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長に呼ばれた、また変な思いつきなのだろう。俺はそう思いながら正装を着て、長の間へと向かった。待ちくたびれたのか長が
「おい!利羽!」
と呼んでいる。長様長様なんてはやしたてられてるけど俺からしたら父ちゃんだ馬鹿野郎。仕方がないから
「なんですか、長様」
と少し無礼になるが不貞腐れながら言っている。そしてまた突拍子のないことを…
「お前はこれから邪神様に会ってもらう」
やっぱり言ったぁ…、んな急に邪神様に逢えなんて言われても。邪道族とは違うのだから。聖龍族なのだから無理だと思っていたが。まさか自分の息子を邪神なんぞに差し出すとは思わなかったぞクソ親父。と思っていたが。もうこれは仕方ないと腹を括った。
「気に入ってもらえよ」
あー、もうダメだこれ拒否権などないわ。と諦めて客室へと向かう。
「君が利羽くん?」
もうこれは、態度を悪くして諦めてもらうしかない。
「はい」
と不貞腐れて言うと、彼女は嬉しそうに
「気に入った!君はこれから龍と名乗れ!そして邪神だ」
逆効果でした。そりゃそうだ相手は邪神だ。なんせ悪い神なのだ、当たり前だ。そりゃ悪い態度してたらこんな反応になるわ。俺は思わず「へ?」という言葉を漏らしてしまった。
「というわけで強引に連れてきた」
と、とても嬉しそうに話す雨樹と言う最上級神1級のこの女は。
外道なのかもしれない
なので、仲間も結構あくどい顔してそうだなーと思っていた。中に入ると俺と同じくらいの子供ばかりで、雨樹を院長と呼ぶ子もいれば。雨樹さんと呼ぶ子もいた。その中の一人が「あははぁ」と笑う…こいつはアホだなと錯覚したが。
「強引すぎね?」
と、俺を気遣ってくれる男もいた。でもこのアホの男と。この気遣ってくれる男は、どこか似ている…兄弟か?