ルカ「シャルの猫耳可愛い!」
シャル「くそ…なんでこんなことに」
ルカ「イカ耳になった!」
シャル「さっきからうるせぇ!」
ルカ「やっぱシャルは黒猫さんなんだね」
シャル「お前は犬だろ!」
フシャーっ、と毛を逆立てながらルカに威嚇するが、全く効いていないようでデレデレしている。
ルカ「…怒ってるけど、尻尾は素直だね」
シャル「は?…うあああああ!!!!!」
素直な尻尾はルカの腕に巻き付き離そうとはしなかった。
シャル「もう嫌だああ!なんでこんなことに…」
遡ること数日前
____________
シャル「…獣人仮面舞踏会に来い?」
ロイ「お願いシャルロット!」
シャル「嫌ですよ、ルイス様に誘われたのでしょう?」
ロイ「うう、そんなんだけど」
ルイス「ロイ、もし良ければ私とこれに行かないか?」
ロイ「獣人、仮面舞踏会?」
ルイス「ああ、」
獣人仮面舞踏会
獣人化が出来る薬を飲み、仮面をし、舞踏会に行く、そこで運命の人に出会ったりパートナーと仲を深めたりする。
シャル「…それで許可をしてしまったと?」
ロイ「う、うん、それで、マナーに詳しいシャルロットに来て欲しくて」
ロイ「もちろんルカ君も一緒に!魔法薬は用意してくれるみたいだから」
ルカ「いいんじゃない?シャル」
シャル「ルカ…でも」
ルカ「お願いシャル」
きゅるん、といつも見上げていた顔が下にあり、上目遣いにキュンと来てしまった、決してキュンときたから許可する訳では無い
シャル「…分かりました」
ロイ「ありがとう!ルイスには迎えに行くように伝えとくね」
シャル「え、ちょ、迎えはいらなっ」
ルカ「行っちゃった」
ルカ「シャルの獣人化楽しみだな〜」
シャル「お、お前!それが目的だろ!」
ルカ「当たり前じゃん」
シャル「嵌められた…」
_____________
馬車の中
(き、気まずい、正面に不機嫌なルイスと困り果てているロイ、横にルンルンのルカ、どうすればいいんだ!
ルイス「…そろそろ着く、魔法薬を飲んだほうがいいよ」
ロイ「分かった!」
シャル「あの…やっぱり俺帰っぶほっ」
ルカ「はーいダメ!飲んで飲んで」
シャル「!?」
帰る、と言おうとした所を魔法薬の瓶を突っ込まれて防がれた。
シャル「んくっ、ぷはっ」
シャル「お前、、お前マジで!!」
ルカ「うーん、味はそこまで無いんだね」
(このやろ、力じゃ敵わない!
ロイ「しゃ、シャルロット大丈夫?」
シャル「…はい、ロイお兄様、大丈夫です」
どすっ
ロイ「そ、そう?なら良かった」
どすっ
ルカ「シャル、痛いw」
どすっ
シャル「どうせ痛くないだろ」
どすっ
ルカ「まぁ、そうなんだけどさ」
ぼふんっ、とシャルロットが突然煙に包まれた。
ルイス「シャルはどうやら魔法薬の回りが早いみたいだね」
煙の中から見えたのは、ゆらゆらと揺れる黒く長い尻尾と頭に着いている黒い耳
ルカ「か、かわいー!!!」
シャル「うにゃああ!!!」
(なんだこれは!!!!
