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栞「あの、 佳代のお母さんこれちょっとキツいような…」
 おばちゃん「やーねー(笑)おばちゃんって呼んどくれよ。それにキツくした方が解けないから我慢よ!髪もバッチリ!それにしても本当に綺麗な髪してるのね」
 栞「ありがとうございます。おばちゃん」
 おばちゃん「ああ。ほら皆の所に行こうか!」
 そう言うとまたもや私の手を引っ張って行くおばちゃん。そんなおばちゃんに抗えず引きずられて行く私。
 佳代「あ!栞ー!似合ってるよ!」
 銀次「よく似合ってる。ありがとな、引き受けてくれて」
 栞「いえいえ!私もここに来てからずっと銀次さんに頼りっぱなしだったのでお手伝いが出来て嬉しいです」
 おじちゃん「さぁ!そろそろ店を開けるぞ! 」
 開店から1時間、もう市場には人混みが出来ていた。団子屋にも多くの客で賑わっている。
 佳代「お待ちどうさま!うちの1番人気『桜餅』だよ!!」
 栞「銀次さん、みたらし団子5つと桜餅6つそれにおはぎが3つです!」
 銀次「分かった」
 客「おいおい佳代ちゃん、どうしたんだいあの子は?見かけない子だけど美人さんだねー」
 佳代「ああ、あの子は栞。私の友達で今日だけ店を手伝ってくれてるんだよ」
 客「えぇー今日だけかい。寂しいねぇ」
 佳代「うーん」
 佳代の言っていた通りこの団子屋は人気の様で1時間足らずでおよそ30個近く売れている。
まだ祭りは始まったばかりだ。これからもっと売れていくはずだろう。
ようやく人も少なくなっていき、遂に最後の団子が売れた。
 栞・佳代「やっと終わった〜〜」
 疲労で動く気力が無く机に突っ伏する。
 銀次「お疲れさん2人とも。これ頑張った褒美の桜餅。これ食って俺達も祭りを見に行かねーか」
 栞「行きたいです!」
 (あぁ、銀次さんの優しさが染み渡る〜)
 銀次さんから貰った桜餅はとても甘く抹茶とマッチしていて美味しかった。流石、人気メニューなだけあって売上も1番だ。
 佳代「ねー栞。考えて見たんだけどさ、ここで一緒に働いてみない? 」
栞「私が?!えー…どうしよう……」
銀次「奇遇だな。俺もそれを言おうと思ってたんだ。それに家にいても日中はする事も特に無いし暇だと思ってな。」
(確かに家でずっと暇してるよりここで働く方が楽しいし、ここでの働き方が分かって来たしなぁ)
栞「佳代。私ここで働きたい。」
佳代「ありがとう栞!明日から銀次とおいで!とりあえず今日は終わったから着替えてお祭り見に行こ!」
 佳代は私を連れ自分の部屋へと案内してくれた。
 佳代「私の浴衣貸すね。どれが良い?」
 栞「うわー凄い。色んな柄がある。じゃあこの桜柄の浴衣がいいな」
 佳代「それじゃあ私はこの牡丹柄にしようっと。髪型も私が結ってあげる!」
 栞「ありがとう」
佳代「じゃーんどう?ついでにお化粧もしちゃった何だか妹が出来たみたいで楽しくてつい」
 栞「綺麗!私じゃ無いみたい凄いよ佳代!ありがとう!」
 佳代「良いってことよ!じゃあ、銀次を驚かせに行こ!」
 何だか悪い顔をしているが私も楽しみだ。一体どんな顔を見せてくれるのか。
 (いつも似合ってるって言ってくれるけど流石の銀次さんでも今の私を見ればびっくりするはず)
 佳代「お待たせ銀次!」
 銀次「おう。それ化粧してんのか?」
 佳代「そうよ!似合うでしょう〜」
 銀次「ああ。栞は?」
 佳代「もっと他にも感想あんでしょうが。栞なら今玄関だと思う」
 栞「すみません銀次さん待たせてしまって」
 銀次「……。」
 慣れない下駄で出遅れてしまい銀次さんを待たせてしまったが何故か反応してくれない。
 (なんだか思ってた反応と違うような)
 するとここでようやく銀次さんが口を開いた。
 銀次「! き…綺麗だ…」
 そういうや否や銀次さんは先に歩き出してしまった。
私はその一言で顔を真っ赤にし動けずにいた。
 (ヤバい、どうしよう。なんか今ドキってした。それに、銀次さん顔真っ赤にしてたなぁ嬉しいなぁ)
 佳代「これはこれは…フフフ」