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第68話「今までのこと」
――結局、その後鞘佳の料理が運ばれてきてすぐ、楓は席を立った。
「……ごゆっくり」
「うん、ありがとう」
食べ終わった器をもった背中が遠ざかり、厨房に消えるのを確認して、鞘佳は料理を食べ始めるのだった。
（あ、また連絡先聞くの忘れた……）
と思いながらも、改めて自分の状況を思い返す鞘佳。
（でもまだ再会してそんなに経ってないし。まともに喋ったのだって、今日が初めてみたいなもんだし……なのにいきなり連絡先とか聞いたらさすがにちょっと引かれるよな……？ っていうか女からこういうこと聞くのはどうなんだろ）
悶々としていうちに、鞘佳の今後の方針が決まっていった。
（とりあえず、この時間なら話せる可能性があるっていうのはわかったけど――毎回この時間を狙ってきたらダメだ。それこそ、一緒に食べるの狙いだと思われるかもしれないし。あくまで、ここのごはんが気に入っ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
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