みなさんはじめまして!
今回投稿するのは主の処女作です💦
その為、至らない部分が沢山あると思います。
心してお読みください……
心の準備はいいですか?
いきますよ?
窓から差し込む光で目が覚めた。まだ重たい瞼を擦りながら起き上がったオレの目の前には、同じ様に陽を浴びて、でも眩しいのか目を細めながら窓のずっと先をみる
______君がいた
ミーンミーン
ピロンッ
ミーンミンミーン
「今までありがとう」
ある日のこと、スマホの画面にはそう記された。
それからは今までのことが嘘だったかのように、”赤の他人”としての生活が突然始まった。本当に突然…………………………………………
…………………………
……………………………
いや、突然なんかではなかった。前から君とのやりとりは全てギスギスで、君から放たれる言葉にはいつもトゲがあった。オレが君から嫌われていることを理解するには十分だった。いつこうなってもおかしくない状況だったのに、それを見てみぬふりをしていたのはオレじゃないか。でも、肝心なところがわからなかった。オレのどこが君をそうさせてしまったのか、嫌われるようなことをした覚えもないし、それまでは”親友”と呼び合うほどの仲だった。なのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのに—-
そんなものがオレの頭の中で駆け巡っているうちに、オレが起きたことに気がついたのか、君は顰めっ面でこちらを見ていた。
「…お、おはよう…えっ、と…」
咄嗟に出た腑抜けたオレの声だけが、この部屋に響いた。
何分くらい経ったのだろうか、君が口を開いた。
「なに」
「えっと…なんで…いるの?」
「こっちが聞きたい」
「…人…?」
「…見ての通りだけど」
…見ての通りと言われても…
「マジで…?」
自分でも、頭の上にハテナが浮いているのがわかる。すると、君は呆れたと言わんばかりの大きなため息を吐き、話し始めた。
「見ての通り幽霊だけどーー」
どうやら君にはこの世に未練があったらしい。その未練がなくならないと成仏できないだとか。何が困ったかって、君はオレを中心とした半径2mの円から出られないそうだ。つまり、オレから離れられないと言ってもいいだろう。
まじか……嬉しい……
俺はそんな場違いなことを思ってしまった。
「あと、幽霊だから物を通り抜けられる。他の人には見えてないと思うし、人にも触れないと思う」
そう言って君は壁に手を吸い込ませた。どうやら本当らしい。しかし、わかっていてもやりたくなるのが、オレだ。
「ね、触っていい?」
「は?」
「ほら、検証!ね?お願い!ね!?」
…なんか…すごく強引な感じになっている…最悪だ。これ以上嫌われたくないのに…。
しばらくして、
「まぁどうせ触れられないし、いいよ」
そう言って君は手を出してくれた。よかった…。根は優しいんだよなぁ、と思う。そして、オレは君に近づきそっと君の手に触れた。
そう、触れたのである。
オレと君は大きく目を見開いた。どちらも触れることができるなんて、思ってもみなかったからだ。
「なんかごめん…。」
「いや…別に」
気まずい…毎度訪れる沈黙はどうすれば良いのだろう、、、君は会話をする気は全くなさそうだし、学校へ行く支度をするのがベストだろうか。しかし、オレはすでにキャパオーバーをしており、そんな事を考えられるほど頭は回っていなかった。ただただ時間だけが流れていく。
チリリリリリ チリリリリリ
沈黙に耐えきれなかったかのようにアラームが鳴った。7:00のアラームだ。助かった…?とりあえず沈黙は回避できそうだ。それより…ヤバイ遅刻する。(7:25に友達と待ち合わせがある)
「とりあえず、学校行くね…」
一応声はかけたが、返事が返ってくることはなかった。悲しい…けどよくよく考えたら、オレから(実質)離れられないいんだし言わなくてもよかったのでは??
そんなこんなで朝の事件(?)は幕を閉じた。
登校していてわかったのだが、やはり君は他の人には見えていないし触れない。オレだけが見えるし触れることができる。明らかに不自然だよな…未練と何か関係あるのか…?
