コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
____Prologue
‥ピピピピピピ‥ピッ。
アラームを止め、今日もまたいつもと同じ一日が始まる。
覚束ない足取りで洗面所へ向かい、顔を洗う。
いつものように食卓に並ぶ出来立てのトーストを頬張りながら考える。
『つまらないなぁ』
リビングに響くニュースは郊外の殺人事件、物騒な話だ。
朝食を食べ終え、コーヒーで口直しをしたところで時刻は7:25。
制服に身を包み玄関を出る。少し歩けば広い道路に出て同じ服装の人たちが他愛もない話をしている。
そんな日常。それがいつ崩れるかは誰にもわからない。
そう、誰にも。
____1.嫌悪感
「もう一緒にいたくないから」
頭の中が真っ白だった。ことの発端は数分前。古びたドアを開けて一言、おはよう。
それに返事をする人は誰一人としていなかった。冷たい視線だけが刺さる。
だが、それに心当たりがあるわけでもなく、いくら自身に問いただしてみても答えはわからない。
不思議に思ったが深くは考えないことにして、いつものグループの輪に入ろうとした。
三人はいつものようにとある俳優の結婚報道や噂話をしていた。一歩、二歩三歩と近づき、
「おはよ、またあの俳優の話?」
そう話しかけてみても三人が振り向く様子は無い。あれ、嫌われた、?
嫌われる理由なんてないし、そんなことした覚えもない。
もう一度話しかけようとした時、一人が言った。
「もう一緒にいたくないから、話しかけてくんな。」
意味がわからなかった。いや、わかりたくなかった。昨日までは普通だったのに。
夜中までLINEだってしていた。いつもどおり話しかけただけなのに。
何か喋ってる。けど頭に入ってこない。
どんどん声が、三人が、遠のいていく気がして‥。
そこで私の意識は途切れた。