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わ ほ ー 。
#キャラ崩壊注意
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ああ、第37話、読み終わりました!三人で手を繋ぐシーン、本当に温かくてほっこりしました。特に「僕はシュメバルより、シュメリとバルトと一緒が好き」ってリンネの気持ちがストレートに出ていて、こっちまで嬉しくなっちゃいました。 最後の蛇の罠にはびっくり!あんな空間からいきなり襲われるなんて…続きが気になります。クロノアってどんな人なんだろう。
僕はシュメリとバルトに連れられて、王立魔術師団に来ていた。
魔術師団の建物は、騎士団と対を成すように隣にある。
(ということは、お隣の建物がシュメリの職場だ)
魔術師団と同じくらい大きな建物で、端が見えない。
シュメリは王立騎士団の団長、一番偉い人だ。
こんな大きな場所の一番偉い人だなんて、凄い。
「リンネ、行くよ」
シュメリが繋いだ手を引いた。
「あ、うん」
僕は小走りにシュメリと手を繋いで歩いた。
「バルトは手を繋がないのかい?」
僕の隣を歩くバルトに、シュメリが問う。
「両方で手を繋いだら、リンネが歩きづらいだろ」
バルトが微妙に顔を逸らした。
「市で買い物した時は、三人で手を繋いだのにね」
「そうだね」
あの時は、自然と三人で手を繋いでいた。
「リンネだってもう大人なんだから、いつまでも手を繋いで歩くのも」
バルトがゴニョゴニョ言っている。
「そっか、僕はもう大人なんだ。じゃぁ、シュメリとも繋がないほうがいいのかな」
離そうとした手を、シュメリが握り直した。
「私とはいつまでだって繋いでいいんだよ」
「そうなの? 伴侶になるから?」
「ごほっ」
バルトが突然、むせた。
「まさか、リンネ。シュメリに何かされたんじゃないだろうな。昨晩とか」
「昨日は、猫の姿で一緒に寝たよ」
「そうか」
バルトがあからさまに、ほっとしている。
何か、心配事があったんだろうか。
「いいか、リンネ。伴侶はまだ早い。口に出すな」
「うん、わかった」
バルトに注意された。
僕は素直に頷いた。
「余計なことを言ってくれるね、バルト」
「大事なことだ」
「リンネはバルトの言葉に素直に従うんだから、言葉に気を付けてもらわないと」
「必要な注意しかしてない」
僕は言い合うシュメリとバルトを眺めた。
シュメリとバルトは、今日も仲良しだ。
(僕も仲良し。三人で、仲良し)
僕は今でも『聖騎士と暗殺者』の小説が好きだけど。
今はシュメバルより、シュメリとバルトと一緒が好きだ。
(本の内容と違う展開になったけど、この世界が好きだ)
だから、こんな二人を見ていると、微笑ましく思ったりする。
「リンネ、どうしてニヤニヤしているの?」
シュメリが不思議そうに僕を覗き込んだ。
「僕、ニヤニヤしてる?」
「してる。楽しいことがあったか?」
バルトまで、変な顔をしている。
「二人が仲良しだと、嬉しいなって。僕も仲良しでいたいなって思ったんだ」
僕はバルトの手を握った。
やっぱり、三人で手を繋ぐのが良い。
「仕方ねぇな。いつまでたっても大人になれねぇぞ」
額をバルトに小突かれた。
いいもん、子供のままで。
皆で仲良しなら、それでいいもん。
「相変わらず仲良しですね」
大きな門から、ムスクが出てきた。
僕らを眺めて、笑っている。
「おや、出迎えさせてしまったね。すまない」
「いえ、ちょうど良かったです。今日は会わせたい人がいましたので」
ムスクが僕たちを建物の中へ促した。
そのまま、長い廊下を歩く。
「ムスク団長が見てくれるんじゃないのか?」
「今のリンネの状態は、シュメリに手紙で聞きました。私より適任がいますので」
ムスクが後ろを振り返った。
「バルトは、まだ会ったことがないですね。副団長のクロノアです」
「やっぱり、あの変態が適任になるか」
シュメリの何気ない呟きが、怖い。
「変態……?」
バルトが不安そうな疑問を零した。
「変り者ですが、仕事のできる人ですよ。御心配なく」
「はぁ……」
「バルトは立場上、副団長相手に何も言えないだろうからね。僕が大いに意見しよう」
シュメリの言い方が気になる。
何やら、いわくありげな人らしい。
「同席させてあげたいのは、山々なのですけどね。バルトは私と、魔力調査です」
「今日はそんな予定、なかっただろ」
「今日は変則新月です。この機を逃すと、次がいつになるかわかりません」
ムスクが気の毒そうにしている。
変則新月は確か、お月様が急に姿を隠す日だ。
その日にならないとわからない。
「新月の日にどれだけ魔力を使えるかは、魔術師にとって大切な指標だからね。行っておいで、バルト」
シュメリがバルトをあっさり送り出した。
バルトがとても悔しそうにしている。
「月は魔力を増幅してくれるのです。新月の夜、魔術師は力が落ちます。どの程度落ちるかを知っておくのは、大事なのですよ」
ムスクが僕に説明してくれた。
「バルトは魔種持ちですから、そう弱りはしないでしょうけどね」
「そうなんですか?」
「魔種や魔花を持つ者は、強い魔力を有します。月の満ち欠けに左右されない術者は貴重なのです」
「そうなんですね」
「リンネも同じように貴重な術者ですよ」
「はぁ」
そう言われても、あまり実感が湧かない。
シュメリが後ろから僕を抱きしめた。
「どさくさに紛れて勧誘はやめてほしいね」
「ただの説明ですよ」
ムスクが苦笑する。
長い廊下の行き止まりで、足を止めた。
「ここがクロノアの部屋です。シュメリとリンネの二人で、行ってきてください」
「ここまで来たなら、俺も。副団長殿に挨拶を」
「それは後日にしましょうね」
ムスクがバルトの腕を引いた。
「では、後程」
ニコリと笑んで、ムスクがバルトを引っ張っていった。
「リンネ、頑張れ!」
曲がり角を曲がったバルトの声が、飛んできた。
ここまで、真っ直ぐな廊下だった。
あんな曲がり角、さっきまでなかったのに。
(からくり屋敷みたいだ)
もわり、と濃い魔力が流れてきた。
僕は扉に目を向けた。
「クロノアのおもてなしだ。さて、何が飛び出すかな」
シュメリが腰の剣に手を添える。
僕はシュメリの後ろに身を顰めた。
『これは、これは。面白い客人だ』
知らない声が聞こえた。
きょろきょろしていたら、いつの間にか何かが体に巻き付いていた。
「これ、なに? 蛇?」
「リンネ!」
蛇が巻き付いた僕の体が宙に浮く。
僕は慌ててシュメリに手を伸ばした。
「シュメリ!」
僕の腕を伝って、シュメリの腕にも蛇が巻き付いた。
「くっ……」
剣を封じられ、二人の体が浮き上がった。
「うわ!」
扉が口のように開く。
僕たちは扉に食べられた。