ストッ
青「よしっ、じゃあ動くで〜」
水「自分で動けるし」
青「ダーメ。どうせ松葉杖みたく変な方向行ってぶつかるから」
水「…」←否定できない
青「だから俺が押してやる」ニコッ
水「……なんでそこまでするんだよ」
青「え?」
水「散々悪口言ったのに、嫌いにならないの?」
青「だって責任とってって言ったやん」
水「!」
青「俺のせいでいじめられたんなら俺がいじめを終わらせる」
青「いじめられたせいで負った傷は俺が責任を持って面倒を見て治させる」
青「それくらいしか出来へんしな」
青「やからこれで許して?」
水「…」
そんなに責任感じてたのか…。
水「………ありがと…」
こんな事を言うのは自分らしくないけど、言わないとそれこそ負けな気がした。
青「…どういたしまして」ニコッ
彼の笑顔が眩しく、美しく見えたのは気の所為だろうか。
僕は…お前が”憎かった”かもしれない。
コメント
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もう神すぎなんですがッ?!あのもし良ければですが宣伝してもよろしいでしょうか?