テラーノベル
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「さあ!時間の余裕は出来たわけだし、今の状況をまとめようか」
カイはそう良い、中央にある大きなテーブルの前に立つ。それにつられて他の3人もそこに集まった。
パチンッ!
カイが指を鳴らす。するとテーブルいっぱいに何かが浮かび上がった。テーブルが画面になっているようだ。
「あ!外殻大ドーム内のマップ!」
ミラはとても驚いた表情を浮かべた。しかし、そんな反応をしたのは彼女だけではない。
「いつの間にそんな器用な事したの?」
エリスも珍しく驚いている。表情には出さないが、瞳孔が開いていた。
「この前改造しておいたんだ,メルトも手伝ってくれたよ」
そう言い、カイはメルトを見た。
「大変だったけど、仕事をもっと効率よく行うためにな。まさかこんなに早くに使うことになると思っていなかったが…」
すこし照れくさそうに笑う。
「えー、珍しいね。けどそれが今回の騒動に役立つなんて、二人ともありがとうね!」
驚きつつもミラはきちんとお礼をする。
しかし、いつまでも話しているわけにいかない。すぐにカイは皆をまとめる。
「じゃあ、今回の騒動についてまとめよう。そのためにも、まずはここについておさらいしよう」
「ここは、現世の人生に疲れた人間が辿り着く場所だ。
逃げ場でもあり、終着点でもあるだろうね。」
カイは宙に浮かぶ地図を指先でなぞりながら、淡々と続ける。
「出入りは自由。何度でも来られるし、いつでも戻れる。
ただし、ここにいる間――現世の時間は完全に止まる」
「多くの人は、戻らない選択をする。
ここで生涯を終えれば、現世では“最初から存在しなかったことになる”」
「記憶も、痕跡も残らない。
それが、この楽園の仕組みだ」
「当然だけど、一つの世界だけじゃ収容しきれない。沢山の世界線から人が来るからね。だから、同一構造のユートピアを無数に用意した」
彼は小さなドーム群を示す。
「地形も、生態系も、時間の流れも同じ。
それぞれが独立した“完全な世界”だ」
「そして、それらすべてを覆っているのが――この外殻大ドーム」
最後に、軽くテーブルを叩く
「この塔は、その管理中枢。
ここから、全ユートピアを監視している」
ざっとこの世界についての説明をした。詰まることない、とても流暢な説明だ。
「あー、そんな感じだったね。じゃあ次は私たちの仕事についてかな?」
ミラは次の説明を始めた。
「私たちはこのユートピアの管理者。」
「時を司る↑、生命を司る♢、創造を司る✝︎、そして感情を司る♡」
「この4人でユートピアの秩序を守っている。全てのユートピアに行き来可能……ってくらいかな?」
すこし怪しい部分もあるが、ちゃんと説明してくれたようだ。
「合ってる」
エリスは無表情のままだ。
しかしバトンはエリスに渡ったようだ。
「……、ユートピアではなんでも出来る、なんでも作れる。だから喧嘩も、物の取り合いも起きない。
中毒性が高い。」
説明は終えたようだ。皆がメルトの方を向く。
少し焦りつつも、落ち着いて話し始める。
「ユートピアには様々な世界線から人が訪れる。全くおなじ世界線っていうのは存在しないから、全く同じ人もいないし、人種が違う時だってある。例えば海底人とかな。」
メルトも説明を終えると、カイが仕切りだす。
「じゃあ、そのことも踏まえて、今回の騒動について考えようか。」
「ユートピアの崩壊について。」
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