テラーノベル
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叩きつけられたピッケルは次第に岩を削り、落としていく。
隙間から漏れ出す光も次第に強くなり、正体が視認できるほどの穴が空く。
「…避けて!」
女の探検家が叫ぶと、3人は一斉に光からすこしはなれた場所まで走り、光が一瞬、視界を覆い尽くす。
すると、**ドンっ!!**と、岩に引っかかっていた遺物らしき物が、探検家達の足元に落ちる。
数秒の沈黙ののち
「なんじゃこりゃ〜!すげぇ〜!!」
呑気な探検家が目を輝かせ、重々しそうな遺物を、ゆっくりと持ち上げた。
それは、黒いキューブの集合体。
だがその中には謎の光があり、その光がさっきは岩の隙間から漏れ出していたのだ。
「…どうかな、重さは。」
デアモントが聞く。
呑気な探索者は
「ふつう〜に軽いっすよ〜?」メルリウスでも持てんじゃないすか?
「え、本当に…?」
メルリウスは一見動じていないように見えた、だが呑気な探検家には_目の奥が輝いて見えた。
メルリウスはそわそわしている。
「やるぜ?これ。」
呑気な探検家はそう言って、メルリウスに遺物を渡した。
メルリウスは、子供を抱っこするかのように優しくそれを受け取った。
隠しきれない興奮に蓋をしようとする。だがそれは出来ず_メルリウスの目は輝いた。
「…っ!すごい…!!」
抑えきれなかったようだ、まるで何十年ぶりに可愛い動物でも見たかのようである。
赤子でもあやすかのように、優しくキューブの遺物を上下に揺らした。
「えへ、えへへへ…」
メルリウスの様子を見て、呑気な探検家はにへらと笑う。
「あっはは!やっぱおもしれぇ〜。」
「あぁっ、勿論悪い意味じゃねぇよ!?」
呑気な探索者は、楽しそうなメルリウムを見てどこか優しく笑った。
そんな2人をよそに、デアモントは後方を警戒していた。
(…何が起こるかわかんねぇし、用心しねぇと)
後方を見た後は、前方_
一本道なのだから、こうするしかない。
人ひとり入れるほど小さな空洞はない。
ここで洞窟でも崩れたら、全員_
探検家は頬の汗を拭く。
「…行こう、それはしまっておけ。」
メルリウス達を流し目で見たデアモントが、前方へと歩を進める。
「…ここは…」
どこからかは分からないが、人工的ではない、少し暖かい光が火花のように舞っている、少し広くてじめったい空間に出た。
「…気持ちわりぃ〜。」
「…けど…なんかすげぇな…。」
ゆっくりと舞う光たちを見て、思わず3人は見惚れてしまった。
_呑気な探索者は、一瞬_どこか困ったように笑った。
___
2人は歩いていた。
「…メテヲさん…」
「どうしたの?」
「僕、迷惑かけてませんか?」
頻繁に聞かれる、この言葉。
だがメテヲはそれに何かを思うことなく、振り返って語りかける。
「何言ってんのさぁ、ユピテ 」
「ユピテは細かい所にも気がつける天才だよ?」
「ウジウジしちゃってるかもだけど、ユピテが天井のヒビに気が付かなかったらみんなタヒんでたし、一昨日探索した時にも、重力変化関係の遺物はユピテが気付いてくれたから見つけた、違う?」
「うぅ…」
「ずっと…否定されてばっかりだったから…つい聞いちゃって。」
そう言うと、!ユピテはじわりと汗をかく
「はは、あんまり気にしなくていいんだよ!少なくともここでは! 」
メテヲは向き直り、前方へ進む。
だが、ユピテは足を止めた。
「メテヲさん…ちょっと待ってください。」
メテヲはその言葉を聞くと、足を止める。
「んー?どうしたの?」
「…金属の匂いがします。」
「…血?」
メテヲの声は真剣になり、ユピテに聞く。
「…違います、きっと…」
ユピテは、ピッケルを取り出すと、ユピテの右側の岩にピッケルを叩きつけた。
「メテヲも加勢するよ!」
そう言って、メテヲもユピテと共に岩を掘り進んでいった。
_数百mほど掘り進んだのち、岩の奥底から、それは姿を表した。
「…なに、これ…?」
メテヲは、その姿を見て拍子抜けする。
それは、錆の入った金属の塊だ。
ユピテもしばらく考え込む、これはなんだ、と。
だが観察をすると、それは鉄でできた”卵”のように見えた。
ユピテは塊に近づき、ゆっくりとそれに耳を当ててみる。
「……空っぽじゃない。」
ユピテは気づく。
メテヲがそっと、微かに塊を揺らす。
ちゃぷん、ぷくぷく、こぽこぽ___
そんな音が、洞窟に響く。
なんの混じり気もない、綺麗な水音だ。
「…なにこれ…???」
2人はそう零してしまう。
数秒沈黙し、考えたのち
「…とりあえず、どこか別の場所に持っていこう?」
これは、高校生くらいなら余裕で入ってしまいそうなほど大きな卵形の何かだ、二人で持ち上げた方が懸命だろう。
「行くよ!ユピテ!」
「はいっ!!」
2人はゆっくりとそれを持ち上げた。
細道を前へ、慎重に移動する。
「曲がり道です!!」
「サンキューユピテ!曲がるよ〜!」
そうして、細道で金属を運び、広い場所に出る。
少し足元に水が溜まっている、じめったいけれど広く、地面の岩の隙間からは茶色の植物が少し生えた
そんな空間だ。
ちゃぷ、ちゃぷと、3つ分の水音が、広い空間に響く。
「…慎重にね!」
メテヲは改めてそう激励すると、一瞬その先の道を見ようと振り返る。
「ここ抜けたらまたちょっと狭くなるので、気をつけてください…!」
「ありがとう!それじゃユピテも気をつけて!」
メテヲはにっこりと笑って見せた。
「はいっ!」
それにユピテも、笑って返してみせた。