テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「ねえクク、行かなきゃ行けないところってどこ?」
『もうすぐ着くところだ。』
「ふーん、、」
人間の密集しているところを抜けると、一気に寒くなった気がした。
「ここ、どこ?」
『病院ってとこ。』
「病院?何するところ?」
『可哀想な人間を正常に治してやるところだよ。』
「えー、、、そんな。人間は悪魔なのに壊れるの?」
『まあな。お前だって人のこと言える立場じゃないぞ?リリスなんだからな。』
「あ、、そうだった。」
その中に入ると、沢山の人間がいた。シワシワ、クルクル、テクテク、、、とても色んな種類がいた。
『おい、ぼーっとしてんなよ。3階に行くぞ。』
「え?あ、うん!」
進んでいくと、私の読めない字が沢山あった。
ククが入ったところは、、、えーと、米、青?神、、、あ!
「悪魔の反対の字が入ってる!」
『精神科だよ。騒ぐな。』
ククが入るのを躊躇っている。
「どうしたの?」
『いや、ちょっと急に緊張して。』
「大丈夫?」
『ああ、、、リリスに見せたいものがあってね。』
「そっか。じゃあ私が入るよ。」
『え、、、』
「私が見る。見るべきものは!」
私は楽しかった。とても楽しかったんだ。この時は。
『あ、まて!まだ!、、、』
部屋に入ると、白いベッドがひとつ置いてあって、小さい机と椅子もあった。
「、、、誰?」
目を凝らして見てみる。
「あ、、、、モモ?」
『、、、、、、リリス。まだ聞いてくれるか?』
モモは死んだはず。モモは私と抱き合った時に死んだはず。、、、死んだはず。
大体、あの施設にいた人は、10日しか生きられない、、、そう規則に書いてあった。私とククが一緒に過ごして5日。ククは施設のことを知ってた。施設のピンク色のドアのことは分からなかったみたいだけど。前に私と話してた時、こう言っていた。
(あのクソみたいな規則にずっと従ってたのか?頭沸いてんじゃねえのか?)
そう。規則、、、規則を知っていた。規則では、あそこの施設の子は少なくとも7日経たないと新しい子を作れない。そう決まってた。でもそれは規則以前に、そういう風にしか出来ないようになってた。モモが生まれて7日経って、それで私を作って、今日で8日たった。私は8日目、、、施設の子は必ずその時その時で1人か2人しか居ない、、、。え、じゃあククは?少なくともモモの前に生まれたとして、1,2,3,4、、、22。
ククは今日で22日生きている、、、、、
ブツブツ考えながら私は震えた。ククは私に話しかけずに、モモの手を握っていた。
「クク!!!!!」
『、、、どうした?』
「騙したのはどっちよ!!!」
今度は私が泣いてしまった。
『まあ落ち着けよ。これが終わったら静かに過ごせるからさ。』
「なんてこと言うのよ!!モモのこと黙っておいて!!」
『待ってくれないか。』
「モモが居ないって聞いた時、ククは泣いてた!!!でもモモは今ここにいる!!騙した!!芝居してたの?!」
『騙してなんか無い!!!お前に本当の事を見せてやってるだけだ!!!私は感謝されるべきなんだよ!!!私が居なけりゃお前は一生夢の中だった!!!分かってんのか?!』
ククが大声を出すので驚いた。ククが話終えると私たちは静かになった。今聞こえるのは2人の吐息とモモの寝息だけだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!