____________
現在に至る
(つ、疲れた、ルカが散々撫で回すから髪がボサボサだ…
ルカ「はいシャル、これ仮面」
シャル「ありがとう」
ルカ「俺、ここで何があるか分からないんだけど、大丈夫?」
シャル「ルイス様とロイお兄様で対処出来るから大丈夫」
ルカ「なら良かった」
シャル「…撫でるな」
ルカ「シャルの尻尾サラサラだね、やっぱ高級猫?」
シャル「なんだそ、」
ゴロゴロゴロ
シャル「…」
ルカ「…」
ゴロゴロ
ルカ「!」
シャル「その露骨に嬉しそうな顔やめろ!」
ルカ「気持ちよかったか、そうかぁ」
シャル「うるさい!早く行くぞ!」
ルカ「ああ、待ってシャル置いて行かないで~」
_____________
舞踏会にて
「そこの綺麗なお兄さん、良ければ僕と」
ルカ「俺のパートナーなのでお断りします。」
「黒い猫さん良ければ私と」
ルカ「お・れ・の、パートナーなので!」
「綺麗な黒の毛並みをした人、」
ルカ「却下!」
ルカ「モテすぎだろシャル!」
シャル「そんな事言われても…」
ルカ「ちょっと目を離した隙にすぐ誘われてる!」
ぐるるるるる、とルカは唸りながらシャルロットの肩に肩を擦り付けた。
シャル「髪の毛くすぐったい… 」
ルカ「獣人化したシャルが見たかっただけで、ナンパされてるシャルが見たかった訳じゃな~い!」
シャル「はいはい、そろそろロイお兄様達が踊る番だぞ」
ルカ「ロイ様踊れないって言ってたのに踊れてるね」
そりゃあそうだ、シャルロットが一晩中踊りに付き合ったのだから踊れてなくちゃ困る
シャル「一晩中付き合わされたからな…」
ルカ「次は俺達も踊ろうね?」
シャル「…はっ!?」
ルカ「ほら、いくよ」
シャル「まてっ、踊るなんて言ってな」
ルカ「シャル、踊れないはずないでしょ?」
シャル「そうだけどっ」
ルカ「ならほら、踊ってない俺達だけが目立ってるよ」
シャル「分かった、わかったよ」
(…上手い、支える力もちょうど良くてテンポもいい
(って、全員俺達を見てるじゃん!なんでだ!
ルカ「シャル」
曲が止まり、全員の視線がまだ集まっている時。ルカに名前を呼ばれ顔を向けた。
シャル「…は」
ルカの顔が近づいて、仮面がぶつかりシャルロットの仮面が落ちた、目元はルカの前髪で隠され、キスをされた。
ルカ「これで、他の人は近づいて来ないよ」
シャル「は…え…」
咄嗟に離れ、シャルロットは顔を赤らめながら口を抑えた。
ルカ「ほら行くよ」
周りが叫んでいる中、ルカはシャルロットの腕を引き会場のベランダに飛び出した。
シャル「おま、な、は」
ルカ「まだ混乱してるの?」
シャル「だって、お前が、人前で」
ルカ「これでナンパは来なくなったよ。」
ぶんぶん、と尻尾を振りながらシャルロットの手を取りルカの頬へ持って行き、笑った。
シャル「っ…」
シャル「もう、分かったよ!」
頬に持っていかれた手をルカの頭に持っていき、わしゃわしゃと雑に撫でてやった。
が、すごい嬉しそうに尻尾を振り、抱きしめてきた。
ルカ「大好き、シャル」
シャル「なんだよ、突然」
ルカ「絶対離さないから、大好き、離れないでね」
・
・
・
ここでシャルロット__御宮 碧完全に忘れていたことを思い出した。
ルカ__ルーカル・ファスト、小説ではロイとルイスのルートであるが、番外編としてミル、ロイド、ルーカルのルートが存在する。
そのルーカルは、ヤンデレルートなのだ。
シャル「あば、あばばば」
ルカ「ん?どうしたのシャル」
そして、そのヤンデレルートは今の発言、そして獣人仮面舞踏会のベランダで確定になる。
ルカ「シャルが俺から離れなければ、ふふ、大丈夫だから」
シャル「にゃ、にゃにが大丈夫なのぉ… 」
ルカ「ん?ふふ、気にしなくていいよ」
シャル「こ、こわぃ」
きゃあああああああ!!!
シャル「っ!」
ルカ「シャル、今の」
シャル「本編が始まったんだ、行こう!」
ルカ「うん」
_______________
シャルロット・ウィル・メルーデル(獣人仮面舞踏会)
_______________
15話 エンド 12⁄5
ルカのヤンデレはルカの元から逃げさえしなければ監禁ルートに入ることはありません。シャルロットが死ぬほどの怪我をしたら入るかもしれません。頑張れシャルロット。
追加
ちなみにシャルロットはルカのことを犬、と言ってましたが狼なのでイヌ科の男達は全員近づけませんでした
コメント
1件
お名前とか、とてもセンスがいいですね!幻さんのお話を読むのが毎日の楽しみになっています。続きを楽しみにしています。 ( *´﹀`* )♡*゜