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第3話 オンボロ寮

豪華なカーペットがひかれた上を学園長と一緒に歩く

しかしそれはずっと続くわけもなく、着いた寮は想像を絶するほど古かった


……あれ、学園長?ちょっとって言ってなかったっけ


「…まぁ、掃除さえすればここで一晩くらいは過ごせんでしょう」


この酷い状況を何も見ていないとでも言うように学園長は言った(おい)


泊めてくれるのは有難いんだけどね??

そりゃあもちろん感謝してるよ


「さて、私は貴方の世界のことを図書室で探してきます。」


くるっと踵を返して玄関へと向かう学園長


それを見てギョッとした私は学園長の腕に抱きつく

するとそれに驚いたのか目を見開いてこちらに視線が向く


「あの、暗いところちょっと苦手で…せめて掃除用具でも一緒に探してくれませんか……?」


学園長を見上げるようにして前髪の隙間から目を覗かせる

必殺!!上目遣い!!!

これをやるとどんな男性や女性に限らずにしょうがないなぁ、と笑って許してくれるのだ


すると学園長は仮面の中に光る目を見開いた

そして咳払いをしてこう言った


「そ、そうでしたね。なんたって貴方はか弱い女子高生。貴方は私の雛鳥みたいなものです」


なんて意味不明なこと言ったあと、学園長は魔法を駆使して部屋の掃除に取り掛かる

先程まで埃まみれだった照明は綺麗に光を放つようになり、座ることも出来なさそうなソファは新品級に。剥がれかけていた壁紙も、雨漏りしていた天井も、全てが新築級になっていく


なぁんだ学園長魔法でこんなに綺麗にできるんなら最初から言っとけばよかった


「ヒヒヒッ…ここにお客さんが来るのは何時ぶりだろうねぇ〜」


ふと、声がした。

辺りを見渡すがそれらしき姿はない

少なくとも学園長の声ではないだろう

(いやむしろ学園長が出してたら怖いか)



周りには学園長以外誰も居ないことを確認してから前を向くといきなり顔が出てきた

「うわっ!なに!?」

すると2人、3人と顔はあるが足はなく、体は透けて見える人が次々と出てきた。

人……とも言えなさそうだが…つまり幽霊という訳だ。

こちらが驚いた事を楽しんでいるのか、お腹を抱えて肩を震わせ、楽しそうな笑い声が口から漏れ出ている


「そうでした。忘れていました」


すると学園長は思い出した、とでも言うように手を打った


「ここはイタズラ好きのゴースト達が住み着いていて生徒が怖がって人が居なくなっていたのでした」


「わ、凄い。この世界って霊感無くても幽霊って見えるんだ!!!」


「え?」


困惑する学園長に対して私は現れた幽霊さんの周りをぐるっと回る


「透けてる!!凄い!!!」


満面の笑みで言うと、ゴーストと呼ばれた人たちは困惑した表情を浮かべた


「あ、じろじろ見ちゃってすみません。私幽霊初めて会って……つい…!

一晩、ここにお世話になります。如月瑠奈と言います!」


ぺこりと一礼をするとまたもやゴースト達は困惑した表情を浮かべた

お手をどうぞ、かんとくせー

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