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楽屋に1番乗りで入った康二は、ふっかの席に目をやる。
まだ誰も来ていない。
昨日の夜、言いたいことは言ったはずなのに、心の中にはまだ小さなモヤが残っていた。
そこにふっかさんが入ってくる。
深澤:「……おはよ」
康二:「あ、……おはようさん」
ぎこちない挨拶。
お互い、目を合わせられないまま、無言の時間が流れる。
ふっかさんがそっと隣に座る。
深澤:「なあ、昨日のこと……まだ引きずってる?」
康二:「……うーん、ちょっとだけな」
深澤:「だよな」
ふっかが軽く笑ってから、真剣な表情に変わる。
深澤:「昨日、手出したことも、言いすぎたことも、全部反省してる。
康二がどれだけ頑張ってるかも、本当はちゃんとわかってたのに、気づけなかった」
康二は少しうつむきながら、静かに答える。
康二:「オレも、ごめん。
ふっかさんのこと、ムードでかき消してばっかで、ちゃんと向き合えてなかったかも」
しばらくの沈黙。
ふっかさんがふいにポケットから、小さなチョコを差し出す。
深澤:「これ、お詫びのチョコ。期間限定らしいから」
康二:「え、めっちゃちっちゃいやん(笑)」
深澤:「お前がまた泣いたら困るから、甘いやつ持ってきた」
康二:「……泣いてへんわ、もう」
2人の間に、ようやく笑いが戻る。
他のメンバーたちが揃い始める中、ふっかさんがぽつりと。
深澤:「俺さ、やっぱり康二が明るい方がいいよ。
でも、無理に笑ってんのはすぐバレるからな」
康二:「わかった。じゃあ、たまには甘えさせてな?」
深澤:「毎日は無理だけど……たまになら、な」
康二がふっかの肩に軽く頭を預ける。
康二:「ほな、今日はええ日なりそうや」
深澤:「おう、ちゃんと一緒に頑張ろうな」
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