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正面に居る彼は、何事も無かった様にソファに座り、スマホをやっていた。
(ど、どうして…?)あんたさっき私に別れ話しを切り出し、私は動揺しつつも、彼は捨てゼリフを吐いたから出ていくと思った。
呆気に取られて見ていると、何となく彼の様子が変だ。
このマンションには、彼の双子の夫婦が住んでいる。来たのは、私の彼では無く、兄のほうだ。きっとそうだ… 普通双子の性格や趣味は良くにていると言われる。一卵性ならなおさらだ。
しかし私の彼と兄の性格は違う。兄は弟のフリをしてここへ来た。弟が彼女である私に別れ話をし難いからここへ来たんだ。思い切って私は言った。「あなた、お兄さんでしょう!彼に頼まれて話しに来たの?卑怯よ!」「何言ってるんだよ!オレはオレだ。兄貴じゃ無い。」「じゃお兄さん連れてきてよ!」「わかったよ。面倒クセえオンナだ!」彼は吐き捨て、部屋から出て行き、直ぐ戻って来た。兄を連れて。ここまでやられるとグウの音もでなかった。2人は結託しているのだ。
「あたしのどこが気に要らないの?愛情が無いなんて言葉で今更言わないでよ!」
「うるせえな!人のことダマシやがって、テメエがオトコだったって事は証拠が上がってんだ。サッサと出ていけよ!オレは今迄オトコに貢いでたんだ!」「何ですって⁉人の事ばっかり言って…あんただってオトコのクセに兄弟で整形ばっかりやったくせに。まるで女騙すのが共通の趣味みたいね!」「女なんかダマシてねえ、おメエはオトコだった!異議があるんなら警察でも裁判でもやれ!」
醜い論戦の上、彼女は裁判に持ち込んだ。控訴され、再審に次ぐ再審で有る。双方の弁護士も嫌気が指してきた。申述書の作製も、最近ではどっちがどっちより美しいかに焦点を当てており、裁判官からも嫌な顔をされている。
終わることの無い訴訟裁判は続いている…
(この物語はフィクションです。)