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快晴「アレ?」
快晴はこの部屋の天井を見たが、昨晩真っ暗闇の中にあった首吊り自殺跡のロープの姿が無かった。
快晴「どういう事や?」
風太「何が?」
快晴「昨日見た首吊り用のロープが無ーなっとる」
風太「そうなん?」
風太は昨晩、別館には行っておらず、志土の部屋で談笑していた。別館の父親の部屋に天井からぶら下がっているロープがあったことなど知らない。
風太「回収したとか?」
快晴「登られへんとこらしいから、誰か取ったとか有り得へん…。ごっつい高い梯子登ってやらな無理な高さやった」
風太「えらい高いところで自殺したんやなー。その親父さんも」
快晴「……この世に未練が無かったんやろか?なんぼ女嫌いやぁ言うても、奥さんと子供二人おったんやから未練くらいありそうやのに…」
快晴がそうボヤキながら、何か無いか探すが、めぼしいものが全く無かった。
快晴「フウちゃん肩貸してや」
風太「うおッ!!早い早い!!お前俺が「うん」言うてから肩借りろや!!危ないやろ!!」
快晴は風太に肩を貸すように頼んだと同時に、風太の背中に周り彼の筋肉質の両肩に自分の両手を置いた。
直後、両手に体重をかけ、グッと力を入れて自分の細い体を持ち上げる。そのあと、右足を先に風太の右肩から出して置き、次に左足を持ち上げて風太の左肩から前に出した。
すると、風太が快晴を肩車してるようになる。
快晴「良い子はマネしないでね」
風太「誰に言うとんねん?」
182cmの風太、およそ85cmの快晴の座高が合わさり、全長267cmになった。
快晴「痛《い》ッた!!頭天井打った!!」
風太「アホがよォ!!」
流石に250cmは部屋の天井に軽々と頭をぶつけてしまい、快晴は痛む頭を自分の右手で抑えていた。風太はゲスい笑みと下卑た声色をして快晴を貶していた。
風太の下卑た声色を聞いた快晴は、「自分を貶している」と理解していたが、それよりも大事なことがあるので、そのまま首をキョロキョロとさせて天井や天井を支えている柱を見ていた。
快晴「柱には自殺したロープの痕がない。綺麗な柱…。え?それじゃぁ昨晩見た僕のあのロープは?」
快晴は混乱した。
昨晩、路郎に案内して貰った彼の父親の部屋の天井の柱には、ロープがぶら下がっていたハズだった。
快晴「何処の部屋もロープが無い…。なんでや?」
鍵がかかっていた「ろあ」と言う人物の部屋以外は、鍵が開いているが、昨夜路郎の父親の部屋で見た天井にロープがぶら下がっていない。
快晴「(昨日の夜中、ちゃんとあったのにな。なんで無くなっとるんや?もしかしたら、プレートが入れ替わっとる思てオーナーさんのお父さんの部屋以外調べたけど、どっこもロープが無ーなっとる…どういう事?)」
それと快晴には、もうひとつ疑問が浮かび上がった。
快晴「(音奈ちゃん探しとるついでに、音奈ちゃんの左手首に黒い手形つけた奴探っしょるけど…。何処にもおらへん)」
快晴は顎に手を当てて考えた。
快晴「(音奈ちゃんの黒い手形…。アレが呪い説ちゃうってなるんやったら、全然取れへん超強力な油性インクか思ったけど…そのインクつけた奴は、旅館におる奴らやのーて別の奴なんわ確か)」
風太「(急に黙りよったな。考える前に肩から降りて欲しいねんけど…)」
快晴「(音奈ちゃんに黒い手形がついたあの時、旅館におる奴らの両手にはあの黒い色が着いてへんかった)」
風太「おい降りてから考えーや!」
風太はしゃがむと、快晴は返事もせずに思考を巡らせながら風太の肩から降りた。
風太「クッソ肩痛いわ…」
風太はそう愚痴りながら、自分の肩に手を置く。
快晴「(昨晩、別館に行ってないフウちゃんと志土君は、論外…。せやから手形事件は、美虹先輩とオーナーさん、五泉莉來さんが容疑者…でも、三人とも両手に黒いインクみたいなん着いてへんかったし…。擦っても、水で洗ても落ちひん奴やから、あの手形着けた奴の手ェも同じように黒いハズやねんけど…)」
快晴は顎に手を当てて考え、「じろう」の部屋から出ようとした。
風太「おい快晴!ちっさい鍵がベットの柵と壁に挟まっとるで!!」
快晴「ちっさい鍵?」
風太が大声で気になる事を言ってきたので、快晴は思考を停止してその言葉を受け取り、ベットヘッドところを指差して快晴を見ている風太に近づいた。
快晴「狭ッ…。僕の指でギリ届くか…」
男性にしては細い指先を使って、なんとか小さい鍵を取り出した快晴。
快晴「何処の鍵や?」
風太「隣の開かんかった部屋ちゃうん?」
快晴「ちっさすぎやからちゃうやろ」
そこで快晴は、この部屋にある紫色の鏡台の、開かない引き出しを思い出した。
快晴「この鍵かな?」
快晴は小さな鍵を引き出しについている鍵穴に挿した。すると、その鍵は回ってカチャリ…と小さな音を立てて開いた。
快晴「開いたわ」
風太「オーナーさんの大事なもん入ってんねやろか?」
風太がそう言っている間に、快晴が鏡台の引き出しを開けて、中身を見ていた。すると、中には赤色の日記帳を見つけた。
快晴「日記帳…?」
風太「オーナーさん、日記つけててんねんな」
快晴「今は忙しそうやから無理や思うけど、昔やったら…」
快晴は赤色の日記帳を開いて読んだ。
快晴「あ、フウちゃん。オーナーさんに『音奈ちゃん見つからへん』って言うといて」
風太「おん」
風太はスマホで路郎に連絡し、「音奈がいない」事を伝えた。
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加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
14,946
ねむ
222