テラーノベル
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ルークスに急なドッキリを仕掛けられ、あっさり王様の話の共有はできたものの、寿命が3年ほど削られた俺、道永勇弥は、王様に毒を盛っている人物を特定する作戦を説明した。ちなみに、どんな作戦かは後からのお楽しみだ!
「…なるほど?ということは、ヴァルナが大忙しって訳だね」
優雅に紅茶を淹れながら、ルークスは言った。
「能力のフル稼働か…。ま、大変だがアタシにはそれが1番得意だ!」
と、ルークスが用意したクッキーを頬張ろうとしたヴァルナが言う。彼女はクッキーが好きなのか、とても美味しそうに食べていた。
「ところでユーヤ、君はどうして今まで誰も知らなかった毒の話を知っているんだい?」
ルークスは淹れたての紅茶を嗜みながら聞く。
「…信じられないかもしれないけど、俺はこの世界のー」
と言いかけると、俺の口が止まった。周りのみんなも止まった。体は全く動かせない。まるで、時間が止まったようだ。漫画とかでよく見る、時間停止ってこんな感じなのか〜と感心していると、どこからともなく、全長3m程の、目が大量にある鰐のような生物が、目の前に佇んでいた。
その鰐の大量の目線はあちこちに向いている。
大量の目のうちの1つと、俺の目が合うと、全ての目が一気に俺を見つめた。俺を獲物として見つめるように。すると、俺の耳元で、男なのか女なのか分からない声で
「おしえちゃだめだよ」
そう囁く声が聞こえた。
その瞬間、目の前の爬虫類が飛びかかってきて、
ハッとすると、みんなは動いていた。俺の頭も元通りだった。しかし、俺は混乱している。(さっきのは何だったんだ?教えちゃダメ?誰の声だったんだ?何で頭は無事?さっきの爬虫類は?)
「…ユーヤさん、大丈夫ですか?」
ネドちゃんが俺を心配してくれて、やっと我に戻った。
「あーごめん。ぼーっとしてた」
「 …この話、やめようか。ユーヤにも事情があるみたいだし」
ルークスは察したかのように話を切り替えた。でも、このまま説明せずに俺が疑われ続けるのは嫌だ。…でも、さっきの様な体験はもうしたくない。どうするべきか…。
「ユーヤ。大丈夫だよ。別に君が犯人だと思っている訳じゃない。そもそも、僕が召喚したんだから、君が悪に手を染めていないことは十分分かってる。君に何故知っているのかを聞いたのは、情報源が知りたかっただけだよ」
「怖がらせちゃってごめんね」とルークスは謝った。何故か俺も謝った。何も悪くない人から謝られたらこちらも謝る。それがジャパニーズだから仕方ない。
てかほんとこいつ、空気も読めて気遣いもできる…イケメンすぎだろ?!!
誰かが待合室の扉をノックした。
「勇者御一行様。謁見の準備が整いました。王室までお越しください」
「…さて、行きますか!」
ヴァルナはかなり気合いが入っている。こうゆう系の作戦は好きなのか?
「…さて、絶対成功させるぞ!」
「あぁ!」「うん!」「はい!」
ここが王室…。想像以上に豪華で、警備が厳重だ。こんな中で、よく王様に毒を盛れるな。
「勇者御一行様、ご入場!!」
その声が響くと、王室への扉が開かれた。中には、豪華な装飾が施されたベッドに、上半身を起こした状態で座る王様の姿。その周りには貴族だろうか。大勢の人間がいる。さて、この中の誰が犯人かな…?
俺は入室前にルークスに教わった挨拶をした。
片膝をつき、胸に手を当て
「勇者、道永勇弥!国王であられるゼルヴァン陛下にご挨拶申し上げます!」
俺がそう言うと、ルークス、ヴァルナ、ネドちゃんの順で挨拶をした。
「おぉ、貴殿らが我らを救ってくださる勇者様方か。本来ならば正式な場所で盛大に祝うはずなのだが、このような姿で申し訳ない。なにぶん、身体が呪いで蝕まれておって…」
と言うと、ゴホゴホと酷く咳き込み、血を吐いた。
「王様!」
と周りの人は心配して近付く。よく考えると、ゾロゾロと王様に許可なく近付いて、無礼極まりなくね?他の漫画なら無礼者!!って斬られてもおかしくないぞ??
「私の力をお使いください!!」
ここでネドちゃんの能力、【見つめている生物を治す】を利用する。
「私なら王様を治せます!しかし、周りに人がいては使えません!どうか、少し離れてください!!」
まともな人は王様を治すためにすぐに離れる。少し遅れた人が犯人…でも犯人も馬鹿じゃない。そりゃすぐに離れるだろう。
そして次。ヴァルナがここにいる全員の情報を調べる。だが、ここで問題が発生する。ここにはかなりの人数がいる。それを全員調べるのは、かなりきつい。この作戦を提案したとき、
「わお、だいぶアタシの負担大きいじゃん!」
「だよな…ちょっと待っててくれ。今別の作戦を…」
「いや、いいよ!!むしろ最高だ!!」
と、すごく乗り気だった。そういえば、脳筋は負荷が好きって、どっかの動画で見たことあるけど、こうゆう事だったのか。
一応の保険として、ルークスには城内の人たちを外に出さないように結界を張ってもらっている。正直に言うと、犯人が本当に城内にいるという確証はない。でも、この話をしたとき
「王様の状態を見る限り、王様はかなりの長期間服毒しているっぽいね。王様に長期的に、かつ定期的に毒を盛れる人物であるなら、王様の身近な人。ならば、今日の激励会で出席しないはずがない」
予感は確信に変わったってやつだな!だから尚更、今がチャンスって訳だ!
ま、俺はみんなと違って能力なんて持っていない。だから、俺の仕事なんて限られてる。だからこそ、俺は俺に残された仕事を全うする!俺の仕事は挙動がおかしいやつを見つける事。ある程度はヴァルナがやってくれているけど、任せきりには出来ないからな。
俺は必死で周りを観察した。動きはもちろん。表情、視線、汗の出かたまで、全部観察していった。でも、怪しい人は見つからない。
そのとき、後ろから液体が滴る音がした。後ろにはヴァルナがいるはずだ。彼女に何かあったのか?!そう思って振り返ると、彼女は鼻血を出していた。
「ヴァルナ!!大丈夫か?!」
「あぁ!任せろ!!」
あわ~🫧
#クロスオーバー注意
そう言うと、ヴァルナはぐいっと血を拭った。アドレナリンが出ているのだろうか。目がガン決まってる…。
そうは言ったものの、ヴァルナも限界なんだ。ネドちゃんだって、かれこれ5分近く能力を使って治療をしているが、毒の作用が複雑なせいで、なかなか順調に進んでいないようだ。ルークスも、結界魔法の維持だって辛いだろうし、ネドちゃんやヴァルナの能力のサポートもやっている。俺も、ここまで不審な点が見つからないとは、そろそろ心が折れそうだ。みんな限界なんだ。これ以上時間がかかれば、犯人には怪しまれるかもしれない。…この作戦は失敗だったか…。俺には犯人を見つけることは出来ないのか…!
しかしそのとき、
「見つけた!!あいつが犯人だ!!」
ヴァルナの声が響いた。
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