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#不定期
れな ♪
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柚華-유화@受験生低浮上
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「…此処に居るのは嫌?」
後輩は抱き締めながら上目遣いで見てくる主を見て、心に矢が刺さったような感覚におそわれ胸が高鳴った。
(どうしよ…可愛い過ぎる…)
後輩は主を抱き締め返し、まだ此処に居ると言うと主の顔は明るさを取り戻した。その日は皆でお酒でも飲もうという事になりワインやジュース等を飲み交わす事になった。
†††
主はフルーレとラトにはブドウジュース、ミヤジとアモンとボスキにはワインを渡した。後輩と自身にはウィスキーにした。
「◯◯さんってお酒強いんですか?」
「そうなのかな?…お父さんがお酒強かったから遺伝なのかもしれない。」
後輩の質問に主は少しだけ顔を曇らせたが、すぐに明るさを取り戻しおつまみをミヤジと一緒に作ったりした。
ボスキとアモンは後輩の近くに座り、2人は後輩に詰め寄った。
「◯◯の事泣かせたら容赦しねぇぞ。」
「そうっすよ!もう…!ボスキさん、コイツの名前なんでしたっけ?」
後輩はあれだけ一緒に居たのに名前すら覚えてもらっていないという事に若干呆れながらもこの人達らしいなとも思った。
「…ハァ、結城です。結城瑞希です。なんでこれだけ一緒に居て覚えてないんですか…。 」
呆れながら自己紹介すると、地下の執事達に自己紹介してなかった事を思い出しちゃんと挨拶し直した。
すると、意外な言葉を主が言葉にした。
「結城って苗字だったんだ…てっきり下の名前かと思ってた。」
「え!?◯◯さんは一緒に働いてるじゃないですか!?ネームにだってちゃんと名前書いてあるし…見た事なかったんですか?」
後輩は今まで以上に驚きが隠せなかった。
「…ごめんね?」
後輩はもう呆れを通り越して笑いが込み上げてきて、大きな声で笑ってしまっていた。それを見た主まで釣られて笑い出し、執事達もまた笑い出した。
ミヤジの美味しい料理とおつまみを肴に楽しい飲み会をした。
†††
「…主様はそうとう楽しかったんだね。可愛い寝顔で寝ているよ。フルーレ君、ラト君、主様の床の準備は出来るかな?」
ミヤジはそう言って、後輩の隣に座った。
「私達の主様がずいぶんお世話になったみたいだね。本当にありがとう。
…こういう言い方は良くなかったか。私は結城君の事も大切な仲間だと思っているよ。 これからよろしくね。」
ミヤジは後輩に握手を求めると、後輩も恐る恐る手を差し出しミヤジの握手を返した。お互い笑い合いながら仲間としての一歩を踏み出していった。
こうして、ミヤジが主を横抱きにして寝室に運びリビングのソファーで寝たりそこに布団を敷き執事達は雑魚寝をした。後輩はミヤジに言われた事を頭の中で反芻していた。
(仲間…か。今までそんな人居なかったな。こうやってお酒飲んで騒いで…こういうのって楽しいんだな。仲間って良いものなんだな…)
「…仲間…か。ふふ、嬉しいな。」
†††
「おはようございます、主様。」
フルーレはそう言ってカーテンを空けた。朝日が部屋に差し込んできて今日も暑そうな日だな、と思いフルーレは主のために着替えを出した。
主は寝ぼけながら起き上がって、フルーレに挨拶をした。そして寝ぼけながら着替えているのを見て、フルーレは着替えを手伝った。
「結城さんはもう起きて朝食の準備を手伝ってくれていますよ!…ミヤジ先生に言われた言葉が相当嬉しかったようですね。」
主はリビングに行くと、ミヤジとラトと後輩がキッチンに立っているのを見掛けた。そして、3人に”おはよう“と挨拶すると…
「おはよう【ございます】主様【◯◯さん】」
3人は揃って姿勢を正し丁寧に挨拶をした。ミヤジとラトが執事の挨拶をするのはいつもの事だったが、後輩までも同じように挨拶するとは思わなかった。
「結城君まで…ミヤジに教えてもらったの?」
後輩は少し照れながら頷いた。
「はいえ…っと、どこか変でしたか…?」
「ううん。そんな事ないよ!結城君が本当に執事みたいで驚いちゃったの。燕尾服まで着たら本当に執事にしか見えないよ! 」
ミヤジとラトと後輩が一緒に喜んで居てまるで執事達の戯れを見ているみたいだった。フルーレが主の隣に立ち、何故こうなったかを説明しだした。
「結城さん、今まで仲間とか友達とかあまり居なかったみたいで…昨日の夜にミヤジ先生に“仲間”だと言われた事がよっぽど嬉しかったみたいです。
まぁ…夜中にラトが結城さんから聞いた話なんですけどね。」
後輩が呟いた言葉をラトが聞いていて何故呟いたのかが気になり、聞いたらしい。主は流石、ラトは耳が良いなと思い朝から微笑ましい光景を見る事が出来た。
主と後輩は仕事に行き、地下の執事達とアモンとボスキは主の部屋の掃除や片付け等の家事をしながら帰りを待つ事になった。
†††
主と後輩が医局に入ると、いつもよりもざわついている様子だった。主が気になり近くの人に聞いてみると…
「…それが、匿名で診療部長にメールが届いてさ。その内容が四季君[主の同僚]のレイプ音声データだったみたいで…女の子の声はしっかり加工されてるんだけど四季君[主の同僚]の声は加工されてなくて…
