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えぬ
リクエストありがとうございます🙇♀️
本当なら今日の飲み会には俺もいたはずだった。 久しぶりにみんなのスケジュールが合っていたし、何日も前から決まっていた予定。
でも仕事が押して、 現場を出た時にはもう合流するには微妙な時間だった。
『無理せんでええよ』
そう送ってきた太智に、
「分かった」
とだけ返した。
仕方ない。 本当に仕方ないことだった。
0時前。
玄関のドアが開く。
『ただいまー』
「おかえり」
ソファから顔を上げると、太智が少し驚いたような顔をした。
『まだ起きとったん?』
「うん」
『眠そうやん』
「別に、眠くないし」
そう言いながら缶ビールを持ち上げると、 太智が目を丸くした。
『仁人が飲んどるん 珍しいな』
普段の俺は家でほとんど飲まない。
飲むとしても仕事終わりに一杯程度。
今日はなんとなく飲みたかった。
『俺も飲もかな』
太智が冷蔵庫を開け、 グラスを二つ持ってきた。
『せっかくやし飲み直そうや』
「飲み直し?」
『仁人おらんかったし』
その一言に少しだけ胸が温かくなる。
気付けば二人でソファに並び 飲み会の話を聞く。
勇斗が酔っ払ったこと。
柔太朗がいつも以上によく喋っていたこと。
舜太がずっと笑っていたこと。
すごく楽しそうで 少し悔しい。
でもさっきほどではない。
太智が隣にいるからだろうか。
『仁人』
「なに」
『やっぱ行きたかった?』
グラスを見つめる。
少しだけアルコールが回ってきたから かもしれない。 普段なら絶対言わないことが口から出た。
「行きたかったし。 太智と、みんなと飲みたかった」
太智が瞬きをする。
俺も言ってから後悔した。
何言ってるんだろう。
酔ってる。 絶対酔ってる。
『…じんちゃん』
「なに」
『酔っとる?』
「酔ってない」
『酔っとるやろ』
「酔ってない」
太智が笑う。
その笑い方が優しくて なんだか無性に甘えたくなった。
気付けば肩にもたれていた。
自分でもびっくりしたが 離れる気になれない。
太智も何も言わない。
『今日は甘えたやなあ』
「……今日だけ」
『仕事頑張ったもんな』
その言葉だけで泣きそうになる。
今日は本当に疲れていた。 仕事が長引いて。
楽しみにしていた予定にも行けなくて 寂しかったし、 悔しかった。
そんなこと言ったら困らせてしまうから全部飲み込んだ。
「太智」
『んー?』
「もう少し こっち来て」
自分で言っておいて恥ずかしくなる。
でも太智は笑わなかった。
ただ少しだけ距離を縮める。
肩が触れ、 腕が触れる。 それだけで安心した。
『仁人』
「…なに」
『かわええ』
「うるさい」
『酔っとる仁人かわええな』
「…酔ってる俺だけ?」
『普段の仁人もツンデレなくせにかまってちゃんで可愛いと思っとるよ』
太智が笑う。 その声を聞いていたら、自然と笑ってしまったが少し照れる。
「今日の 写真見た」
『あー』
「みんな距離近かったよね」
太智が一瞬固まる。
俺も固まる。 何を言ってるんだろう。
飲みすぎたかも。
『もしかして嫉妬?』
「違う」
『違わへんやん』
「違うって」
『嫉妬しとったん?』
「……少しだけ』
観念して答えると、 太智が吹き出した。
『あははっ!ほんまにかわええな〜』
「笑うなよ」
『ごめんごめん笑』
全然謝ってない顔をしていて少し拗ねると、 昔から好きな優しい手で撫でられた。
『大丈夫やで』
「なにが」
『俺はちゃんと仁人のやから』
一瞬思考が止まる。 そして一気に顔が熱くなる。
「何言ってるの」
『事実やん』
「…恥ずいわ」
『今さら?』
太智の肩に額を押し付ける。顔が熱く、絶対 見られたくなかった。
恥ずかしい。 でも嬉しい。
太智が笑いながら頭を撫で続ける。
『今日はいっぱい甘えとき』
「……うん」
『明日になったらまたツンツンするんやろ?』
そう言って笑う太智の声を聞きながら、俺はもう少しだけその肩に寄りかかった。
今日くらいは。
お酒のせいにしてもいい気がした。
コメント
2件

ほんーとにリクエストに答えて下さりありがとうございます😵💫😵💫 想像を超える話で終始口角が上がってました、、やっぱりじんとくんがデレになってる時大好きです🫠🫠次の作品も楽しみに待ってます‼️
うわ、第2話、すごくよかった……!🥺 仕事で行けなかった飲み会、帰ってからの太智さんの「飲み直そう」にじんわりしたし、酔って素直になる仁人くんが可愛すぎてつらい。「今日だけ」って言いながら甘えるの、めちゃくちゃキュンと来たし、最後の「俺はちゃんと仁人のやから」で完全にやられた…! シンプルな会話だけでこんなに温かくなるのは、のんさんの言葉選びの妙だと思います。明日にはまたツンツンするんだろうなって思うと、この夜の特別感が染みる…🍋