『うむ!君には旅をしてもらう!!』
「旅…ですか…?」
『僕は今までもAIを作ってきたんだけど、AIを作る時に“感情データ”と言うのが必要なんだ。それを最初に作ったんだけど…。』
「作ったんだけど…?何ですか?」
『間違えて削除しちゃったの!!!』
「えぇ………、、、」
『つまり、今の君には簡単に僕がプログラミングしたちょっとだけの感情データしかなくて、感情データを…君を完成させるには僕以外にも色んな人に関わって色んな感情を理解しないといけないの…。』
「なる…ほど…。」
『それに感情データがないとこれから新しいAIも作れないし、、』
「えぇと…大体分かりましたけど、なんでそら博士はそんなにAIを作るんですか?ただの趣味なら作らなくてもいいんじゃ…」
『それが、ただの趣味じゃないの!』
「じゃあ何なんですか…?」
『そ、それはひみつ!!!』
ええ……
『と、とにかく!君には旅をしてもらわないと困るのだよ~!!』
博士は涙目で僕に頼んできた。
「まあ、旅はしなきゃ行けないのは分かりましたけど、具体的にはどうすれば良いんですか?」
『ありがと~!さすが僕が作ったAIくんだ。ええと、とりあえずまずは社会性世界…地球に行って、人間と接触してもらう。あ、そうだ、このクリスタルでどこの世界にも行き来できるから。持って行ってね。で、具体的には…この僕が書いた世界の歩き方~地球編~を読めばわかるさ!』
「は、はぁ…」
適当だなこの人……。
『それと、地球も広いからね。流石に全部の国には行けないと思うから、ダーツでどこの国か決めよ~!!』
本当に適当だなこの人……。
でもここにダーツなんて……。
『よっ…こいしょっと…。』
「?!」
博士が空中から物を取り出すしぐさをすると本当にダーツと世界地図が出てきた。
「そ、それ、どうやって……。」
『あ、これ?地球から取り寄せたんだ~!まあ、これやると疲れるからたまにだけどね。』
こんなこともできるのか…
『よ~し!さっそくやるよ~!……えいっ!』
博士が投げた矢は“日本列島”と記された場所に刺さった。
『おっけー!日本だね!ここならいい感情データがとれそうだ!』
どこだか分からないが、なんだかドキドキ?してきた。これが博士がプログラミングしたというちょっとの感情データだろうか…?
だが、まだどういう感情なのか理解はできない。
『あ、そうだ、言葉は場所によって自動で変わるから心配ないよ~!あととりあえずこのリュックに日本のお金と必要そうな物は入れといたから!』
「はぁ…」
渡されたリュックを背負い、博士がくれた世界の歩き方という本を手にする。
「それで、博士いくつかききたいことが、」
………そう言いかけた瞬間博士に背中を押された。
『それじゃあ!世界の旅へいってらっしゃあ~~い!!!』
本当に適当だなこの人……。
-つづく-