「…ぇ!ねぇ!聞いてる!?」
「え、あ…ごめん…」
「今日で何回目!?」
「マジごめん…」
と、まぁ色々と思考がめぐるわけで、とても友達と話したり授業を受けたりすることなんて、できそうになかった。この状況は非常にまずい。そう、なぜならオレは頭が悪いのだ。テストの点数が悪い上に授業態度まで悪かったら………考えるだけで肝が冷える。早くもこの状況をなんとかしなければ。そういえば、頭…良かったな…。
「あ、そうだ。」
オレの頭には1つのアイディアが浮かんだ。我ながら天才だ。
学校が終わり、自分の部屋に入ってからオレは切り出した。
「ねぇ、契約しない?」
「は?」
「未練をみつけて成仏するのを手伝うかわりに、オレの勉強とかその他諸々に手伝ってよ。」
そう、これがオレの思いついたアイディアだ。この状況をなんとかする事はもちろん、話すための口実でもある。だって、せっかく君が近くにいるのに、話せないなんて勿体なすぎる。このまま話せずに君が成仏してしまったら、オレから離れられるようになってしまったら、後悔で押し潰されそうになる。そんなことは考えたくもないが。そして、勉強も出来るようになる、というわけだ。つまり、一石二鳥。改めて思うが、我ながら天才だ。だが…
「良いよ、と言うとでも?」
…まぁ、だよね…いくら天才のオレでもうまくいかないことはある。しかしながら、ここで引き下がるようなオレではない!なんとか説得できないものか…………。何か無いかな…強いて言えば、君は昔から押しに弱かったくらいか。それを利用すればなんとかなる…か…?まぁ、考えていたって仕方ない。他に考えがあるわけでもないし、当たって砕けろ、だ。
「でも、断る理由なくない?このままいるよりかは、成仏できる可能性が高くなるわけだし。」
「………………」
「あと暇でしょ?オレが持ってるものとか貸すし、欲しいものがあればできる限り用意するよ。どう??」
「………………」
ずっと黙ってるやん…これほんとになんとかなるか…?しかも押し、というより下手に回っているだけだし…。先が見えないよ……。
「________!?」
「___」
こんな感じでしばらくの間、といっても数日間だけだが、激闘が続いた、、、
そんなこんなで結果的には契約成立。ただし、オレの方が負荷が多い。不平等なのだ…。まぁ成立したし、良いんだけど。
「ねぇ、聞いてんの?」
「ぇ…あぁ!ごめん…。」
契約成立から数日後。オレはたった今、絶賛教えてもらい中だ。 あれから、君の口数が増えたような気がする。野良猫が懐いてくれたような感覚…努力した甲斐があるというものだ。 ところで…そんな天才で努力家のオレよ。数学ってこんなに難しかったっけ??それよりも近い。身に入りません。
「ねぇ、やる気無いなら教えないけど」
「ごめんなさいごめんなさい、そんなつもりじゃないんだけど…」
「は?じゃあどういうつもりなの?………まぁいいや。どっちにしろ休憩にしようかと思ってたところだし、どうする?」
このままやってても悔しいが身に入らない。それに、言いたいこと、あったんだった。
オレたちは休憩にすることにした。
オレは最近、君が好きだと気付いた。正確には、ずっと前から君が好きだった。その時は、まだ”友達”としての「好き」だとか、なんでもできる君への憧れだと思っていた。だけど時間が経つにつれて、この「好き」が”友達”としての「好き」ではないと気付いてしまった。その時、オレはその気持ちに蓋をした。気付いていないふりをした。多分、無意識のうちに。でも、君からあんなメッセージがきてから、君が死んでから、君が都合よくオレの前に現れてから、その気持ちを嫌でも自覚してしまった。そして、蓋の隙間から中身が少しずつ、溢れているんだ。もう、この気持ちを無視する事はできない。だから、君に好きだと言おう、そう思った。それに、せっかく君と話す口実も作ったんだ。言わないと、後悔する気がしてならない。 今思えばオレ、こんなんばっかだな…w契約してだの、前から好きだの、どんだけ君に迷惑かけてるんだよ…ほんとに自分勝手。だから嫌われるんだよwハハッ………ッはぁ〜
「過去は変えられないけど、未来は自分次第で変えられる。だから前を向いて生きて。」
オレのおばあちゃんがよく言ってた言葉。
「ねぇ、ちょっと聞いて欲しい事があって、いいかな?」
「交渉ならしないけど」
「ううん。今回は違うよ。」
「なに?」
「スゥッ君が、好き、です。」
「……………は……?」
「急にごめん…!でも、どうしても伝えたくてッほんと、ごめん…自己中だよね…w」
「…ちなみにだけど…likeのほうだよね?」
「もちろんloveのほうだよ。」
「…ついに頭おかしくなった?まぁ、一時的な気の迷いだよ。幽霊が現れるとか非日常的な事が起こると勘違いしやすくなるし。ほら、吊り橋効果的な」
そんなわけない。今までこの気持ちに蓋をしてきたからこそわかるんだ。オレは君が思っているよりもずっと、君が好きなんだ。
「ッち、違う‼︎君が幽霊になって現れるよりもずっと、前から好きだったんだ!上手く言葉に出来ないんだけどッこれは、気の迷いなんかじゃない、そう思えるんだ!」
「いや、でもッそ、そもそも幽霊だし!もし仮に100歩譲って、す、好きだとしても、その先は?伝えて満足?それとも、つ、付き合いたいとか何かあるの⁉︎」
「それはもちろん、幽霊でも付き合いたいし、キスだってしたい…だけど伝えられただけでも十分だと思ってるよ?今まで言えなくて後悔してたって事もあるけど、何より君を困らせたくないから。」
「~~~///」
前言撤回。今から君を困らせます。いや、でもそんな顔する君が悪いよね?
