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#ご本人様には一切関係ありません
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お久しぶりです
大変長らくお待たせしました🙇♀️💦
第4話です!どうぞ
※ワンク
病気(認知症)に関する表現を含みます
また、このお話は二次創作であり、
ご本人様とは 一切関係ございません
苦手な方は自衛をお願いいたします🙇🏻♀️
Episode.4
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紫:side
昼休み。
教室のざわめきが、やけに遠く感じる。
弁当を開いたまま、俺はぼんやりと箸を持っていた。
「……いるま?」
隣から声がする。
なつだ。
赤「食べないの?」
紫「あー……食うよ」
慌てて一口、口に運ぶ。
味が、よく分からない。
赤「なぁ」
ふいに、なつが声を潜める。
赤「ほんとに大丈夫?」
紫「……だから、大丈夫だって」
少しだけ、強く返す。
その瞬間。
なつの表情が、ほんの少しだけ曇った。
紫「……ごめん」
思わず、口から出た。
自分でも驚くくらい、すぐに。
なつは一瞬目を丸くして――
赤「いや、謝ることじゃねぇだろ」
そう言って、少しだけ笑った。
その時だった。
モブ「おーい、いるま!」
後ろから声が飛んでくる。
振り向く。
見覚えのある顔。
クラスメイト。
……なのに。
紫「……っ」
名前が、出てこない。
さっきよりも、はっきりと。
頭の中が真っ白になる。
赤「どうした?」
不思議そうに近づいてくる。
何か言わないと。
早く。
早く――
紫「……っ、ごめん、ちょっとトイレ」
とっさにそう言って、席を立つ。
逃げるように教室を出た。
𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃
廊下。
人の気配が少ない場所まで来て、足を止める。
紫「はぁ……っ」
息が乱れる。
うまく吸えない。
視界が狭くなる。
音が遠い。
心臓だけが、やけにうるさかった。
手が震える。
壁に手をついて、なんとか立っていた。
――なんで出てこない。
顔も、声も、分かるのに。
名前だけが、ぽっかり抜け落ちている。
「……なんだよ、これ」
小さく呟く。
その声が、自分のものじゃないみたいに聞こえた。
ポケットからスマホを取り出す。
震える手で、メモを開く。
そこには、いくつもの言葉が並んでいた。
『忘れるな』
『名前』
『繰り返せ』
……こんなの、昨日あったか?
自分が書いたはずなのに、覚えてない。
「……名前」
指でその文字をなぞる。
まるで、自分に言い聞かせるみたいに。
――やっぱり、おかしい。
もう、“気のせい”じゃ済まない。
「……いるま?」
後ろから声がした。
振り返る。
そこにいたのは――なつだった。
赤「……どうした?」
少し息を切らしながら、こっちを見る。
その目が、まっすぐで。
逃げられない、と思った。
紫「……なんでもない」
反射的に、そう答える。
でも。
赤「……顔色、やばいぞ」
なつの声が、少しだけ低くなる。
何か言わないと。
誤魔化さないと。
なのに――
言葉が、出てこない。
ーーーーーー
赤:side
絶対に、おかしい。
そう思ったのは、今日で何回目だろう。
昼休み。
いるまの様子は、明らかに変だった。
弁当を開いたまま、ほとんど手をつけない。
声をかけても、反応が遅い。
赤「大丈夫?」
そう聞いたときの、あいつの顔。
一瞬だけ、何かに怯えたみたいに見えた。
それでも、「大丈夫だ」って言う。
……嘘だろ、あれ。
モブ「おーい、いるま!」
後ろから呼ばれて、あいつが振り向いたとき。
――違和感が、はっきりした。
あいつ、分かってない。
呼んだやつのこと。
まるで知らない人を見る――そんな目だった。
ほんの一瞬。
でも、見逃すほど鈍くない。
あいつの目が、“探してた”んだ。
そのあとすぐに、教室を出ていった。
「……はぁ」
小さく息を吐く。
考えすぎだって思いたい。
でも。
――あれは、普通じゃない。
気づいたら、立ち上がっていた。
「ちょっとトイレ」
適当にそう言って、教室を出る。
廊下を歩く。
さっきあいつが出ていった方向へ。
本当なら、トイレは反対側のはずなのに。
胸の奥が、ざわざわする。
嫌な予感って、こういうのを言うんだと思う。
𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃
角を曲がったところで、足を止めた。
いた。
壁に手をついて、息を整えてる。
「……いるま?」
声をかけると、ゆっくり振り向く。
その顔を見て、息が詰まった。
――やっぱり、おかしい。
赤「どうした?」
なるべく普通に聞く。
けど、内心は全然普通じゃない。
紫「……なんでもない」
返ってきた言葉は、短くて。
でも、それ以上に。
――何も言えてない。
そんな感じがした。
赤「……顔色、やばいぞ」
少しだけ低い声で言う。
逃がさないように。
あいつは、黙ったまま。
視線を逸らして。
何かを言おうとして――やめた。
その様子を見て、確信する。
――これは、何か隠してる。
赤「……なぁ」
一歩、近づく。
逃げられない距離まで。
赤「…一人で抱えんなよ」
自分でも分かるくらい、声が真剣だった。
もし。
もしも。
あいつが、何か抱えてるなら。
――ちゃんと、聞かないと。
to be continued
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第4話読んでいただきありがとうございました!🙇🏻♀️
最近、見てくださる方や♡をくださる方が少しずつ増えていて、本当に嬉しいです…!
ひとつひとつ、とても励みになっています✨️
不定期投稿で期間が若干空いてしまうこともありますが、続きもまた楽しみにしていただけると嬉しいです!
ではまた次回!第5話もお楽しみに〜👋