今日買い物に行ったら、オレの大っ嫌いな椎茸の試食会してて、親がそれ食って話しかけられたときにめっちゃ臭くて死にそうだった😭
あの、家族でオレだけ椎茸嫌いなのよ。味、匂い、食感すべてが駄目で、匂い嗅ぐだけで吐き気がするんだ…。キノコ好きの奴らごめん(_ _;)
オレ以外椎茸(ほぼ全種類のキノコ)嫌いな仲間いないかな?
おっと、前置き長過ぎたね、すまんすまん!!
それじゃ、いってらっしゃ~い(^_^)/
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部屋に続く廊下を歩いていると、どこからか香ばしい匂いが漂ってきた。
桜:(いい、匂いだな。)
きゅるるる、と鳴るお腹を軽く押さえていると、いつの間にか部屋の前についていた。
ガチャッと開けた扉の先には。
桜:なん、だこれ…!
さっきまで豪華な薔薇の花瓶が置かれていた机が、今は大量の料理と香りで埋め尽くされていた。
蘇:あ、おかえり。かなり長風呂だったね。
ソファで脚を組んでいた蘇枋がにこりと笑い、手で向かいの席を示す。
桜:これ、着るのに時間かかってた。
蘇枋はオレの姿をまじまじと見たかと思えば、顔がぱあっと明るくなった。
蘇:着てくれてうれしいよ。ていうか。…やっぱ可愛いすぎるよ!!桜君は何でも似合いそうだね!
その言葉に全身が熱くなり、とっさに言い返した。
桜:かわっ!?ふ、ふざけんなはっ倒すぞ!!/////
蘇:桜君にはっ倒されるなんて最高のご褒美だね!
蘇枋はウキウキしながら答えた。
その様子を見て、コイツはやっぱりイカれ野郎だと、改めて確信した。
桜:…変態イカれマフィアボス。
蘇:う゛っ、さすがにそれは傷付くな…。
その言葉をフル無視して、蘇枋が示した向かいのソファに座る。
桜:ていうかこの料理なんだよ?
蘇:ああこれはね、全部君のために用意した料理だよ。好きなものから食べていいよ!
ニコニコしながら見つめる蘇枋を一度見たあと、鮮やかなもので埋め尽くされているテーブルを見つめた。
すると、オレの目は一つの料理のところで止まった。
桜:(…卵、か?じゃあ、この赤い線はなんだ?)
戸惑っているうちに、黄色い物体からのやけにいい匂いが、オレの鼻を刺激してきた。
桜:(とりあえず、毒は入ってなさそうだ。)
蘇:スプーン、使ってね。
スプーンと言われたものを手にとる。ずしっと重くて、柄のどこを持てば正解なのかわからない。
とりあえず、指を適当に引っかけて構えた。
桜:(ああクソ、見張りが使ってんのは見たけど、どうやって持つのが合ってんだよ!!)
蘇枋の視線がふっと揺れた。微妙に笑ってるのが、空気でわかる。
蘇:その持ち方、ちょっと可愛いね。
桜:…うるせぇ。初めてなんだよ。
スプーンを黄色い表面へ刺すと、ふるりと揺れて割れ、中から白い湯気と赤く染まった米が溢れ出した。
桜:(っ、なんだこれ! いい匂いだ!!)
思わず小さくそれを掬い、素早く口へ運ぶ。
桜:んむっ!
ふわふわの卵の甘さ、赤いソースの酸味、その下の米がほろっと混ざる食感。
桜:(やべえ、んだこれ反則だろ!!)
気づけば、夢中でスプーンを動かしていた。
蘇:気に入ったみたいだね。それ、オムライスっていうんだよ。
桜:オム、ライス…。こんな食いもん、初めてだわ。
皿の半分が消えかけた頃、蘇枋が穏やかに問いかけてきた。
蘇:でも珍しいね。オムライス知らないなんて。桜君、今まで何を食べてきたの?
桜:栄養剤とかいうやつ。
蘇:え?
ピシッ、と音が出そうなほどす蘇枋の体の動きが無くなった。
桜:研究所の連中がよく渡してきた、細長いクッキーみたいなやつ。味なんかなくてパサパサしてたけど、食っときゃ死なねぇからって。飯なんて、呼べるもんじゃねぇ。
視線が皿の赤い線に落ちる。
桜:(そういや、匂いだけは知ってたな。見張りの奴らがちゃんとした飯食ってたから…。)
でも、それがオレに回ってきたことは、一度もなかった。
静かになって気まずくなったオレは、恐る恐る顔を上げると、蘇枋は怒るでも悲しむでもなく、ただ、静かに優しい目でオレを見つめていた。
蘇:じゃあさ。これから覚えよう。桜君が好きな味、全部見つけていこうよ。
胸の奥が、じわり、と熱くなる。
桜:う、うるせぇよ。…食ってんだ、黙っとけ////
蘇:はいはい。見守るだけにするよ。
それでも蘇枋は、まるで宝物を扱うみたいに、オレがスプーンを使うたび、嬉しそうに目を細めていた。
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今回はここまで。
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