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好きなフリ?

1 - 好きなフリ?

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2025年05月09日

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prat



pr視点



雨が降る放課後。校舎裏にあっとが立っていた。制服の袖を濡らしながら。

足音が近づき、やがて傘を差した俺が姿を見せた。

pr …待たせたな、あっと

at ぷりっつ先輩、遅いです

あっとの声には、いつも通りのぶっきらぼうな響きがあった。でもその目は、どこか切なげだった。

at 今日で終わりにしたいことがあって、呼び出しました

pr 終わり…?

俺の声に動揺が混じる。あっとは少しだけ黙った。濡れた制服の胸元をぎゅっと握る。

at 俺、先輩の“好きなフリ”に付き合うの、そろそろ限界なんです

pr ……

at いつも優しいのに、距離を詰めたら、すっと離れる。LINEも既読スルーするくせに、会ったら笑いかけてくる

あっとは顔を上げた。目が真っ直ぐ、俺に向いていた。

at 俺のこと、好きなんですか。好きなフリですか

俺は返事をしない。ただ、傘の向きを変えて、あっとに向ける。そして、ぽつりと。

pr ……好きに決まっとるやろ

あっとの目が見開かれる。

pr でも、怖かってん。お前が本気で返してくれるんか、自信なかった

at じゃあ――

pr けど今は違う。あっと、俺のこと、どう思っとる?

一瞬の沈黙。そして、あっとはほんの少し頬を赤らめて、小さく笑った。

at 先輩のそういうとこ、ずるいです。俺も……ずっと、好きでした

傘の中、ふたりの距離がゆっくりと縮まり、雨音がかき消されていく。

初めて触れた指先に、お互いの体温が宿った。

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