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???「はくと!早く来て!」
はくと「あぁっ、ちょっとまってよぉ…!!!」
桜の花びらが散る季節。
僕は高校1年生になった。
今の僕は昔と変わって、違う。
惨めで、気持ち悪い僕じゃなくて
華麗でみんなの役に立てる、そんな僕。
これできっと、みんな僕を求めるよね。
うん、きっとそう。
「はーくと!」
後ろから元気でハキハキした声が聞こえた。
はくと「あ、みき!」
みきは入学式早々にできた友達だ。
しっかりしているが、どこか抜けている。
みき「あんさ、体育祭のことだけどよぉ?」
はくと「あー、体育祭もう少ししたらあるもん
ね。それがどうしたの? 」
体育祭を入学後すぐにするのは少しおかしいと思いつつも疑問を口にした。
みき「いや、競技何にしよっかなってさ!」
はくと「…そっか。みきは体育祭実行委員か。」
みき「そうなんだよ!結構大変な仕事に立候補 してしまったんだ!」
はくと「それはお疲れ様としか言いようがない ねぇ…あ!そうだ、僕も手伝うよ。」
困っている人を放っておけないのが僕だ。
みき「え!まじ?サンキューな!
後で詳しく書かれてる紙渡すよ!」
そう言ってみきは嬉しそうに走って去っていった。
でも僕はその紙が今すぐ欲しい。
なぜなら、僕は命令が欲しいから。
僕は人の為に尽くすのが生きがいなんだ!
<昼休み>
はくと「みーきー、紙ちょーだい?」
みき「今先生に印刷してもらってるんだ!
さっき渡そうとしたけど紙なくてさ。」
はくと「そっかー、じゃ、待ってます。
ところで、競技は決まったの?」
みき「3個ぐらい考えないといけなくて…
今のところ、借り物競走が出てんだ。」
はくと「借り物競走か……」
あまり体育祭の競走系にいい思い出はないのだが……
まぁ、頑張って考えたものだし、僕も頑張るか。
みき「あ、あの人…!」
みきが指を指す。
僕はその方向に視線を向ける。
短髪で、眼鏡をかけた高身長の男子を指さしていた。
僕はドキッとした。
みき「あれ、はくとの幼なじみだよな!?」
そうだ、みきの言う通り
あの男子は僕の幼なじみだ。
僕は長く会っていなく、気まずい。
だから少し隠れた。
『なんで1年生の校舎にいるんだ??』
幼なじみは1個歳が僕より上だから
先輩になる。
他学年は他学年の校舎に来てはいけないのだ。
みき「…んあ?なんかこっち来てね?」
はくと「?!」
心臓がバクバクする。
名前は…峰 怜斗だ。
峰 怜斗なんか久しぶりに聞いた。
どうしよう、怜斗がこっちに来ている。
僕は教卓の横らへんに隠れた。
怜斗「失礼します。みきさんはいますか?」
みき「あ、はーい!います!」
怜斗「体育祭について伺いたいのですが……」
怜斗も体育祭実行委員なのか?意外だなぁ…
みきは憧れてるらしいが…
「はい、はい……」
みき「ありがとうございました!
分かりやすかったです!!」
怜斗「はい。じゃ、また分からないことがあっ たら聞いてくださいね。」
みき「はい!!お願いします!!」
怜斗は満足そうに笑い、自分の校舎へと戻って行った。
僕は廊下側の窓から少し身を乗り出し、
怜斗の背中を見つめた。
懐かしい感じがしてジーンとなった。
でももうあの頃には戻れない。
関係は戻りたいけどそんなこと言ったって
怜斗は冷たい目で僕を見るだけだ。
どうせそうに決まっている。
僕の人生は今、計画を立てていい方向に向かっている。
その計画を崩さないように慎重に生きる。
それだけ。