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〈なぁなぁ、如月ちゃん!俺のこと……好きやんな?〉
晶哉くんが、目をキラキラさせながら覗き込んでくる。
「好きだよ。」
〈ほ、ホンマ!?なら、キスしてや!!〉
「それは……ちょっと……」
その瞬間、晶哉くんの表情がしゅん、と萎んだ。
続いて大晴くんが身を乗り出す。
{じゃあ、俺のことは好き?}
「好きだよ。」
{ほな、俺ともキスしよや!}
「それは……違うんじゃないかな……」
大晴くんも、同じように肩を落とした。
“あ、この空気はマズい…”
私は慌てて提案する。
「あ、こうしよ!2人でジャンケンして、勝ったほうと今日一緒に寝る。負けたほうは明日!」
〈{それでええ!!}〉
2人は同時に勢いよく立ち上がり、無駄に真剣な表情で向き合った。
じゃんけん、ぽん!
〈よっしゃぁぁ!!俺勝った!!如月ちゃん、今日俺やで!絶対離さんからな!〉
「……っ///」
大晴くんは負けた悔しさを噛みしめながら、じっと唇を噛みしめていた。
{……。}
そんな空気を見て、リチャードさんがぽつりと言う。
〔お、2人の暴走止まったみたいやな〕
小島くんもニヤニヤしながら乗っかる。
《せや!ほな、2人が仲良くなった理由聞かせてもらおや!》
『おー、それええ案や!』
視線が末澤さんと私に集中した。
末澤さんは腕を組んで、そっけなく答える。
【……俺ら似てんねん】
《似てる?どういうことや?》
少し迷ったけど、私はゆっくり話し始めた。
「私……こう見えて昔、男性恐怖症だったんよ。今は克服してるけど……原因は、父の暴力で……」
空気が一気に静まりかえる。
〈……そんなこと、あったんや……〉
{最低やな……暴力振るうとかありえへん}
『大変やったんやな……』
〔如月ちゃん、大丈夫やで。俺らみんな味方や〕
その言葉が胸に沁みる。
「ありがとう。お互いに悩みなどを話していくうちに、自然と仲良くなってた」
小島くんがにまっと笑う。
《なるほどな〜。末さん、如月ちゃんには素直に気持ち伝えるんや!》
【……はぁ?誰にでも素直やわ、俺は】
と誠也さんはそっぽを向くが……
耳まで真っ赤なのは、みんな見えていた。