1章:旅の始まり…
3話:知りたい真実。
朝日秀蘭
→痛覚 創造を具現化する能力
導奇秋
→視覚 生死を導く能力
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「お邪魔します…。」
家…といっても、空き家を勝手に使ったような様子だった。ただ、奥には書物が多く、研究でもしているのか?と思うほどだった。
「まず感生の子についてだね」
そういうとシュウは分かりやすく教えてくれた。
「感生の子は五感が一つずつない子のことを差すんだ。」
「え?でもそれなら他にも…」
「そう。秀蘭の思ってるとおり、目や耳が不自由な人は街にも沢山いる。ただ、僕たち忌子が一番恐れられているものがあるよね?」
「能力…!」
「うん、それ。魔法と違ってコントロールせずに使えてしまう能力が感生の子と言える最大の理由なんだ。」
「ま、ほう…?」
何それ…?
「ん?知らないの?」
「あまり外に出たことないから…」
「じゃあそれも教えてあげるね!魔法は使う人の体質に合わせた科学的要素の結晶を魔力として放出するんだ。完全にコントロールできるようになると使用者としてアクセサリーを着けるor持ち歩くという義務があるよ」
あくせさりー…
「僕は風域魔法使いとしてエメラルドのブローチを持ってるよ!」
そういうと彼はカバンに付いている緑色の宝石を見せてくれた。
「つまり…コントロールできない特殊な力が能力。コントロールできて、その…キラキラしてるのを持ってるのが魔法ね。」
「そーいうこと!」
その後も魔法の仕組みや今見つかっている種類を教えてくれた。…でもまだ分からないことがある。
「伝説…ってなんなの?」
「書物で小さい頃読んだんだ。”五感一人に集めし時、無感情神ファイルナ現る。”って。」
なにそれ…、情報が少なすぎる。
「ファイルナってなんなの?神…?」
「分からない。信じる者が少なくて詳しいことはなにも分かってないんだ。…あ、でも確か」
そう言うと彼は山のような本から一冊の本を取り出してきた。
「これこれ!約五六〇〇年前、初代と呼ばれる感生の子がファイルナを呼び出したんだ。その時の姿は”女のようで※チェイルのような服で片手に長剣を持っていた“だって」
※チェイル…中央アジアモチーフの国。
「チェイル…ってこの街から六十キロ離れた大都会だよね?」
「そう、だからこの近くを中心に、色々探索していたんだ。そしたら秀蘭のことを知ったんだ。願いを叶える少女がいるって」
…私のことが色んなところで…。
…っというか、なんで伝説を…?何を知りたいんだろ?なんで真実を知りたいんだろ、?
「秀蘭? 難しい顔してるけど…?」
「あ、ごめんなさい。ただ、シュウはどうしてファイルナを探しているのかなって。」
「…。えへへ。ただ、単純に本当かどうか知りたいんだ。そして見てみたいんだ。」
「…なぜ?」
「…ぁ、。…。さっきさ、書物で小さい頃に読んだって言ったじゃん。実は憧れからできた始めたの夢なんだ。でも、そんなのウソだからやめろって…家族にね。」
シュウの口調が変わる…
「見たいんだ。ファイルナを見て本当だ!って教えてやるんだ。バカにしたあいつらに」
彼の目からは殺気が感じられた。でも…
ぎゅっ…
「秀蘭…⁉︎」
「シュウ、我慢しないで?…会ったばかりの私が言えることじゃないけど…」
シュウが流している水はきっと、これまで我慢してきた証だろうから。
「……。…」
…間が空く。でもシュウは、
一番、感情のこもった声だった。
「…。よし切り替え!ねぇ秀蘭!チェイルに行こうと思ってたんだけど、一緒に行こうよ!」
「…いいよ。」
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