優菜はもう、奏斗の友達ではなくなってしまった。奏斗に謝りたい。でも、言葉が出ない。思い切って、奏斗に話しかける。
「奏斗くん・・・」
「・・・優菜」
「少し話したいんだけど、いい?」
「・・・ちょっとだけなら」
奏斗と仲直りするチャンスだ。このチャンスを逃したらもう終わりだ。
「さっきは私が変になだめようとした。それで結果奏斗くんを余計に怒らせてしまった。本当にごめんなさい」
奏斗はしばらく固まったままだ。それでも、優菜は奏斗への説得が成功すると信じていた。
「いや、僕も・・・、先走って優菜に彼氏がいるなんて勝手に思い込んでた。僕の勝手な妄想で優菜が戸惑うのも当然。ごめんなさい」
優菜の思いは十分伝わったようだ。バイトが終わると、奏斗は優菜にいつものように接してくれた。