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『また、初めから』
注意書きは第一話をご覧下さい。
水side
水「…きっと今日も…」
僕の彼氏は浮気しがち。そんな事は前からわかってた。付き合ってすぐ、僕に対して冷たくなるし、浮気現場だって何回も見てきた。
でもそんな彼でも好きだった。ふと見せる笑顔がとてつもなく美しくて。
……そんなことを思う僕もおかしいのかもしれないけど。
現在時刻午後11時。帰りが遅いってことは他の女の子と遊んでいるのだろう。
水「……別れたら…楽なんだろうなぁ…」
別れ。この言葉は何度も頭をよぎってきた。自分でもわかってる。浮気なんて最低な事だし、別れた方がいいってことも。
でも好きだから、なかなかそんな事言い出せない。
水「……今日も顔は見れない…」
最近彼が帰ってくる前に寝てしまうので、ここ数ヶ月顔すら見てない。
彼の顔はどんな顔だったっけ。
水「…………あれ、僕…」
なんで彼が好きなんだっけ?
水「……もう…なにもわかんないや…ポロポロ」
僕は本当に彼のことが好きなのか?彼の笑顔は美しいのか?顔も覚えてないのに?
わからない。
とにかく今は__
水 ダッ
バタンッ
水「はぁっ…はぁっ……っ!」
誰かに抱きしめられたい。
ぴーんぽーん
ガチャ…
青「はーい……え、水!?」
水「青くん…ポロポロ」
青「と、とりあえず中入りぃや」
水「うんっ…ポロポロ」
青「はい、お茶」
水「ありがとう」
水「ごめんねッ…こんな夜遅くに……」
青「大丈夫やけど……彼氏のことか?」
水 コクッ
そう。もともと青くんには彼氏が浮気性って事を相談していた。
水「もう僕…彼のことが好きなのかも分からないの……ポロポロ」
水「顔も覚えてないし、なんで好きなのかもわからなくて……っポロポロ」
水「もう、好きじゃないんだと思う…ポロポロ 」
青「…そうか」
いつも僕の話を真剣に聞いてくれる青くんがありがたかった。
でも僕は、申し訳なかった。いや、僕は最低だ。
ごめんね、青くん。こんな話、聞きたくないよね。
青くんが『いつでも相談に乗ってやるから、なにかあったらすぐ頼るんやで』って言ってくれたから、それに甘えちゃってた。
青「……なぁ水」
水「なに…?」
青「悪いけど、そんな事聞かされたら、俺も我慢ならんのやけど」
青「これから攻めまくっていいってこと?」
水「!」
そう。青くんは僕の事が好きなのだ。僕が彼と付き合った時、青くんも自分の思いを伝えてくれた。
その顔はとても悔しそうで、諦めてない顔をしていた。
でも青くんは相談に乗ると言ってくれた。
だから頼った。彼が浮気性ってこともまだ好きって事も全て伝えてきた。きっとそれは青くんにとって辛かったと思う。
僕にとって困ったことでも、青くんにとってはただの惚気話にしか思えない。僕が青くんの立場だったらそう思う。
本当に優しいね青くん。感謝しかないよ。
水「……うん、いいよ」
水「…でも…もう惚れてるのかもしれない…」
青「!」
彼にはドキドキしなくなってしまったのに、あなたといると心臓がうるさくなる。
きっと好きになってしまったのだろう。
まだ彼と別れる話もしてないけど、ちゃんと別れてあなたと付き合えたらいいな。
なんて、現実は上手くいかないのかもしれないけど。
青 ギュッ
青「俺が絶対水を幸せにする」
水「…うん、ありがとう」
あなたとなら、どんな壁だって乗り越えられる気がする。
……なんか思ってたんと違う((