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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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コメント
1件
うわあ……読んでて胸がぎゅっとなりました。960話も続けてきて、今このエピソードを読むと、描かれてる日常の細かいやりとりのひとつひとつが重みを持って感じられますね。「玉袋に絆創膏を貼られた稀な人間」という一文に、ユーモアと痛みが同居してて、すごく印象に残りました。Discordの仲間たちの反応もリアルで、千歳との会話のなんでもない感じがかえって切ない。転移だけは起きないでほしい——その願いが届くよう、心から祈りながら読みました。
玉袋に刺されたドレーンが抜かれ、俺は玉袋に絆創膏を貼られた稀な人間になった。狭山さんのDiscordサーバーで激動のここ数日を話すと、みんなざわめいた。
「金玉取っちゃったの!?」
「それ大丈夫なんです!?」
「子供とか大丈夫なんです!?」
俺は普通に答えた。
「取ったの片方だけなんで、片方は機能するから大丈夫です。転移さえしてなければ大丈夫」
「そんなに転移するがんなんですか?」
「進行が早いがんだそうで。生存率九割近いがんだから、そこに賭けるしかなくて」
転移だけは起きないでほしい! 転移だけは起きないでほしい!
みんなは口々に言ってくれた。
「転移してないよう祈っときますよ」
「きっと大丈夫ですよ」
「無事退院してきてください」
午後に千歳が来て、俺はぼやいた。
「がんになった場所が場所だからさ、他の人に言うときなんか気まずい」
『そうか?』
「その後は、タマ取っちゃうなんて大丈夫なの!? ってみんななるしさ」
『そりゃなるって』
「片方は残るから、去勢手術じゃないじゃん。でもみんな両方取ると思っちゃうみたいなんだよね」
『あ、それはあかりさんもそう思ってたみたいだ』
「転移さえ無ければ、何とかなると思ってるけどね」
転移さえなければ。転移さえなければ。俺は千歳が泣くような副作用に直面しなくて済むのだ。