テラーノベル
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「いや…、カイリュウ、昨日めっちゃ酔っ払ってたよな、?」
「あんま記憶ないねん…え、もしかして何かやらかした?なんか壊したとかしてへん?」
カイリュウと話している間も、昨日の事が蘇ってきて話が入ってこない。
記憶が無い、ということは、俺のキスも覚えてないのかもしれない。
それとも、覚えてるけど、無かったことにしようとしてる?
そんなの聞けるわけもない。今はただ、記憶が無さそうなカイリュウに感謝した。
大丈夫。このまま、いつもみたいに戻れる。
友達のまま、メンバーのまま、また一緒にいられる。
そう自分に言い聞かせた。
言い聞かせているうちに、カイリュウが服を脱ぎ始めてなぜか焦って止めに入ってしまった。
「カイリュウ、あっちで着替えてええで、?」
「は?なんで?別にええよここで」
いや何言ってるん俺。
昨日、恋リアごっこしてた時は、はよ着替えろやとか言ってたやん。
え、俺ほんまにどうにかなってしまったんちゃう?
「…セイト、ごめん。俺ほんまに何も覚えてないねん。何かしちゃったんなら謝るし、言ってほしい」
俺、なにしてんねん。
何を言わしてんのやろ。あかんって。
もうやめよ、考えるの。
酔っ払ってただけの、事故。
カイリュウも覚えてへんのやったら、事故で終わればいい。
よっしゃ、もう切り替えよ。
「いやほんまに、気にせんで!俺変やったよな?なんか二日酔いで調子狂っててん。」
いつものように振る舞って安心してくれたのか、カイリュウも納得したように仕事の準備を始めた。
準備を終えて、家を出て、タクシーに乗る。
ふと、カイリュウが言った。
「俺、ほんまにお前はええ友達やと思ってるから、何かしちゃったんなら言うてくれてええからな?遠慮とかされた方が困るから」
うん、ありがとうなぁと返事をしながら、その言葉になぜか一瞬苦しくなった自分がいた。
***
「セイちゃん、カイリュウおはよぉ〜遅かったなぁー?」
今日はまぜべやの収録日。事務所に入ると、ナオが何かを食べながら話しかけてきた。
「ナオちゃんおはよ。まじギリギリやったわ」
「おはようさんーお前また甘いもん食うてるん?好きやな」
「だって美味しいからしょうがないやん?え、てかさー、2人で一緒に来たん?」
なぜか俺は内心ドキッとした。そうとは知らずカイリュウは淡々と返事をする。平静を装おうと飲み物を手にしながら、会話を聞く。
「セイトんちおってん。」
「え?お泊まりってこと?」
「んーまぁそうやな」
「きゃ〜えっち!」
「なんでやね「ぶふっ、…!!」
思わず飲み物に噎せて、動揺してしまった。
え?と声を揃えながらカイリュウとナオちゃんがこっちを見てくる。
「お前、汚っ!」
「えっセイちゃん何動揺してんの?」
鋭いナオちゃんに突っ込まれる。
あかん、頑張れ俺。平常心平常心。
「いや、ごほっ、変なとこ入ってん…あぁびっくりしたーしぬか思た」
「…なんかセイちゃん変やで?」
「いやせやねん、こいつ今日朝からずっと変やねん、まじで何?」
鋭すぎる2人に、誤魔化しきれずどうしようとなっていたところにスタッフさんから声が掛かり、なんとか事なきを得て収録へ向かった。
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