荒廃世界住宅

僕はまた雨の中、目を覚ました。過睡眠のせいか頭が痛い。体制と場所が悪かったからか体も痛い。僕はとりあえず乾いた喉を雨水を飲んで癒し、立ち上がって鉄筋コンクリートで人が居なさそうな建物を探した。

まずい。最初から人が人を喰らう場面を目にしてしまった。起きて早々、運が悪いものだ。

僕は気付かれないようにそっと地面に沿うように歩いた。人よりも土踏まずの部分が深くて恥ずかしいと思っていた足が、少し誇らしく思えた。

息を整えて別の建物に移動すると、そこは運良くスーパー、服屋等が一緒になっている建物だった。なんと、簡易コインシャワー室があった。仮眠室もある。もうコインを入れなくても空いているコインシャワー室に入って、久しぶりに汚れを洗い流した。

すぐ新しい服に着替えると、近くにあった姿見で自分の姿を確認し、少し身だしなみを整える。いくつになっても、この癖は変わらない。

痛くなった体を癒す為、少しだけ眠ろうと目を閉じた。