コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ゲームだけじゃなくて、外でも会ってくれませんか。この言葉を前向きに捉え、休みの日にちを何個か舞衣に送ると、すぐに返事がきて。
「(告白してないけど、デートっていうんかな。こう言うの。)」
当日、待ち合わせの駅の改札をでる。人混みの中ヴィンテージファッションに身を包む舞衣の姿が。
「待ったか??」
「いや。私も今来たようなものよ。」
「どこ行こうか??」
「ここで手作り市やっててね…」
話ながら目的地へ向かう。プライベートで会う舞衣の印象はミステリアスというか。
「鋼ってさ、周りから不思議ちゃんって言われるだろ??」
「良く言われる。何でかな??私、そんなに不思議ちゃん??」
「んー、思考が独特??あと、良い意味でその服、個性的で似合ってる。」
「この服ね、70年代の古着なの。今どきのファッションあまり得意じゃないんだ。古着は誰でも被らないから好きなの。」
「古着なんか。確かにこんなデザイン、なかなか見ないもんな。」
手作り市会場に到着し、雑貨やヘルシースイーツを見て回る。
「(鋼といると退屈しないな。)」
ゲーム中は男らしい反面、楽しそうに雑貨を見る姿は今どきの女子である。
「今日も大漁だー。」
ヴィーガンフードやスイーツを袋いっぱいに持ち、併設された広場で食べようと座る。
「ヘルシーかと思ったら、意外とガッツリで美味しいな。」
「でしょ??お口に合って良かった。」
「これ食ったらさ、もう1回雑貨見ていいか??」
「いいよ。」
向かった雑貨ストリートで切島が買ったもの。
「ループタイ、普段から着けるの??」
「初めて買うんだ。なんか綺麗で一目惚れしたっつーか。」
「そうなんだ。なら私は、あの指輪を…」
怒号と悲鳴、何かが転がるような音と共に、人々が2人の方に流れてくる。
「ヴィランか!?」
人の流れに逆らい掻き分けて進むと所謂、非行少年たちがスケボーやらで追い抜いていく。
「あいつらっ!!」
「危ないっ!!」
切島が驚くのも束の間。鋼化した舞衣は、子どもを庇いうずくまる母子を強引に抱え、通路端に勢いよく倒れこむ。切島は硬化した片腕で暴走するスケボー少年にラリアットをかまして、倒れこんだ3人にかけよる。
「大丈夫ですか。」
切島が言うと、母親は泣く我が子を抱きしめ、ひたすらお礼を言って2人に頭をさげる。母子を、丁度任務中だった緑谷に引き渡して、会場を後にする。
「鋼は、手当てしなくていいんか??」
「これくらいなら鋼化解いても痛くないと思う。」
と全ての鋼化を解く。
「解いたら痛むのか??」
「バイクでクラッシュした時は特に。3日寝込んだことあったよ。」
「マジか。ヘタしたら大事故じゃん。」
「そう。いつも危険と隣り合わせよ。」
そう言った途端、舞衣の足が止まる。
「うそ、でしょ。」
「どうした!?」
「痛い…!!」
ついに舞衣はうずくまる。
「大丈夫か!?タクシー拾って病院行くぞ!!」
舞衣は頷き、切島の肩をかりて歩く。タクシーを拾い、舞衣が通う病院へ。特に異常はなかったが、安静の指示が出された。あの子どもの個性が覚醒し、痛覚を人に移してしまう個性だったことが後日知らされることに。