テラーノベル
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第1章:嫉妬の芽生え
天使として生まれ、神々に称えられる存在——本田菊。
「菊は本当に優秀だな」
その言葉は、彼にとって誇りであり、生きる支えだった。
どんな任務も確実にこなし、天界でもその働きは誰もが認めるところであった。
だが、双子の兄・椿が神々にさらに称賛される声が耳に入った瞬間、胸に黒い火が灯る。
「私より…椿の方が…」
嫉妬と悔しさが胸を締め付ける。誰よりも努力してきた自分の価値を、兄の笑顔が奪い去ったように思えた。
第2章:禁忌への接触
その夜、菊は星空の下で拳を握った。
「私が…椿より優秀だと、証明しなければ」
その思いに駆られ、菊は天使として触れてはいけない存在——悪魔の助力を求める決意をする。
闇の中に現れたのは、微笑む悪魔”アルフレッド”。
「実の兄を堕天させたいのか?HAHAHA!方法は教えてやろう。だが代償は覚悟しておけ」
甘美な誘惑が混ざったその声に、菊の理性は揺さぶられた。
第3章:葛藤と堕落
天界での日々も苦しみに満ちていた。
神々に褒められる椿を遠くから見るたび、胸が締め付けられる。
「私だって…私だって…!」
理性で抑えようとするが、嫉妬は日に日に増幅していく。
菊はアルフレッドとの接触を重ね、悪魔の力を学ぶ。
「これで…椿を…!」
しかし、力を得るごとに心の光は黒く染まり、羽の白さは徐々に翳っていった。
第4章:最後の儀式
最後の夜、空は暗黒に覆われ、星も月も沈む。
「これで…椿を…!」
力を振り絞った瞬間、身体を突き抜ける寒気、羽の色の変化、胸の奥の痛み——
気づけば、自らが堕天していた。
遠くで、アルフレッドの冷ややかな笑みが響く。
「HAHAHA!それが最初から狙いだったのさ!」
空を見上げると二つの羽——
白く輝く椿の羽、漆黒に染まった菊の羽。
天使だった男の魂は永遠の暗闇に沈み、悪魔の微笑みだけを背に抱いた。
菊の瞳にはまだわずかな光が残っていた。
だが、それもやがて闇に覆われ、彼の魂は完全に堕天の果てに沈んでいった。
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コメント
8件
神作を見つけてしまった、、🥲 菊さんが堕天使になるのも好きだし何より書き方が上手すぎる、
菊ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!