TikTokライブ

「仁人、悪かったって」

「そんな怒んなよ」

「おーい、からあげくーん」

うるせぇ、うるせぇ。俺は怒ってんの！

「おい。無視すんなって」

「うるせぇよ。なんで舜太も太智も勇斗もあんな乗り気なわけ？意味わかんないんだけど」

「だから、仁人は女子校育ちなんだよ」

「なんそれ！ほんと…いつからこんなグループになっちゃたんだよぉ～…」

「っはは」

なに笑ってんだよ。ほんとわかんない。勇斗がなに考えてんのかほんとわかんない。

「許せよ。仁人」

急にいつもの声のトーンに戻る。

「久々にメンバーと集まれて楽しかったんだよ」

最近、勇斗は朝ドラの撮影のために大阪でホテル滞在が主になってるため仕事以外でこうやってメンバーと集まれることがない。

しかも、３１日に予定していたファンミーティングが台風のため延期になったし、キャンドリのリハも最低限しか参加できない。

他のメンバーも個人仕事が増えて集まりにくくなってるからテンションが上がったのもわかる。

それに、勇斗にとっておでこにちゅーなんて……

「誰があんなん見て喜ぶんよぉ…」

「あ？舜太もみ！るきーずも喜んでたっしょ」

「身内喜ばすためになんてやってねぇよ…」

テレパシーで柔太朗にも気軽にちゅーできちゃうんだからなんてことないんだろうな…

「もぉ…ほんと、最悪…」

「そんな、嫌だったのかよ」

隣から聞こえてくる今までと違う拗ねた声。

「え？」

「そんな嫌がんなくてもよくね？そこまで言われると俺でも傷つくんだけど…」

「いや～…えっ？」

なんで俺が悪いみたいな雰囲気になってんの？え？俺が悪いの？え？

「いや、その、がちで嫌だったとかではなくてぇ…」

「じゃ、なに？」

え？なんで俺こんな問い詰められてんの？

「…勇斗は誰にでもちゅー…できるんだなと…」

「誰にでもじゃねぇよ。仁人だからした」

え？ん？は？

嘘じゃん…柔太朗でも、太智でも、舜太でもEBiDANメンバーでもお前は需要があれば誰とだってするくせに…

なのに、そんな勇斗の一言に惑わされてるのが悔しい。

「うそつけ……」