今、事情聴取されてるみたい。後で女の子の方にも事情聴取するみたいだけど、それが誰かなのかは誰も知らないの。」
その話を聞いて主の鼓動は早くなった。すると、主の構内PHS〈病院内で使う通信機器〉が鳴った。
「はい。…はい、今向かいます。」
主がそう言うと急いで呼び出しされた場所へと向かって行った。主が扉をノックし、相手からの返事が来ると失礼しますと入って行った。
そこには同僚の姿もあり、主の鼓動は更に早くなった。必死に平静を装うのだが診療部長には様子がおかしい事はすぐに分かった。
「…その様子だとこの音声データの事は本当みたいだな。匿名で送られてきたんだが、知ってるなら答えて欲しい。
無理にとは言わないよ。答えられる範囲で構わないから教えて欲しい。…院内の内部告発である可能性は高いが、どうかな?」
主は、後輩の事をなかなか答えられずに居ると扉の方からノック音な聞こえ、診療部長のどうぞと言う言葉の後から聞き慣れた声が聞こえて来た。
「…結城君!どうしてここに…」
「内部告発したのは私です。…その音声データは、◯◯さんからのSOSの電話の通話記録を元にして作りました。
その事に関する処罰は私が受けます。だから◯◯さんには…何も処罰しないで欲しいんです。お願いします。」
後輩はそう言って、深々と頭を下げた。それを見た主は居ても立ってもいられず診療部長に進言した。
「あの、結城君は悪くないんです。私がこのような失態を犯したばかりに、結城君を巻き込んでしまったんです。
結城君は関係ないんです、もし結城君に処罰があるなら私にお願いします。」
「いえ、私が勝手にした事です。」
主も後輩も深々と頭を下げ、 お互い譲る気はなく平行線のままだったが、診療部長はそれを微笑ましく2人の様子を見ていた。
「君達には何も処罰はないから安心してくれて構わないよ。…君は良い部下を持ったんだな。大事にすると良い。
四季君[主の同僚]には…今日から1週間の謹慎処分を言い渡す。…その後、どうなるかはこちらで決めるから結果はまた後日追って連絡する。
話は以上だ。各自それぞれ持ち場につくようにしてくれ。」
3人は返事をした後、部屋から出た。
診療部長はパソコンを閉じ、主と後輩の将来を楽しみにしていた。
医局に戻る際─
主の同僚はずっと黙ったままで居たが怒りを抑え切れず後輩に詰め寄り、首根っこを掴んで来た。
「おい!何なんだよ!?俺になんか恨みでもあんのか?だいたいなんでお前ら連絡先知ってんだよ!…お前らできてんのか?」
後輩は落ち着いた顔で言い放った。
「貴方には関係ない事ですよね?…それよりもっと周りを見たらどうですか?」
主の同僚が我に返り、周りを見るとひそひそと話していた。慌てて後輩の首根っこを掴んでいた手を離し、主と後輩を残し医局まで急いで行った。
「…何から何まで本当にありがとう。結城君には感謝しても仕切れないよ。」
主は後輩に頭を下げると、後輩は慌てて主の頭を上げさせた。
「…あの時の恩返しが出来て良かったです。俺がどん底に居たあの時、俺の事を見付けてくれてありがとうございます。
俺が生きて、ここまで来られたのも全て◯◯さんのおかげですから気にしないで下さい。」
2人が医局に戻ると同僚の姿はなく、すぐに帰って行ったと周りは言っていた。
噂はすぐに広まり警察のお世話になるんじゃないか、前に給湯室でもされた子が居る、もっと居るんじゃないか、と院内でも大きな噂になっていた。
主と後輩はその日の仕事は難なく終わった。
主は少し浮かない顔をしながら、白衣をロッカーに掛け帰り支度をし挨拶をした時、後輩に声を掛けられた。
「あ、俺ももう白衣脱いだら帰れるんで駐車場まで一緒に行きませんか?」
「うん、良いよ。」
医局に居た人達は2人に挨拶をし、後輩が主に好意を持っているのを皆は知っていたので頑張ってアタックしているとしか思えなかったようだった。
主と後輩はしばらく無言だったが後輩から主に思い切って話し掛けた。
「…◯◯さんは何も悪くないんですよ?それなのにどうしてそんな浮かない顔をしているんですか?」
主は後輩の問いかけに、自身に呆れたような感じで話し始めた。
「私ね、誰かが傷付いたり、自分の周りの人が居なくなるのが怖いって思ってしまう癖があるの。どうしても自分を責めちゃうの。」
後輩はだから他の執事達とも関係を持ってしまうのかと思ったが、そのおかげで自身も繋がる事が出来たので何とも言えない気持ちになっていた。
「だったら俺が守りますよ。…守らせて下さい。俺は◯◯さんの事が好きなんですから。」
後輩は以前、ボスキと初めてあったあの日に言われた言葉を思い出していた。『◯◯を命を賭けて守るのが俺らの使命だからな。』
その言葉の意味が今なら分かる気がしたのだった。
丁度、車の前に着いた時─
「大好きです、◯◯さん。」
後輩はそう言って、主の前に跪き手の甲に優しくキスをしていた。それはアモンとボスキが以前していた事と同じ事をしていたのだった。
コメント
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ああ、このエピソード、すごく良かったです……。後輩くんが「仲間」という言葉にこんなに反応するんだって思って、胸がぎゅっとなりました。それに、最後の告白——執事たちと同じように跪いて手の甲にキスするシーン、あれは設定として「彼らと同じ世界に入った」証みたいで、じんわり来ましたね。診療部長が二人を微笑ましく見守るのも、良い大人の距離感だなと。みーさん、今回も繋がりのある世界観が素敵でした。