耳まで真っ赤にした君に、オレは—
チュッ
「ッ~~~な、な、な//////////」
さっきよりも顔を赤くして、口をパクパクさせている君はとてもかわいく、もっとその顔を見たい、もっと触りたい、君をオレだけのものにしたい、なんて、汚い感情が溢れてきてしまった。
「ねぇ、誰にでもそんな顔しちゃうの?キスだって、別に嫌いな奴とでもできるんだ?」
「ぇ………//い、や、べ、べつにそういうわけ—-」
オレは君の言葉をさえぎるように、キスをした。しかし、今度はすぐに離されてしまった。
「ッま、じでッ」
君の顔は怒りで満ちていた。…あぁ、やってしまった。君がそんな顔するから、オレにもワンチャン…なんて事があると勘違いしていた。オレは君に嫌われていて、でもこれ以上後悔はしたくないから、思いは伝える。これだけのことだ。これ以下はあってもこれ以上はない。
「か、勘違いする、から!」
…何を言っているんだ…?勘違いしていたのはオレの方なのに…。
「は……?何言って—」
「だ、からッ!もしかしたらって、期待してもいいんじゃないかって、思っちゃうからッ…やめてって言ってんのッ………」
…それって…両想いってこと…?まじ、か…やばい。口元が緩んでしまう。
そんなオレとは裏腹に、君は、今にも泣きそうだった。オレは君を優しく抱きしめた。そうするべきだと思ったから。そしたら、微かに聞こえたんだ。君の嗚咽と、啜り泣く声に混じった
“好き”の2文字。
「ぅぅ……ヒック……ぅ…」
「ねぇ、さっきは、伝えられただけで十分だ、とか言っちゃったけどさ、オレはやっぱり付き合いたいよ。」
「ッだ、だめ!」
「…なんで?」
「だって、ゆ、幽霊だし、釣り合わない、し…」「そんなこと関係ないよ。」
「ッ…………」
「君がどんなことを思って言っているのかは分からない、けど、オレがどうとか、周りがどうとか、そんなんじゃなくて、君の本当の気持ちが言葉になってたら嬉しい、かな。」
「……す、………き……です///」
「……ほんとに?」
「ん………」
「じゃ、じゃあ付き合ってくれる…?」
「…ッ……いい……よ…//」
「………パァァ」
オレは勢いで君に抱きついてしまった。だけど、君が少しだけ腕をまわしてくれた。それだけで嬉しかった。幸せだと思った。君もそう思ってくれてたらいいな、なんて。
窓から差し込む光で目が覚めた。まだ重たい瞼を擦りながら起き上がったオレの目の前には、同じ様に陽を浴びて、オレの寝顔を愛おしそうにみる
オレの恋人の君がいた
「おはよ。チュ」
「ん、おはよ」
キスだけで耳まで真っ赤にする君はいなくなっていて、少し寂しいし悔しかった。だけど、満更でもなさそうな君の顔を見るとそんな事どうでもよく感じた。
オレたちがお付き合いというものを初めてはや数週間。相変わらず君はオレの半径2mの円から出られない。そんな中でオレたちは本当に”夢”のような日々を送っている。
Fin
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!!
ここまで約5400文字(多いのか少ないのかは分かりませんが)お疲れ様でした💦
いかがでしたでしょうか?
冒頭でお話したとおり、主の処女作なので至らない部分ばかりだと思います。
なので、ここまで読んでくださった皆さんに、大変おこがましいですが
「もっとこうした方が良い」
などのアドバイスしてもらいたいです💦
そして、また後日にでも、制作裏話的なものも投稿したいと思っております!
需要は0ですが、そちらも読んでいただけたら嬉しいです!
ここまで読んでくださり、ありがとございました!
ではまた!
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